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Universal Audio : 5分で知る UAD プラグイン(8)Auto-Tune Realtime

音楽制作やライブ配信でプロのようなボーカルサウンドを目指すなら、避けては通れないのが Antares Auto-Tune です。 特にレイテンシーほぼゼロでかけ録りができる Apollo 版の Auto-Tune Realtime は、プロの現場でもはや標準装備となっています。

現代のライブ / レコーディングにおける武器


いまや Auto-Tune は単なる音程補正ツールを超え、現代の音楽、特にPop、Hip-Hop、R&Bにおいて楽器のひとつとして確立されています。

ライブの現場では、UA のオーディオインターフェイス Apollo シリーズなどと組み合わせることで、遅延ゼロ(ニアゼロレイテンシー)で補正をかけられます。プロのライブでは、シンガーが自分の返し(モニター)に Auto-Tune を適用し、意図的にケロケロボイスを出しながらパフォーマンスしたり、激しいダンス中でも完璧なピッチを維持するために活用されています。

またレコーディング現場においても、後から直すのではなく、Auto-Tune がかかった状態で歌うのが今の主流です。エフェクトによる声の変化をリアルタイムに聴きながら歌うことで、独特のニュアンスやノリを生み出すことができます。

Access、Advaned、X の違い


UAD 版の Auto-Tune Realtime には、Access、Advanced、X というグレードの異なる3モデルがあります。

Realtime Access
シンプルさと作業のスピード感を重視したモデルで、最小限のノブ操作で直感的に設定が行えます。難しいことは抜きにして、手軽にケロケロさせたい場合や、配信でサクッと使いたい人に最適です。

Realtime Access

Realtime Advanced
長年 Auto-Tune を使い慣れているプロのユーザー向けのモデルで、より詳細な設定が行えます。より自然な補正を実現する Flex-Tune や、多くのヒット曲を生み出した伝説の Auto-Tune 5 特有のアルゴリズムを再現する Classic Modeなどを搭載しています。

advanced

Realtime X
最新のフラッグシップモデルで、Advanced の詳細な設定機能を備えながら、UI(操作画面)が一新され、暗いスタジオでも視認性が高く、直感的な操作が可能になりました。伝説の Classic Mode も搭載し、あのパキッとした明るい補正サウンドを簡単に再現できます。

X

3ステップで始めるクイックスタートガイド


セッティングは以下の3つのステップを踏むだけでOKです。

1. プラグインを起動する
Apollo の Console アプリ、またはDAWのボーカルトラックにインサートします。

2. キーとスケールを設定
曲のキーに合わせて設定します(例:C Majorなど)。これがズレると音痴に聞こえるので注意!

3. スピードと質感を調整
ケロケロボイスにしたい時は Retune Speed をFAST(右側)にします。自然に補正したい時は Retune Speed をMEDIUM/SLOW(中央〜左側)にし、Humanize を右に回します。

押さえておきたい主要コントロール


Retune Speed(リチューン・スピード)
ピッチを修正する速度を決めます。FASTにすると瞬時にピッチを固定するため、あの機械的な「オートチューン・サウンド」になります。SLOWにするとゆるやかに補正するため、聴感上はエフェクトがかかっていると気づかれないほど自然です。

Humanize(ヒューマナイズ)
ロングトーンにおける自然なピッチの揺れ(ビブラートなど)を残すための機能です。スピードを速く設定しても、この値を上げれば、音程はしっかり合いつつも、人間味があるナチュラルな仕上がりを実現できます。

自然な歌声を支える2つの重要機能(Advanced / X のみ搭載)


Flex-Tune(フレックス・チューン)
「歌い手の個性を守るセーフティネット」です。従来のAuto-Tuneは、すべての音を強制的に音階(ノート)へ引き寄せますが、Flex-Tuneを上げると、音階に近い場所では補正をせず、大きく外れた時だけ優しく引き戻してくれます。歌い手のニュアンスや微妙なピッチの揺れを活かしつつ、外れた部分だけを直す「バレない補正」が可能になります。

Natural Vibrato(ナチュラル・ビブラート)

ビブラートのボリューム調整ノブです。シンガーが元々持っているビブラートの深さを、リアルタイムで強調したり、逆に抑えたりできます。ビブラートが深すぎてピッチが不安定に聞こえる場合は少し抑えめに、逆にフラットな印象なら少し強調して華やかにする、といったプロレベルの追い込みが可能です。

どれを導入すべきか?


今から導入するのであれば、最新UIで視認性が高く、すべての機能を網羅した Realtime X が間違いなくベストバイです。特に Flex-Tune と Natural Vibrato は、単なるピッチ補正を超えて「ボーカルの質感をデザインする」ために欠かせない機能です。これらが使える上位モデル(AdvancedやX)こそが、Auto-Tune の真の力を発揮できるツールと言えるでしょう。

一方で Realtime Access は、上位モデル譲りの強力なアルゴリズムを、誰でも扱えるシンプルさに凝縮したモデルです。Apollo X Gen 2 シリーズには全モデルにバンドルされています。Auto-Tune の効果を体験してみたい方や、ライブで安定したピッチ補正が欲しい方にとって、これ以上なく心強い味方になってくれるはず。ぜひ、あなたのボーカルにプロの輝きを加えてみてください!

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