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Nektar Technology : アーティスト・ストーリー Häzel

グラミーにノミネートされることは多くのミュージシャンたちにとっての夢ですが、それを叶えることは容易ではありません。絶賛される気鋭のアーティスト Gallant のトラック “Miyazaki”、その誕生の背景となったビートを生み出した Nektar Impact LX のユーザーであるメルボルンのプロデューサー Häzel は、夢を現実のものとした一人です。

近年の彼のホームスタジオは、Nektar Impact LX と PreSonus Studio One を中心にセットアップされています。1年半ほど前にこのコントローラーを導入した際、当時バンドルされていた Studio One Artist* の存在は、彼に Steinberg Cubase から Studio One へとDAWを乗り換えさせるに至りました。

「Studio One を試しに使ってみたらすぐに馴染めたよ。整然としたワークフローがとても気に入ってる。時々まだミックスで Cubase も使うけどね。」

AKAI の MPC に慣れ親しんでいた彼にとって、マウスに縛られないワークフローの恩恵は計り知れません。我々は多くの質問をぶつけてみました。その回答として彼は以下のビデオを制作し、いかに Nektar の “DAWインテグレーション” が制作に活躍しているかについて教えてくれました。

*現行モデルである Nektar Impact LX+ にバンドルされるソフトウェアは Bitwig 8-Track となっています。

DRAKE : COMEBACK SEASON

Häzel は、多感な時期をパリで過ごしました。この地で彼は音楽にのめり込み、ヒップホップシーンで名を上げていきます。そしてカナダで仕事をしていた2007年頃、彼のミックステープが Drake の耳に留まりました(当時の Drake はまだ未契約ではあるものの、頭角を現し始めた新進気鋭のアーティストでした)。このことが Drake のセカンド・ミックステープ COMEBACK SEASON 収録曲 ”Share” でのコラボレーションに繋がります。“Share” は、J Dilla のトラックの次曲として収録されました - この伝説的ヒップホップアーティストは、Häzel にプロデューサー志向を抱かせた大きな存在です。

「振り返れば、音楽はずっと僕の人生の一部だった。自分のバンドか何かを持とうとずっと考えていたけれど、90年代中頃までは何も起こらなかった。そう、Erick Sermon の音楽に出会ってヒップホップにのめり込むまではね。彼の影響で僕はビートを作ることに没頭していくんだ。しまいには YAMAHA のポータブルキーボードをいつも持ち歩くようになっていたよ。これが僕の基礎になった。2つのテープで試行錯誤してレイヤーをレコーディングしては、それを学校でラッパーたちに提供していたね。そんな時に J Dilla (Jay Dee) が現れたんだ。このことが僕が音楽に対してより真剣に向き合うきっかけになったよ。
兄は僕に、486コンピュータと FastTracker 2 というソフトウェアの使い方を教えてくれた。昼夜問わず、ずっと触っていたよ。それまでの人生で手に入れた最も楽しいものだったね!18歳くらいになって MPC を買う余裕が出てくるまではこのセットアップ。この頃になって僕はプロフェッショナルになった。一応15歳からビートテープを売ってはいたけどね。」

GALLANT : OLOGY

その2年後、オーストラリアに住んでいた彼は Gallant のクレジットに名を連ねることになります。いったいどのようにしてこのコラボレーションが実現したのでしょう?
Häzel はこのストーリーについて、「まさに21世紀ならでは」と語ります - そもそものビートは、Häzel とカナダのプロデューサー Ebrahim とのコラボレーションから生まれたものです。そしてこのトラックが Gallant の耳に留まり、彼のスタッフから権利関係をクリアにするためにコンタクトがあったのです。もちろん Häzel は承諾しました。
Häzel が Gallant と初めて話したのは、アルバムのリリース後のことでした。「来月、初めて彼と直接会えるんだ。これからのコラボレーションの可能性について話をしてくるよ。」と Häzel は加えます。

スタジオギアとセットアップ

Häzel は主にコンピューターで制作を行い、そのセットアップはPCに立ち上げた Studio One と Cubase、そして PreSonus Studio 192、Nektar Impact LX49 が中心となっています。Impact LX が彼のワークフローにどれほど貢献しているか、がビデオのポイントです。「マウスを使うのが好きじゃないんだ。」
ではどんなギアを使うのでしょう?「プロジェクトを始める時は必ず、お気に入りのソフトシンセ Vember Audio Surge と Waves のテープエミュレーター、あとは NI の Battery 3 を立ち上げるよ。Battery はまだ Ver.3 を使ってる。Ver.4 はどうも好きになれないんだ。シンプルなソフトウェアが好きだからね。そしてレコードからのサンプリング用の2チャンネルを用意する。あわせて Fender Rhodes のスーツケースピアノ、お気に入りの MPC3000 とYAMAHA DX7 II 用のトラックも。コンピューター内でFMサウンドが欲しい時には、DEXED っていうフリーのVSTiを使うね。」

最後にひとこと

「僕にもクラシックの素養があったらな、って思ったりすることもたまにあるよ...なにせ完全に独学だったからね。でもその制約こそが僕によりクリエイティブであれ、ということを強いている気がするんだ。みんなだってDAWとちょっとの忍耐力さえあれば、たいがいのことができるんだよ!」

本当にその通りですね。Häzel、どうもありがとう!

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