Marshall アンプについて知る

ロンドンの小さなドラムショップから始まり、ヘビーロックの代名詞となるまで成長した Marshall ブランドは、50年以上にわたりアイコン的なアーティスト達に愛されてきました。各時代を代表する Marshall アンプの違い、そしてクラシックなブリティッシュ・ロック・サウンドをいかにして引き出すのかを学びましょう。

ルックス、フィール、そしてサウンド - Marshall アンプがロックンロールと同義でないとすれば、誰がそのことを指摘できるでしょう?ロンドンの小さなドラムショップから始まり、ヘビーロックの代名詞となるまで成長した Marshall ブランドは50年以上にわたり、Jimi Hendrix、Eric Clapton、Pete Townshend、Jimmy Page、Angus Young、Slash、Tom Morello 等、ジャンルを定義してきたプレイヤーたちに愛されてきました。

これらのアンプは誰もが憧れを抱く存在ですが、相応に高価でもあります。そこで Softube は、UADハードウェアとUAインターフェース用に Marshall の遺産の根幹を見事に体現する4つのプラグインを開発しました。まさにどんぴしゃの結果を得られ、それぞれで異なるクラシックな "Marshall トーン" のフレーバーを呈します。

ここではこれら4つのアイコン的トーン・マシンを掘り下げ、各アンプの注目すべき特長に寄与する様々な要素を解説していきます。

60年代前半 - Marshall Bluesbreaker 1962

1964年に発表されたモデル1962コンボは、強力な1枚のアルバム - John Mayall’s Blues Breakers Featuring Eric Clapton によって永久不滅のものになりました。Clapton の Les Paul Standard と Marshall のセットによって生み出されるアグレッシブで唸るようなサスティンサウンドは、その後のロックギタートーンの模範となったのです。

もともとは Ken Bran と Dudley Craven が設計した初期の JTM 45 ヘッドをベースにトレモロ回路を追加実装したモデルですが、サスティンの伸び、パンチーで存在感あるローミッド、バイト感、そして滑らかなトレブルのロールオフといった Marshall らしさを誇示し、"Bluesbreaker" として広く知られることとなりました。

しかし Bluesbreaker は現代的な Marshall アンプとは設計が異なります。まず、キャビネットはオープンバック型で、象徴的な4x12キャビネットのローエンドとは別の、指向性の低いサウンドを生み出します。また、2本の KT66 パワー管は、EL34 管を搭載する Marshall のようなミッドレンジの過激さは少なく、僅かな鈴鳴り感もあるトップエンドとクリアなトーンをもたらします。そして、低ワット数の Celestion アルニコマグネットスピーカーは、とくにアンプの音量を上げた際に独自のコンプレッションと「鳴き」を与えてくれます。

注目すべきは、1966年以降の Marshall に見られるソリッドステートの整流器ではない、GZ34 整流管でしょう。これにより有機的で、滑らかな出力段のコンプレッションをもたらされ、敬愛すべき美しいサスティンを得ることができるのです。

Bluesbreaker には、2つのチャンネル:Normal(ダークなトーン)とHigh Treble(よりブライトなサウンド)が用意されており、合計で4つの入力を備えています。プレイヤーがパッチングによってそれぞれのトーンをミックスし、様々な音色のバリエーションを生み出すことを可能としています - 丸みを帯びた艶のあるローからミドルゲインの Marshall サウンドが求められるどんなシチュエーションにおいても魅力を発揮することでしょう。

UAD Marshall Bluesbreaker 1962 プラグインのサウンド、詳細についてはこちらをご参照下さい。

60年代後半 - Marshall 1959 Super Lead Plexi

Jimi Hendrix の Band of Gypsys を通して聴けるサウンドは? Plexi です。Angus Young の Back in Black はどうでしょう? Plexi です。Cream 時代の Clapton は? Plexi です。Eddie Van Halen の最初の5作品は? これも Plexi です。

Marshall Super Lead と Marshall 4x12 キャビネットの組み合わせによるアッパーミッドの咆哮とヘビーなローミッドは、ダイナミクスに満ちたロックリズムギターの鉄板サウンドでしょう。

モデル番号 "1959" は生産を開始した年を指しているわけではありません。100Wの Marshall JMP Super Lead ヘッドは1965年生まれであり、もともとは The Who の Pete Townshend のリクエストからインスパイアされたものでした。

4本の EL34 パワー管、ソリッドステートの整流器セクション、および通常25Wの Celestion G12H セラミックマグネットスピーカーを積んだ1つないし2つの4x12キャビネットとの組み合わせが、それまでの Marshall よりもはるかにアグレッシブなサウンドを生み出したのです。

EL34 管への移行は、ボリュームとパンチをもたらしました。入力チューブは0.68ufのカソードバイパスコンデンサーが搭載され、一般的に知られる "Marshall トーン" と同義であるミッドレンジのドライブを強化しています。

そして、70年代の Super Lead Plexi では大型のフィルターコンデンサーアレイが用いられ、我々の愛するソリッドなローエンド、ガッツのあるパンチ、重厚な音圧感が加わりました。

プレゼンス、ベース、ミッド、トレブルコントロールを備えるEQセクションでは微妙な音色調整を可能にしますが、Super Lead Plexi における音創りの鍵は、なんといっても入力チャンネルをジャンプしてVolume 1のブライトなサウンドとVolume 2の重くダークな音色とをブレンドすることでしょう。

また、その雄大な轟音に耳を奪われがちですが、Plexi には倍音豊かなクリーントーンが備わっていることも忘れてはいけません。ギターのボリュームを絞れば、そのトーンはすぐに現れます - そう、Hendrix のライブレコーディングのように。

UAD Marshall Plexi Super Lead 1959 プラグインのサウンド、詳細についてはこちらをご参照下さい。

70年代中期 - Marshall JMP 2203

ビンテージロックやブルースのためのオーガニックなトーンからホットなメタルサウンドまで - JMP 2203 は、さらなるゲインが求められる60年代後半のクラシックロックと70年代初期のヘビーメタル黎明期における架け橋とも言えるモデルです。

のちに JCM 800 となる JMP 2203 は、その美学とパワーの観点において、パワーセクションに4本の EL34 管を搭載する100W Marshall Plexi と同じ精神を宿しています。しかし、JMP 2203 には明確な違いがあります。

まず、「2チャンネル、合計4入力」仕様ではなく、HighとLowの "Sensitivity" 入力が備わる1チャンネル仕様となっています。Low入力は太く、低いゲイン入力で、プリアンプのゲインステージが1つバイパスされますので、マーシャル愛好家の中では「ペダル・プラットフォーム」として人気があります。一方、High入力ではダーティーで驚異的なゲインを得たハムバッカーの咆哮を聴くことができるでしょう。

最も大きな違いは、マスターボリュームと "プリアンプ" ボリュームコントロールがついている点です。プリアンプにカスケードされたゲインステージが加わることで、パワー管のみに頼ることなく、深いサチュレーションをコントロールすることが可能となりました。

Celestion G12T-75 スピーカーを搭載した Marshall 1960B 4x12 キャビネットとこの 2203 を組み合わせれば、アンプのパンチを強調するだけでなく、高域や中域の刺々しさをより活かすことができます。

Randy Rhoads と Zakk Wylde だけでなく、Jeff Beck と Andy Summers から Tom Morello、そして Pixies の Joey Santiago に至るまで、JMP 2203 をフェイバリットに挙げるプレイヤーについて話は尽きません。コントロールは控えめですが、プリアンプゲインを適切に調整できれば、後はプレイあるのみです。

ゲイン設定にあたり、Stratocaster や Telecaster あるいは P-90 を搭載したギターと、Gibson Les Paul のようなギターとではかなり違うという点に気付くかもしれません。いずれにせよ、Marshall JMP 2203 はほぼどんな設定でも活気に溢れた爆発的なサウンドを提供します。

UAD Marshall JMP 2203 プラグインのサウンド、詳細についてはこちらをご参照下さい。

80年代後半 - Marshall Silver Jubilee 2555

1987年にリリースされた Silver Jubilee は Marshall のアンプ製造25周年(と Jim Marshall の音楽ビジネス人生の50周年)を記念したモデルで、人気ある 2203 と 2204 の EL34 ベースの構造を踏襲しつつ、新機能 - フットスイッチでのリードとリズムチャンネルの切り替え、入力ゲインコントロール、そしてダイオードクリッピングを利用した、強力な中低音とひりつくような高音が印象的なディストーションサウンドをもたらす "Rhythm Clip" プルノブスイッチ - を装備しています。

伝統的な Marshall の設計からの顕著な進化点は、パワー管のハーフ・パワー・モードでしょう。このモードの際は出力が100Wから50Wに低下するため、クリーンなヘッドルームが減り、チューブコンプレッションとザラつき感が増したサウンドになります。

Silver Jubilee は 2203 以上のゲインと低域特性を備える明瞭で現代的なサウンドを誇るアンプであり、Marshall 初の Celestion Vintage 30 を最初に搭載したキャビネット:2551AV 4x12 との組み合わせは殺人的に素晴らしいものです。

また、敏感かつダイナミックなEQセクションによって、クラシックでブルージーな Marshall トーンから、ダークで中域をへこませたリズムチャンク、そしてハイオクのモダンなメタルリードにまで応じることができます - 恐らくはこれが、Guns N’ Roses の Slash にライブアンプとしてチョイスされた理由でしょう。他にも Red Hot Chili Peppers の John Frusciante、Rush の Alex Lifeson、Steve Morse、Joe Bonamassa をはじめ、錚々たるアーティストたちから長きにわたって Jubilee は愛されています。

UAD Marshall Silver Jubilee 2555 プラグインのサウンド、詳細についてはこちらをご参照下さい。

- James Rotondi

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