あなたが聴いているこの曲もその曲も FL Studio で作られています
私は楽曲制作を始めた当初、他社のDAWを使用していました。YouTube でビートの解説動画やクックアップ動画を観るなどして制作方法を勉強していたのですが、動画内の HipHop のプロデューサーの99%は FL Studio を使用していました。それを見て、「この制作方法は別のDAWならどうやるのだろうか?」「この機能は別のDAWにもあるのだろうか?」などと試行錯誤していたのですが、それならいっそのことDAWを FL Studio に変えてみようと思い、数年前に乗り換えました。
乗り換えて気づいた FL Studio の特徴がいくつかあります。
1. 永久アップグレード無料
FL Studio を購入すると、将来のアップデートが永久に無料で提供されます。他のDAWではバージョンアップごとに追加費用が必要な場合が多いため、コストパフォーマンスが非常に優れています。
2. 直感的な操作が可能で、初心者でも扱いやすい
DAWの構造がゲームのような造りになっているので、操作していて楽しい。カラーなども変更できるので、自分のお気に入りのカスタムが可能。

3. 多彩なエフェクトプラグインで音を加工可能
現行ヒップホップサウンドに欠かせない、様々なシンセサイザーやサンプラーが最初から内蔵されています。

4. パターンベースの作曲方法
音楽をパターンとして作成し、簡単にトラックに配置できる。これはループを多用する HipHop に大変向いています。最初にメインとなるパターンを作成し、そこから楽曲全体を編集していくので、現在主流の1曲=1:30〜2:00程度の楽曲制作に最適。繰り返し使えるフレーズを効率的に編集できます。

5. マルチプラットフォーム対応
Windows だけでなく、Mac にも対応しており、さまざまな環境で使用できます。
6. ユーザーの多さ
これは私が作っている HipHop のジャンルに限ってですが、世界中のプロデューサー達とセッションすると、ほとんどのプロデューサーが FL Studio を使用するため、コラボレーションをスムーズに行うことができます。
7. 立ち上がりのスピード
私たちプロのプロデューサーは日々ビートを作り続けているため、ソフトの立ち上がりのスピード、書き出しスピード、操作性のスピードはとても重要で、FL の優れたスピード感は日々のストレスを軽減してくれます。

このような特徴をまとめると、HipHop というジャンルにおいて、現在のヒット曲のビートのほとんどは FL Studio で制作されており、このジャンルを志すアーティストに必要なものがほとんど搭載されています。またアップデートが無料なのも魅力。他のDAWを使っていた時は有料ゆえにアップデートを躊躇したりもしましたが、FL Studio に変えてからは、最新機能をすぐに楽曲に落とし込めるのが大変魅力的です。
HipHop というジャンルでプロを目指している方々にとって、FL Studio はとても必要性の高いソフトウェアです。また、比較的安く購入できるので、現在音楽制作を始めるか悩んでいる方や、私のように他のDAWからの乗り換えを検討されている方には、ぜひ一度使ってみてほしいです。
楽曲制作の効率化に役立つクラウドサービス FL Cloud
次に私がよく使用する FL Cloud についてです。
FL Cloud は、FL Studio に統合されたサブスクリプション型のクラウドサービスです。膨大なロイヤリティフリー・サンプルの利用、AIマスタリング、楽曲のストリーミング配信(ディストリビューション)が、DAW内から直接シームレスに行えます。効率化が必須な現在の楽曲制作において大変強い味方です。
FL Cloud のサブスクリプションは、月額7.99ドルと年額79.99ドルという2種類のプランが用意されており、年額プランだと2カ月分お得です。
パワーユーザーによる大規模なサンプルライブラリー「SOUNDS」
今回は、SOUNDS について解説したいと思います。SOUNDS は FL Studio のパワーユーザーによって作成される大規模なサンプルライブラリーのことで、すべてロイヤリティフリーで利用可能です。
パワーユーザーとは、Image-Line Software が認めた FL Studio ユーザーのこと。グラミーの受賞歴やノミネート歴があったり、音楽ストリーミングサービスにおける再生数を多く持っていたり、または YouTube やソーシャルメディアなどでフォロワーがたくさんいるようなアーティスト/クリエイターがパワーユーザーに選ばれます。
パワーユーザーによって拡張され続ける SOUNDS は、プロジェクト画面の Browser セクションから利用できます。最上段にある SOUNDS タブをクリックすると、デフォルトでは Discover 画面が開きます。

Discover 画面には様々なサンプルパックが音楽ジャンルごとに並んでおり、各サンプルパックのイメージ画像上にある再生ボタンをクリックすることで、それぞれのデモソングを試聴することが可能です。
上部のサーチウィンドウでは、様々なサンプルパック/サンプルコレクションを音楽ジャンルやレーベルといったフィルターを通して検索することができます。SOUNDS タブの最下段では、サンプルの再生/停止のほか、再生速度やキー、音量の変更などが行えます。

世の中にはすでに、Splice などのサンプル素材を提供するWebサービスが幾つかありますが、こういったサービスが FL Studio のプロジェクト内に組み込まれたものだとイメージするとわかりやすいでしょう。
サブスクリプションユーザーなら無制限にダウンロード可能
私が SOUNDS で良いと感じた部分が2つあります。
1つ目は、サンプル素材を提供するWebサービスによくある“クレジット制ではない”ということ。こういったWebサービスの場合、ユーザーは事前にクレジット(ポイント)を購入し、そのクレジットを使用してサンプルをダウンロードするシステムになっていることが多いです。しかし、サブスクリプションに登録した FL Studio ユーザーが SOUNDS を利用する場合はこういったシステムになっていないため、サンプルを無制限にダウンロードすることができるのです。
2つ目は、Browser セクションから SOUNDS へすぐにアクセスできるという点。いちいち画面を切り替える手間がないため、ストレスフリーで使うことができるでしょう。
今回は FL Studio の特徴とオススメポイント、FL Cloud について説明させていただきました。
ではまた次回。
