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Image-Line Software : ビギナーのための FL Studio スタートガイド(6)

FL Studio 20 で楽曲を制作する手順を、音楽プロデューサー・DJの MK / Shadw 氏がビギナー向けに初歩から解説する連載。今回は知っておくと便利な5つの小技を紹介します。

FL Studio小技5選


1. Automation Copy

オートメーションのポイントやカーブをすべてコピーして、別のクリップに反映させる方法です。

まず、コピーしたいオートメーションバーをダブルクリックし、表示されるポップアップウィンドウの右上の鍵マークをクリックして、メニューから[Copy state]を選択。次に、別のクリップのオートメーションバーをダブルクリックして、表示されるポップアップウィンドウの右上の鍵マークをクリック。メニューから[Paste state]を選択すれば、オートメーションのコピーは完了です。

ちなみに、FL Studio 20.6 からは、オートメーションバーのメニュー内の[Articulator tools]から、これらのコマンドが選択できるようになりました。

▲コピーしたいオートメーションバーをダブルクリック
▲右上の鍵マークをクリックして、メニューから[Copy state]を選択
▲コピー先のオートメーションバーをダブルクリック
▲右上の鍵マークをクリックして、メニューから[Paste state]を選択
▲オートメーションの内容がコピーされた
▲オートメーションバーの左端のマークから開くメニューでもこれらを実行できる

2. Transpose

Playlist の PickerPanel から、超簡単にトランスポーズする方法です。

Picker Panel 上で、トランスポーズしたいPatternをCommand / Ctrlキー+クリックしていき、すべて選択します。選択したPatternを右クリックして、メニューから[Transpose]を選択。移調したいキーを数字で打ち込みます(半音が1)。キーを下げたい場合は、数字の頭に「-」を入れれば簡単に下げられます。

▲Patternを選択し、右クリックメニューから[Transpose]を選ぶ
▲音程を数値で入力する。例えば、半音2つ下げたい場合は「−2」と入力

3. LFO Automation

オートメーションでLFOを書く方法です。

オートメーションバーをダブルクリックして、LFO機能をONにします。そして、[SPEED]パラメーターをオートメーションで書くことで、フィルやギミックなどに使える効果が簡単に得られます。さらに[TNS]や[SKEW]などのパラメーターや、カーブの形なども簡単に変えられるので、楽曲によって調整してみてください。

▲EQのFREQを右クリックし、メニューから[Create automation clip]を選ぶ
▲作成されたオートメーションクリップのバーをダブルクリック
▲表示されたポップアップウィンドウの左上のLFOをオンにする
▲[SPEED]パラメーターを右クリックして[Create automation clip]を選択
▲作成されたクリップでオートメーションを書く

4. 簡易サンプリング音源選択

Playlist 上に配置されているサンプリング音源を、他のサンプルに素早く入れ替えるテクニックです。ブラウザで、入れ替えたいサンプルをCommand / ctrlキー + クリックするだけで、サクサク変更することができます。ただし、Channel rack で該当するオーディオチャンネルを選択した状態でないと変更されないので注意しましょう。

▲Channel rackのチャンネルセレクターで、該当するオーディオチャンネルを選択
▲ブラウザで別のサンプルをcommand / ctrlキー+クリックすると、PlaylistやChannel rackのサンプルが差し代わる

5. Reverse Vocal Effect

ボーカルのフレーズの頭にリバースして入れる、ボーカルのエフェクト処理方法です。

まず、リバース処理したい部分を、オーディオ編集/録音ツール「Edison」で読み込み、ツールバーの[Blur](雫のようなマーク)を選択してリバースを実行。あとは加工されている部分をPlaylist上に読み込み、元のボーカルデータに馴染ませるようにリバーブなどをかけて完成です。

▲Channel rackのボーカルのボタンをクリックし、下部の波形を右クリックして[Edit in audio editor]を選択
▲波形がEdisonに読み込まれるので、リバース処理したい範囲を選択し、雫のマーク(Blur)をクリック
▲表示されたBlurの設定ウィンドウ右下にある[Accept]をクリック
▲ツールバーの矢印マークをPlaylist上へドラッグし、処理した箇所を貼り付ける

MK / Shadw / Masakazu Kageyama

Music Producer / DJ

Dance Musicを中心に商業、非商業を問わずハイクオリティな楽曲を数多く輩出してきたキャリアを持ち、キャッチーなものからエッジの効いたグルーヴ感のある楽曲まで様々なジャンルを手掛ける。

アメリカのプロデューサー「BT」のRemixコンテストで入賞しオランダのトップレーベルArmada Musicからの楽曲リリースや、音楽ゲーム「Beatmania IIDX」「DANCERUSH STARDOM」「CHUNITHM」「CytusⅡ」への楽曲提供、国内TOP DJ楽曲の制作、J-POPなど多数編曲、サウンドレコーディングマガジン執筆、EDMユニットPolyphonixのサウンドプロデュース。

別名義ShadwではオランダのHardwell主宰"Revealed Recordings”やブラジルのレーベル”Glorie Records”,アメリカのレーベル”Peak Hour Music”など世界各国のビッグレーベルから楽曲をリリースし、世界のトップDJ,Hardwell,Fedde Le Grand, Ummet Ozcan, Promise Landなどサポートを受ける。

日本国内ではATOM TOKYOなどで有名なDJ TORAとの楽曲”Mr.Vain””UDLR”,Kanae Asabaとの”Summer Is Calling”が大ヒットするなど多方面で活躍する実力派。

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