Sadsをはじめ、カイキゲッショクやThe 冠などでメタルギターを奏でるギターリストK-A-Z。
バンドのレコーディングをはじめ、ソロワークなどの作業のほとんどをこなすK-A-Zのプライベートスタジオにお邪魔して、そこで使われていたsE ElectronicsのguitaRF(リフレクションフィルター)とX1 R(リボンマイク)について話を聞いてきた。
最新のソロアルバム「OGRE-attacK-A-Zenith IV- 」やThe 冠のアルバムのギターもこのプライベートスタジオを録音したという。大がかりなレコーディング用の機材より、ギターリストらしいアンプやエフェクターに重点を置いたスタジオになっていた。
K-A-Zのギターサウンドの要となっているのが自身がエンドースしているHUGHES & KETTNERのアンプである。
アンプヘッドは2台、GrandMeister 36とGrandMeister Deluxe 40をキャビネットアンプから鳴らす。
歪みや空間系の主な音作りはこのアンプで行ってしまうという。アンプで補えないワウやコンプレッサー系のものをペダルエフェクターで補っている。これらのアンプの録音の時に使用しているのがsE Electronicsのギター用リフレクションフィルターのguitaRFとコンデンサーリボンマイクのX1 Rだった。
guitaRFにX1 RとシュアのSM57をセッティングして2本のマイクでギターレックを行う。
K-A-Zが語るには、リボンマイク特有のミッドからローに掛けてのふくよかなサウンドにSM57のハイが出る感じをミックスすることで、ワイドレンジのギターが録れるとのこと。レンジが広くなるとミックス時にいらない部分を削っていけばいいだけなので、録ったギターの本来のサウンドを損なわずに処理ができる。
マイキングは、まずX1 Rの位置を決めるところから始まる。X1 Rの音を聞きながら一番おいしい場所を探していく。
X1 Rの位置が決まったらSM57の位置を前後に動かし、リボンマイクとのマッチングを取りながら調整する。
録音時はリボンマイクをメインにしてして音を決めるのがK-A-Z流のやり方。
guitaRFは2本のマイクをマウントできるので、マイキングの時に非常に役に立つと語る。
またリフレクションフィルターを使用することで余分な音の回り込みも防げる。夜中まで作業がかかるときは、さらにウレタン板でリフレクションフィルターを覆い、遮音するという。
これらの機材を導入してから、プライベートスタジオだけで作業が完結するようになっただけではなく、ギターのサウンドが向上したという。やはり宅録をするにしてもギターはアンプから出る音が一番気持ちいいサウンドになる。
DAWの普及で気軽に宅録ができるようになったいま、ギターリストだからこそ音作りにこだわり、自分らしい良い音を鳴らしてほしいとK-A-Zは言う。
guitaRFのようなリフレクションフィルターやコンデンサーマイクを若いギターリストたちにも、もっと積極的に使ってもらいたいと思う。