Rec.ブースの常設機材はクオリティを重視して選んでいる
- Rec.ブースはどんな経緯で始まったのでしょうか?
もともとリハーサルがメインのスタジオだったところを、ミュージシャンの方々に向けてより広いアプローチができないかと思い、レコーディング用として使えるようにしたのが始まりです。「リハーサルの次はレコーディングでしょ?」みたいなところから始まって、それがどの店舗でも利用できるようになっていったという流れだと思います。今では配信をセルフでできるようになったりと、どんどん発展しています。もともと弊社はいろんなことにトライしてきたので、その一環ですね。
- 気軽にレコーディングをしたいミュージシャンのニーズに合致したわけですね。
そうですね。秋葉原店の場合はRec.ブースとリハーサルスタジオ(GSst)を組み合わせて使えるのですが、店舗によってはRec.ブース単体での使用に特化している場合もあります。最近では移転した中野店でも新しくRec.ブースが出来ましたし、Rec.ブースがあるのがスタンダードみたいになってきました。Rec.ブースに常設している機材はクオリティを重視して選んでいて、すごくハイグレードなものや高価なものが揃っているので、よりハイクオリティな環境で自分でレコーディングできるところが、普段から宅録をしている人達や、主にビギナーの方々への売りになっているのかなと思います。
- どんな使われ方が多いですか?
昔はドラムを録る人が多かった気がしますけど、最近はボーカルを録る人が多くて、Rec.ブースを単体で利用するケースが増えています。ドラムを録る場合は必然的に2部屋使うことが多いですが、1人でボーカルだけを録りたいという人は、個人料金でRec.ブースだけを利用されることが多いです。1時間800円+レンタル代とすごくリーズナブルなので、そこも1つの強みかなと。
- レコーディング用のマイクはレンタルできるのですね。
そうですね。基本的にはマイクもクオリティの高いものを多く用意しているので、そこも喜ばれるポイントのひとつですね。パソコンだけは持ち込んでいただく必要がありますが、Rec.ブースに常設の機材はスタジオ代のみでご利用いただけます。秋葉原店では最近機材を入れ替えて、マイクプリアンプやドラム用のマイクセットなどを新たに導入したんですよ。
- どんな機材が加わりましたか?
まずモニタースピーカーの Output Frontier を導入しました。一聴してすごく聴きやすくて、クリアに入ってくる音だなという印象があって。僕自身も気に入ったのと、当店にはレコーディングエンジニアを目指す専門知識の豊富なスタッフが数多く在籍しているので、彼らにも試聴してもらった上で Frontier がいいんじゃないかと。Genelec のモニタースピーカーも前からあるのですが、プロのエンジニアがアイドルの声を録るためにRec.ブースを利用したケースなどもあり、スピーカーの選択肢を増やした方がユーザーにとっていいのではないかと思ったんです。
Volt 276 さえレンタルすればどのスタジオでもレコーディングできる
- マイクプリアンプは何が使用できるのでしょうか?
Manley のチャンネルストリップ CORE を導入しました。これはスタンダードな機材というか、ボーカルでもライン音源でも、どちらを録るのにも適していると思ったんです。マイクプリ、コンプ、EQが一体化していて、1台で音作りを完結できるところもすごくいいと思いました。CORE が1台あればひと通りのことができますよね。ちなみに渋谷1号店R/Pスタジオには2チャンネル・マイク・プリアンプの Rupert Neve Designs 5211 を新たに導入しました。
- ではオーディオインターフェイスは?
以前から RME のインターフェイスを常設していたのですが、それに加えて Universal Audio Volt 276 をレンタルできるようにしました。これはスマホやタブレットでも使えるので、実際スマホで録る方も予想以上にいて、ご好評をいただいています。あとはサイズがコンパクトで、Volt 276 さえレンタルすればどのスタジオでもレコーディングできるという点も大きいですね。「Rec.ブースじゃないとレコーディングできない」という印象を与えたくなかったんです。Roland Studio Capture などのインターフェイスも前からレンタルしていましたが、新しいものを導入することで1つの目玉にしたかったというのもあります。秋葉原店以外にも自由が丘店、三軒茶屋店、初台店、野方店、新宿店、秋葉原店、御茶ノ水店で Volt 276 をレンタルできるようになりました。
- Volt 276 は操作がシンプルなので扱いやすそうですね。
RME を初めて使う方の場合、対応に呼ばれることが多いんですよ。「操作方法がわかりません」とか「モニターに音が返ってきません」といったことがよくあるんですが、Volt 276 はそれがほとんどありません。やはりつなぐだけで使えるというのは使いやすいのかなと思います。
- ドラム用のマイクレンタルも種類が豊富になりましたね。
Senheiser MD421 や AKG C451 といったメジャーなマイクはひと通りレンタルしているのですが、マイクに関してももっとバリエーションを豊かにしたかったのと、ドラムに立てるすべてのマイクを同じメーカーにしたらどう音が変わるのか、まとまりが出るのか?っていうところにもすごく興味があったので、sE Electronics の V KICK、V BEAT、sE8 Pair を導入しました。
- 取り付け用の V CLAMP を利用すると、タムやスネアへのマイキングがやりやすそうですね。
そうですね。この方が見た目もスッキリしていいんですよ。最近は叩いてみたの動画を撮る人が多いので、そういう人達に向けても映像映えじゃないですが、動画をスッキリと見せられるよという売りにしていければと思っています。
- ところでレコーディングに不慣れな方だと、セッティングに時間が取られてしまわないか心配です。
初めてレコーディングされる方に向けては、RECビギナーサポートプランというサービスを行っています(¥1,100)。常設インターフェイスの操作方法や、DAWに信号が来るまでの確認、オケと声がモニターに返るところまでをこちらでセッティングさせていただいて、録音ボタンを押せばスタートできるところまでお手伝いします。レコーディングってやっぱり機材の使い方がわからなかったり、ハードルが高いと感じている方がいると思うんですね。そういう「やってみたいけど手が出せない…」っていう方々に対して、私共がサポートすることで安心してご利用いただけるようにしたいですね。
- どんなDAWでもサポートしてくれるのですか?
どのDAWでも大丈夫です。ただ無料DAWだと条件があったりするので、予約時にどのDAWかを確認して、パソコンが Mac か Windows かも確認してからご来店いただきます。それと、インターフェイスのドライバのインストールだけは事前に済ませていただいて、そのPCをお持ち込みいただきます。これだけで当日バッチリレコーディングができます。
- そこまでサポートしてくれたら、次からは1人でできるかもしれないですね。
そうですね。ただたんに私共がセッティングするだけではなく、お客様に実際にパソコンの画面を見ていただきながら「このフェーダーを上げるとこのチャンネルにオケが返るんですよ」とか「こうすればモニターに音が返ります」と1つ1つお伝えしてサポートするので、1回受けていただければ、次回以降は1人でもできるようになると思います。ちょっとしたレクチャーに近いですね。
- とても親切なプランですね。利用される方は多いのでは?
かなりいらっしゃいます。電話予約の時点で「RECサポートプランをお願いしたいです」と言う方もいますし、こちらから「こういうサービスがありますけどどうですか?」と提案すると利用される方もかなり多いので、需要が高いと感じています。
写真:桧川泰治
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