UA 610 とは? 音楽史を作った魔法の箱
Universal Audio のオリジナルの 610 ハードウェアは、オーディオ界の革命児ビル・パットナム氏によって設計された、世界初のモジュール式プリアンプのひとつです。オールチューブとクラスAデザインのトランスによる設計で、1958年以来、膨大な数のレコーディング現場で使用されてきました。
ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』や、ニール・ヤングの『ハーヴェスト』など、誰もが知る歴史的名盤の数々で活躍し、エルヴィス・プレスリー、レイ・チャールズ、ドアーズ、ジミ・ヘンドリックス、そして現代ではコールドプレイなど、世代を超えて様々なアーティスト達に愛されています。
性格の違う2つのプラグインを使い分ける
UAD プラグインの UA 610 Tube Preamp & EQ Collection は、研究開発に1年以上が費やされ、名機 610 チューブプリアンプのサウンドと動作、機能を完璧にエミュレーションすることに成功しました。このコレクションには、2種類のプラグインが収録されています。
UA 610-A:貴重なビンテージモデル
伝説のコンソール「Green Board」のプリアンプを忠実にモデリングしたモデルです 。
- 非常にシンプルで、100Hzと10kHzの固定EQを搭載。
- 太く、温かみのある、これぞ真空管というビンテージサウンドが手に入る。

UA 610-B:多彩な現代版
現代のハードウェア(2-610 や 6176 など)をベースにした、より多機能なモデルです。
- EQの周波数選択が可能で、インプットインピーダンス(500 / 2.0K)も切り替え可能。
- 緻密なトーン調整が可能で、クリーンな響きから激しい歪みまで柔軟に対応。

実践!理想のトーンを作るための3ステップ
このプラグインを使いこなす鍵は、ゲイン・ストラクチャーの理解にあります。
Step 1. インプットで色を決める
- GAIN(LO/OFF/HI):真空管入力段のレベルを調整すると共に、歪み特性も変化させる。
- MIC モード:DAWの信号にあえて約30dBの真空管ゲインを加え、豊かな倍音やサチュレーションを引き出す。
- PAD(-20dB):歪み過ぎを抑えつつ、真空管のキャラクターだけを薄く乗せたい時に便利。


Step 2. EQでキャラクターを付ける
610 のEQは、アウトプットステージの歪み特性に影響を与える「フィードバックスタイル」を採用しています。
- 低域(L.F. / LO):太さを足したり、不要な膨らみをカットしたりするのに最適。
- 高域(H.F. / HI):ボーカルに空気感を加えたり、楽器にエッジを立てたりする際に魔法のような効果を発揮する。

Step 3. アウトプットで音量を整える
- LEVEL(大きなノブ):真空管出力段のゲインをコントロール。値が高いほど、音色に深みが増す。
- OUTPUT:プラグイン独自のノブ。音質に影響を与えずに出力レベルを調整する。
裏技として、LEVEL(大きいノブ)を思い切り上げてガッツリ歪ませ、その分 OUTPUT を下げることで、音量を維持したまま濃厚なドライブサウンドが得られます。

Apollo ユーザーなら Unison で真価を発揮!
Apollo インターフェイスをお使いの方は、ぜひ Unison スロットに挿して使ってください。
- インピーダンスの同期:実機のプリアンプと同じインピーダンスに物理的に切り替わるため、マイクとの相互作用も含めて、本物の挙動が再現される。
- ハードウェア感覚の操作:Apollo 本体のノブやボタンを使って、実機を触るような感覚でゲイン調整、パッドのオン/オフ、極性切り替えなどが操作可能。ゲインレベルやクリッピングポイントは、610 ハードウェアと同じ挙動が再現される。
Apollo X Gen 2 シリーズなら、どのモデル/エディションにも UA 610-A/B プラグインが付属しているので、ぜひ活用してみましょう。
どんな楽器にも魂を吹き込む 610 プリアンプ
ボーカル、ギター、ベース、さらにはストリングスやホーンまで、UA 610 はあらゆるソースに素晴らしい音楽的な響きを与えてくれます。デジタル臭さを消したい時、あるいはトラックに圧倒的な存在感を出したい時。この魔法のプリアンプをぜひインサートしてみてください。あなたのトラックが、一気にプロフェッショナルな質感に変わるはずです。
