Mixerの基礎的な操作方法を覚えよう
FL Studio は Mixer に関しても、他のDAWとは少し仕組みが違う部分があります。Channel rack に読み込んだシンセやサンプル素材の信号は、すべてマスタートラックに送られます。Channel rack のチャンネルボタンの横にあるターゲットミキサートラックが[--]になっていると、マスタートラックに出力されている状態です。
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ですが、このままでは個別にエフェクトをかけることができないので、ひとつひとつのチャンネルを個別のミキサーインサートトラックに割り当てる必要があります。ターゲットミキサートラック上でカーソルをドラッグすると数字に変わるので、割り振りたいインサートトラックの番号に変更します。こうすることにより、指定したインサートトラックを通って、マスタートラックに音が行くようになります。
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違うチャンネルに同じミキサーインサートトラックを指定すると、グループチャンネルのようにまとめてエフェクトをかけることもできます。
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各トラックには簡易的な3band EQが付いており、簡単に音を変化させることができます。
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エフェクトは Mixer 右端の[Slot]→[Select]から呼び出します。
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同じようにマスタートラックにエフェクトを挿すと、全チャンネルの音が変化します。マスタリングで使用するエフェクトなどをマスタートラックに挿します。
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個別のミキサーインサートトラックでエフェクトをかけてから、グループチャンネルにまとめたい場合は、まず変更したいインサートトラックを選択し、マスタートラック下部にあるトラックセンドの[▲]をクリック。続いてグループチャンネル先となるインサートトラック下部の[▲]をクリックして変更します。
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そうすることにより、ここでは[Insert 3]→[Insert 6]→[Master]の順に音が送られるようになりました。リズムやリードなどに、まとめてエフェクトをかけたい時に便利です。
サンプル音源の頭ズレを直す方法
たまにサンプル音源でアタックが遅い素材などがあり、そのまま鳴らすと他の音とタイミングがズレてしまいます。そのズレを直すには、Mixer 右下の時計マーク(トラック遅延補正)をクリックします。開いたメニューから[Set in ms]を選択し、サンプル音源のズレ分を数字で打ち込んでチェックマークをクリックします。これで簡単に頭を合わせることができます。
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今回は Mixer の基本的な使い方を解説しました。次回は Playlist について紹介します。
MK / Shadw / Masakazu Kageyama
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Music Producer / DJ
Dance Musicを中心に商業、非商業を問わずハイクオリティな楽曲を数多く輩出してきたキャリアを持ち、キャッチーなものからエッジの効いたグルーヴ感のある楽曲まで様々なジャンルを手掛ける。
アメリカのプロデューサー「BT」のRemixコンテストで入賞しオランダのトップレーベルArmada Musicからの楽曲リリースや、音楽ゲーム「Beatmania IIDX」「DANCERUSH STARDOM」「CHUNITHM」「CytusⅡ」への楽曲提供、国内TOP DJ楽曲の制作、J-POPなど多数編曲、サウンドレコーディングマガジン執筆、EDMユニットPolyphonixのサウンドプロデュース。
別名義ShadwではオランダのHardwell主宰"Revealed Recordings”やブラジルのレーベル”Glorie Records”,アメリカのレーベル”Peak Hour Music”など世界各国のビッグレーベルから楽曲をリリースし、世界のトップDJ,Hardwell,Fedde Le Grand, Ummet Ozcan, Promise Landなどサポートを受ける。
日本国内ではATOM TOKYOなどで有名なDJ TORAとの楽曲”Mr.Vain””UDLR”,Kanae Asabaとの”Summer Is Calling”が大ヒットするなど多方面で活躍する実力派。