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Citadel Electronics : 創業者インタビュー(1)“マス”に挑む俊英が築き上げた“新たな砦”

開発や製造は比較的小規模で行なえ、さまざまな流通手段がある現在、ペダル・マーケットは新規参入のハードルがそれほど高くないのかもしれない。とはいえ、その中で最初から“マス”を見据えて戦略を練るメーカーは稀少だ。大手メーカーで研鑽を積んだ2人が描く、“世界規模”への道筋に刮目せよ!(THE EFFECTOR BOOK SPECIAL PART 2 Citadel Electronics より転載)

自分たちのアイデアを自由に設計するための小さな“避難所”


片やロック史を築き上げてきた老舗アンプ・メーカーの元開発者、 片や現在のベース向けペダル・シーンを席巻する北欧の雄で腕を振るった技術者、 この2人がタッグを組み、ペダル・シーンへの進撃を開始したとなると、注目しないわけにはいかない。 いわば、安定も栄誉もかなぐり捨てて、自分たちの理想を追い求めて新たな道を進み始めた彼らの、 冷静にして大胆な決意表明をお届けする。

今では日本でも多く見られるようになったが、こと欧米は能力主義に基づくヘッドハントなどにより、実力者が新天地で才能を発揮する事例が多い。楽器シーン全般でも同様で、さまざまなメーカーを渡り歩き活躍する開発者や技術者は枚挙にいとまがない。それは一方で、新たなフィールドに果敢に飛び込むことを恐れない彼らの勇敢さとも言えはしないだろうか。ここにまた2人、積み重ねたキャリアを強固な砦にして新たな地平に挑む俊英が現れた。シタデル・エレクトロニクスが踏み出した第一歩を見てみよう。 

第三者に指示されることなく 自分たちの製品を自由に設計してみたい 


- シタデル・エレクトロニクス(以下シタデル)は、サンチャゴ・アルヴァレズ氏とトミ・オツァヴァーラ氏が中心となって設立されたと聞いています。それぞれのエンジニア的なバックグラウンド、好きな音楽やプレイヤーとしての背景などについて教えてください。 

まず私の名前はサンチャゴ・アルヴァレズです。シタデル・エレクトロニクスの創設者であり、現在はCEOも務めています。電子工学に興味を持ったのはかなり早く、13〜14歳頃でしたね。家庭の周囲にエンジニアが多く、いつも技術的なものが身近にあった環境だったからです。その後、スペインのオビエド大学で産業工学の学士号と電子工学の修士号を取得しました。最初はさまざまな実験をしていましたが、すぐにギター関連の電子回路へと発展していったんですよ。プロフェッショナルとしては、楽器業界で約26年仕事をしてきました。特に知られているのは、マーシャルに約15年間在籍していたことでしょう。その期間中、ギター業界の著名な人物たちと仕事をする機会に恵まれました。 

音楽的な影響について言えば、私は昔からハード・ロック/ヘヴィ・メタルが好きです。ディープ・パープル、アイアン・メイデン、スコーピオンズなどが挙げられますし、より新しいところではチルドレン・オブ・ボドムやマシーン・ヘッドなども聴きます。基本的にはジャンルを問わず、音楽としてクオリティが高ければ何でも楽しめるタイプですね。ギター・プレイヤーとしての影響について言えば……まあ私は「ギターを弾こうとしている人間」と言った方が正確かもしれませんが(笑)、イングヴェイ・マルムスティーン、ジョー・サトリアーニ、ヌーノ・ベッテンコート、ブライアン・メイ、エリック・ジョンソン、アンディ・ティモンズなどが挙げられます。 

そして、トミについてですが、彼は15歳で初めてエレクトリック・ギターを手に入れてから間もなく、ペダルや真空管アンプの製作を始めました。20代前半になる頃には電子工学を本格的な職業として追究することを決め、すでにプロの設計者として働きながら学士号を取得しました。 

彼の初期の音楽的影響は、アイアン・メイデン、ジューダス・プリースト、メガデスといったクラシック・ヘヴィ・メタルのバンドでした。しかしその後、彼はジャズ、フュージョン、プログレッシヴ・ロック、電子音楽などにも興味を広げていったんです。そして現在では、ある意味で原点に戻り、メタル・バンドでベースを弾いています。また、彼は長年にわたり小規模なバンドのデモやアルバムのレコーディング/ミックスにも関わってきました。こうした経験は、彼がエンジニアリングやサウンドにアプローチする方法にも大きな影響を与えています。 

▲創業者の1人であるサンチャゴ・アルヴァレズ氏。マーシャルでは“JVM”、“YJM100”、“AFD 100”などの開発に貢献した。

- アルヴァレズ氏とオツァヴァーラ氏はいつどのように出会い、シタデル設立に到ったのですか? 

私たちが出会ったのは2018年頃だったと思います。当時、私はすでに自分のエンジニアリング会社を運営しており、ダークグラス・エレクトロニクスから製品開発を手伝ってほしいという依頼を受けました。そのとき、トミはダークグラスのCTO(最高技術責任者)でした。その数年後、私はマーシャルにCTOとして戻る機会を得ました。その頃にはトミはすでにダークグラスを離れており、マーシャルにちょうど空きポジションがあったため彼がそこに採用されたんです。こうして私たちはマーシャルで同僚として一緒に働くことになったのです。その約2年後に私はマーシャルを離れました。そして、長年この業界で働いてきた経験から、自分自身の会社を立ち上げてギター関連製品を開発したいと考えるようになったのです。ただ、単に1つか2つの小さな製品から始めるのではなく、もう少し本格的な形で取り組みたいと思っていました。そこでトミと話をして、一緒にこのプロジェクトを始めるのが良いのではないかという結論に至ったのです。私たちは以前から、第三者に指示されることなく、自分たちの製品を自由に設計してみたいと考えていたので。そこで思い切って挑戦し、シタデルを設立したというわけです。 

- 2人ともメジャーな楽器メーカーで経験を積んだベテランですが、それぞれの得意分野は異なるのでしょうか? 

技術的なバックグラウンドという意味では、ある程度重なっている部分も多いと思います。主な違いを挙げるとすれば、私の方がトミより経験年数が長いという点でしょう。そのため、電子工学そのものというより、ビジネス面(会社運営、税務、物流、法務など)については私の方がよく理解しています。電子工学の分野では、トミは高速デジタル・ハードウェア、DSPを用いた複雑なPCB設計、DDRメモリ、伝送線路設計などに非常に強いです。かなり“オタク的”な領域ですね。一方で私は、どちらかというと直感的なタイプ、よりクラシックなエンジニアのスタイルに近いかもしれません。また、私はファームウェアやソフトウェアの分野にもトミより多く関わってきましたので、その部分は私が担当しています。 

▲もう1人の創業者であるトミ・オツァヴァーラ氏。ダークグラス・エレクトロニクスでは技術責任者を務めた。

プロフェッショナルな会社が プロフェッショナルな製品を作る 


- アルヴァレズ氏はアンプ開発のみならず、より広いオーディオ製品の世界でも経験を積んだと聞いています。それらの経験はシタデルの製品開発にどのように活かされていますか? 

確かに、私はマーシャルでの仕事で知られていることが多いですが、ベリンガーでも約5年間働き、さまざまなプロ用オーディオ製品の設計に携わっていました。もしあなたがベリンガーのミキサーを使ったことがあるなら、その電子回路の設計を私が担当していた可能性がかなり高いと思います。また、自分のエンジニアリング会社を設立してからは、ギター関連以外のプロオーディオ機器にも多数関わってきています。さまざまな種類のオーディオ回路に携わってきたことは、電子回路設計の視野を大きく広げてくれましたね。この経験により、設計に異なる視点を持ち込むことができるようになったんです。

例えば、入力段の低ノイズ設計、内部電源レギュレーターの低ノイズ化、スイッチング電源の扱い、グラウンディングの設計など、純粋に電子工学に関わる部分については、ギター回路だけに限定されている場合よりも、はるかに適切なアプローチが可能になりますからね。つまり、「トーンの問題ではなく純粋な電子工学の問題」については、ギター回路の伝統だけに縛られない経験が大きく役立っているのです。 

- “citadel”という言葉には“最後の避難所”のような意味合いもあります。ブランド名の由来を教えてください。 

この言葉は日本語に訳すのが少し難しいかもしれませんね。伝統的に“citadel”というのは、都市の中にある小さな要塞のようなものなんですよ。もし都市が侵略された場合、そこが最後の防衛線となり、人々が安全を感じることができる場所です。通常は城のような構造で、壁や水に囲まれていたり高い場所に建てられていたりしますね。トミと私の出身地であるヨーロッパの多くの都市には、こうした施設が実際に存在しているんですよ。例えば日本で言えば、大阪城もある意味では“citadel”の一例だと考えるとイメージしやすいかもしれません。もちろん私たちの場合、戦争とはまったく関係ありません。

私たちが気に入ったのは、その象徴的な意味合いです。つまり、ここは私たちにとって自分たちのアイデアを自由に設計するための小さな“避難所”のような場所であり、同時に人々に安心感や保護を与える場所のようなイメージでもあります。それから、この名前は多くの言語で似た発音になるという点も気に入りました。……日本語で変な意味になっていないことを祈りますけどね(笑)。 

- シタデル設立にあたって掲げたポリシーや哲学について教えてください。 

最初の目標は、実はとてもシンプルなものでした。財布に大きな負担をかけない価格で、高品質な製品を作ること。そして、きちんと機能する、コントローラーが表示どおりに働く、使いやすい、そういう製品です。さらに信頼性が高い、低ノイズ、軽量といった点も重視しています。また、私たちはいわゆる「ブティック・ペダル市場」に参入するつもりはありませんでしたし、特定の音楽ジャンルと結びついたブランドにもなりたくありませんでした。例えば「ヘヴィ・メタル専用ペダルの会社」などといったイメージにはしたくなかったのです。ペダルの設計は、私たちの持つ能力の限りを尽くして行なっています。そして私たちはどちらもエンジニアなので、外部のエンジニアリング・サービスに頼る必要もありませんし、余計なコストもかかりません。そのうえで製造は、私たちよりもはるかに大きなブランドの製品も手がけている専門メーカーに委託しています。安全試験やEMC試験など、法律上必要な要件も含めてすべてプロフェッショナルに対応しています。つまり私たちの哲学は「プロフェッショナルな会社が、プロフェッショナルな製品を作る」ということですね。 

- ブランド情報に香港の住所が記載されていますが、香港を拠点としているのでしょうか? 

私は2001年から香港に住んでいます。つまり約25年になりますので、私にとっては自然な拠点と言えるんですよ。私のコンサルティング会社もシタデルも、香港で有限責任会社として設立されています。香港は国際的に認められた税制の下にありますし、私たちの事業にとって非常に便利な場所なんですよ。中国に非常に近いし、金融・法律制度が非常に強く、自由港であり、物流が優れています。おかげで国際的な交通網が整っています。つまり、ビジネスを行なうには非常に良い場所というわけですね。生活面でも便利です。もちろん、忙しい都市ですし生活費も安くはありませんが……まあ、すべてを手に入れることはできませんからね(笑)。 

▲シタデル・エレクトロニクスは香港を拠点にしており、製造工場も香港近郊の企業に委託している。ペダルの製作現場とは思えない近代的な環境だ。

-  製品開発はどのようなプロセスで行なわれていますか? 

ケースバイケースですね。私たち自身のニーズや課題からアイデアが生まれることもありますし、特定の「決まった設計手順」があるわけではありません。代表的な例として、“Overtuber”を挙げてみましょう。このペダルのアイデアは、数年前にジョー・サトリアーニとの会話から生まれました。彼は昔からクラシックな“Tube Driver”のファンで、それがきっかけとなって私の興味を刺激したのです。そこで私は、AC電源を必要とせず、トーン・コントローラーが実際に使える形で機能して、幅広い真空管をバイアス調整なしで使える、といった特徴を持つ真空管ペダルを作れないかと考え始めました。つまり、最初は「アイデア/チャレンジ」から始まり、そこに問題を解決する機能、実用的な機能を追加していく形ですね。

重要なのは、クローンを作ることが目的ではなかったという点です。特定の要素に着目し、「改善できる部分」をもとに新しいペダルを設計するという発想でした。そこから私は9Vから比較的低い電流で高電圧を生成する電源設計、特定の真空管特性に依存しない形でのバイアス設計などについて検討を始めました。これはある意味、進化型プロジェクトのようなものです。最初はチャレンジから始まり、それが徐々に発展して、現在市場にある製品の形になっていきました。最終的には回路が完成し、サウンドが良好であることを確認し、そこから筐体への組み込み、各種テスト、マニュアル作成などを経て製品になります。 

▲開発では、精細な3Dモデルなども作成して製作のイメージを具体化していく。真空管を増幅回路に採用した“Overtuber”の内部イメージ。
▲センド&リターンを持つ“Dynazero”の内部イメージ。

- 製品の開発や製造はどのような場所と規模で行なわれていますか? 

製品の開発はフィンランドと香港の両方で行なわれています。製造は中国の契約メーカーに委託していまして、香港の近郊にある工場にお願いしました。このメーカーは多くの有名ブランドの製品も製造している企業で、私は長年の付き合いがあります。規模について言えば、私たちはまだスタートしたばかりです。会社を立ち上げたのは数ヶ月前で、最近になって、EU、日本での販売が始まったばかりで、アメリカ向けの製品は現在輸送中です。ですから、まだ生産規模について語るには少し早い段階ですね。とはいえ、会社は成長しており、将来的には年間数千台のペダルを販売できるようになることを目標にしています。 

- シタデルには何人くらいのスタッフが在籍していますか? 主要メンバーを紹介してください。 

現在のところ、スタッフは3名です。私とトミ、そしてルステン・ウェレですね。彼はマーケティングおよびセールス・ディレクターを務めています。これまでギブソンやヒュース&ケトナーなどに関わってきたことで、業界ではよく知られた人物なんですよ。彼は私たちの可能性を見抜いてくれましたし、正直に言ってしまえば、彼がいなければ今の私たちは存在していなかったでしょうね。 

▲組み上げや検品が終了した製品たち。テープで留められたラベルは筐体底面に貼られるものだ。
▲現在の主なラインナップ。筐体デザインの統一は低コスト化にもつながる重要な戦略だ。なお写真のペダルたちはアルヴァレズ氏のサインが入れられている。
▲各モデルの色見本。品質管理にも気が配られている。

Citadel Electronics Products Review


豊富な知識と積み上げてきた経験をシンプルかつ高性能という理想に注ぎ込んだモデルの実力を検証!

Overtuber  [Overdrive]  : 低域の捌きに着目した真空管オーヴァードライヴ

複数モデルを投入してのブランド立ち上げという構想でスタートしたシタデル・エレクトロニクスだが、どうやらまず着手したのはこのオーヴァードライヴ。開発のきっかけにジョー・サトリアーニの名前が出てくることから、B.K.バトラーやチューブワークス版ではなくチャンドラー版の“Tube Driver”をヒントにしたと思われる。そのため増幅部には“ECC83”(“12AX7”)真空管を用いており、アンプライクなナチュラル・オーヴァードライヴが魅力だ。“GAIN”は12時位置ぐらいまで段々と歪み成分が増して行き、最終的にはやや強めなミドル・ゲイン程度まで調整可能。どの位置でも破綻はしないが、11時〜13時位置あたりがピッキングのタッチなどが生きる範囲という印象だ。 

ハイ&ローや1EQ構成だった大元の“Tube Driver”に対し、“TONE”と“BODY”、“GIRTH”といった音色調整を掘り下げたのも本機の特徴。中でも“GIRTH”は歪み前段での低域歪み量の調整コントローラーで、ハムバッカーPUなら不要なボヤつきを抑え、シングルコイルPUなら適度な厚みを加えるのに重宝する。上げめに設定すればファズのような飽和直前の低域の厚みを加えることもでき、歪みの重心の置き所を選べるような感触だ。一方の“BODY”は歪み後段の低域調整で、サウンドの厚みはもちろん聴感的な歪みキャラクターの変化にも役立つ。いずれも低域に作用するコントローラーなので使いこなしに慣れは必要かと思うが、“GAIN”&“GIRTH”で望みの歪み感を作り、“BODY”と“TONE”で微調整という方法がわかりやすいかと思う。歪みカラーとしては一貫しているものの、その中で好みや音楽性に沿ったポイントを探っていけるペダルと言えるだろう。なお“BOOST”スイッチは音量増幅で増幅量は固定。高域の抜けや輪郭の明瞭化などに魅力を感じた。 

シタデル・エレクトロニクスの多くのペダルに採用されている“Initial State”という機構についても、本機を例に触れておきたい。この機構は電源投入時にバイパスをオフ(ペダルがオン状態)にする、ブーストをオンにするといった設定ができるもので、いちいちスイッチ操作をしなくても良いというもの。ペダルボード内で本機をかけっぱなしにするといった人には役立つ機能だろう。なお本機は9V/500mA駆動なので、パワー・サプライなどには留意してもらいたい。

▲“GIRTH”は歪み前段の低域増幅量を調整するノブ。“GAIN”設定に沿った低域の存在感調整に役立つ。
▲歪み後段の低域を調整する“BODY”ノブ。中低域の張り出しも変わるので、厚み調節に重宝する。
▲中国のプスヴァン製の“ECC83”(“12AX7”)真空管。バイアスの自動調整回路も本機の工夫点だ。
▲細めのマイナス・ドライヴァーなどで内部スイッチを操作してオン/オフを選択する。

[Specifications]●端子:Input、Output ●コントロール:Level、Tone、Body、Girth、Gain ●真空管:ECC83/12AX7×1 ●スイッチ:Bypass、Boost、[Initial State]Bypass ON/OFF、Boost ON/OFF ●電源:9VDC(500mA) ●サイズ:136mm(W)×80mm(D)×60mm(H) ●重量:395g 

Particle Drive [Overdrive] : 3モード搭載のハイゲイン・オーヴァードライヴ

開発順序から言うと第2作で、“Overtuber”とは違う方向性を突き詰めたハイゲイン・オーヴァードライヴ。基本コントロール系に“GATE”が含まれていることからわかるように、“DRIVE”をマックスにするとディストーションと言っても良いほどの過激な歪みが得られる。本機には“CLASSIC”、“BALANCED”、“MODERN”という3つのキャラクターが搭載されており、ミニ・スイッチで選択可能。基本サウンドは“BALANCED”だそうだが、全帯域がフラットに出る使いやすさがある反面、他の2つのキャラクターと比較するとやや薄味な印象もある。歌モノのバッキングなどでアンサンブルに馴染ませる使い方などに向いたキャラクターだろうか。“CLASSIC”はオーヴァードライヴらしい艶やかなハイが主張するキャラクターで、クラシック・ロックから1980年代ハード・ロックなどに合いそうなキャラクター。“MODERN”はドンシャリ傾向の味付けでメタルでも通用するようなサウンドであり、巻き弦のザクッとしたニュアンスもしっかり表現してくれる。その意味では3つのキャラクター選択により1970年代ロックからモダン・ロックまで幅広い時代性をカヴァーしてくれる、対応力抜群の1台と言えるだろう。その根底にうっすら見える、アルヴァレズ氏のハード・ロック/ヘヴィ・メタル嗜好は、シタデル・エレクトロニクスの歪み系ペダルの重要な要素かもしれない。マーシャル“JVM”の開発者という顔がうっすらと浮かんでくるペダルだ。 

前述した“GATE”は“Dynazero”でも採用されている技術を用いたもので、スレッショルド値の設定もしやすく効きも抜群だ。ただ、リリース具合などにはやや特徴もあり、“DRIVE”の設定や演奏する音楽性によっては苦手な人もいるかもしれない。もちろんハイゲイン設定でアグレッシヴに演奏したい人には強力な味方となる機能だ。

▲“CLASSIC”、“BALANCED”、“MODERN”という3つのキャラクターを選択可能。幅広い音楽性に対応する。

[Specifications]●端子:Input、Output ●コントロール:Level、Gate、Tone、Drive ●スイッチ:Bypass、Character(Classic/Balanced/Modern)、[Initial State]Bypass ON/OFF ●電源:9VDC(100mA) ●サイズ:62mm(W)×114mm(D)×58mm(H) ●重量:250g 

取材、文:山本彦太郎  Gentaro Yamamoto

第2回に続く

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