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Nektar Technology : Impact LX mk3 × FL Studio が神連携すぎる

世界でトップシェアを誇る Image-line Software の DAW ソフト、FL Studio。ひらめきをそのまま形にできる操作性が、多くのトップ DJ やプロデューサーの手足として愛され、彼らのインスピレーションを支えています。そんな FL に、さらに直感的にアクセスできる MIDI キーボードが Nektar Impact LX49 mk3 です。他の MIDI キーボードとは一線を画す抜群の親和性と使用感についてレビューします。(文 : Capchii)

まるで専用コントローラー? 最強の連携ができる MIDI キーボード


筆者は今まで作業で使用する MIDI キーボードを固定できず、様々なキーボードを試してきましたが、Impact LX49 mk3(以下 LX49)は特に FL Studio との連携において他のキーボードと一線を画していると感じます。このレベルでの適合は、MIDI キーボードという枠組みを超え、むしろゲームの専用コントローラのような感覚に近いかもしれません。

LX49 は FL Studio ユーザーに非常におススメです。実際に私が LX49 を用いて制作を行い、便利だと思った機能は以下の3点です。

  • プレイリスト操作が物理ボタンで完結
  • ミキサー操作の直感性
  • シンセに対するマッピングの完成度

順々に一つずつご紹介していきます。

▲Impact LX49 mk3

煩わしい操作が指先一つでできる。プレイリスト操作が物理ボタンで完結


FL Studio による楽曲制作で、一番多く使用するメイン画面がこの「プレイリスト」です。ここに、Channel Rack で作成したパターンを貼り付けたり、サンプルなどを並べて楽曲を組み立てていきます。

▲プレイリスト画面

LX49 のトップパネル中央付近に搭載されているトランスポートボタンは、プレイリストの再生によって楽曲の全体像を確認したり、パターンを再生して作りこむ作業においてとても便利です。このトランスポートボタンが上手く連携しており、再生 / 停止はもちろんのこと、FWD、RWD ボタンによって一小節ずつスキップしながら再生することもできます。

さらに、LOOP ボタンによってプレイリストの再生とパターンの再生を切り替えることができます。FL Studio のプレイリスト、パターンの概念は他の DAW にはないオリジナルのものですので、うまく噛み合っているところに驚きました。

▲トランスポートボタン

作成したパターンや再生中のパターンは常時左上の8つの LOOPER CONTROL ボタンに表示され、再生中、非再生、未選択のそれぞれのステータスごとにカラー分けされた LED が点灯します。再生中のパターンが一目でわかるのに加え、ボタンを押すことで、再生するパターンやプレイリストの再生位置の切り替えも一発で行えます。

▲フェーダー下部に並ぶ LOOPER CONTROL ボタン

これらの機能によって、FL Studio での楽曲制作で必須のワークフローである、プレイリスト / パターンの再生や切り替えがワンタッチで可能になります。
実際にプレイしてみたものが下の動画です。

実機を操るような快感、ミキサー操作の直感性


トップパネル中央のナビゲーションボタン部分にある MIXER ボタンを押すと、ミキサーの画面が開きます。

▲ ナビゲーションボタン部の左上にあるのが MIXER ボタン

トップパネルの左上部にある8本のフェーダーは、FL Studio のミキサーの8チャンネルに自動的にアサインされます。DAW 上のミキサーをフェーダーで物理的に操作できるのは非常に快感です。

▲8本のフェーダー

また、マウスで選択したパラメータを、中央のラージエンコーダーで操作可能です。楽曲の展開に合わせたダイナミックなコントロールが必要なエフェクトでは、この機能が重宝します。再生中の楽曲に合わせてエンコーダーでフィルターを開いたり閉じたりすることができ、理想のエフェクト処理が可能になります。

▲パネル中央のラージエンコーダー

これらの機能によって、煩わしい設定や追加の高価なハードウェアなしで物理的な操作が可能となり、楽曲制作により深く没頭できます。

ひらめきのままに操作できる! シンセに対するマッピングの完成度


INST ボタンを押すことで、各トラックに立ち上がっているバーチャルインストゥルメントにアクセス可能です。TRACK ボタンによって、トラック(インスト)の切り替えも容易に行えます。

▲INST ボタンと TRACK ボタン

特に私が驚いたのは、それぞれのコントローラーが、各インストゥルメントに丁寧にマッピングされていることです。例えば FL Studio の付属シンセである FLEX を立ち上げて、適当に LX49 のつまみやフェーダーを動かすと、ラベルに対応する FLEX のパラメータに丁寧にマッピングされていることがわかります。

先ほどミキサーで使用したフェーダーは、ボリュームとフィルターのエンベロープに早変わりします。また、BROWSE ボタンにより、プリセットの切り替えも容易に行えます。さらに、右上のエンコーダーは、フィルターのカットオフやレゾナンスなど、シンセに応じた適切なパラメータにマッピングされます。

▲トランスポートボタンの上に見えるのが8つあるエンコーダー

エフェクトと同様に、マウスで選択したパラメータは、中央のラージエンコーダーから操作可能です。

これらの機能によって、制作したパターンを再生しながら、シンセサイザーのパラメータ設定が可能になります。楽曲のクオリティを上げるための試行錯誤が、より簡単かつ直感的なものになります。

インスピレーションをそのまま、トラックへ


今回紹介した LX49 は、FL Studio との連携において、非常に優れた MIDI キーボードだと感じました。紹介しきれなかった機能もたくさんありますが、プレイリスト / パターンの切り替え、ミキサーの操作、そしてバーチャルインストゥルメントとの連携など、FL Studio での制作ワークフローを大幅に効率化してくれます。もちろんキーボード自体の質感やタッチも、非常に好みのものでした。

特に印象的だったのは、FL Studio 独自のワークフローに対する理解の深さです。他の DAW にはないプレイリストとパターンの概念にしっかりと対応しており、LOOP ボタン一つで切り替えられる仕様は、FL Studio ユーザーのことを本当に考えて設計されていると感じました。

音楽制作において、ハードウェアとソフトウェアの連携がスムーズであることは、クリエイティブな発想を妨げない重要な要素です。FL Studio ユーザーで、より効率的で直感的な制作環境を求めている方、物理的なコントローラーでの操作を取り入れたい方には、ぜひ一度試してほしいキーボードです。きっと制作のワークフローが変わるはずです。

Capchii

様々なジャンルをインプットしクロスオーバーさせた楽曲を製作しているトラックメイカー。一貫して緻密かつ明るくキャッチーなトラックは多くのリスナーやクリエイターから評価を受け、YouTube 上で総再生数700万再生を超える。
昨今では VOCALOID のオリジナル楽曲制作を軸に、VTuber/ボーカリストへの楽曲提供やリミックスなどのコラボレーション、商業音楽ゲームへの楽曲提供など、様々なフィールドで活動を行っている。特に、クラブミュージックを軸としたパンチのあるサウンドとパフォーマンスには定評があり、2023年には1年で20本以上のギグをこなしながら、4000人規模の野外フェスや海外での出演を果たす。

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