WIDI の進化 -これまでで最も低いワイヤレス MIDI ジッターを実現
2020年4月5日に最初の WIDI Master の先行販売が開始されてから6年が経ちました。
それ以来、WIDI は世界中のスタジオ、ライブ会場、教室、モバイル環境など、あらゆる場所で活用されるようになりました。印象的なのは、WIDI を支えるコミュニティです。ユーザーやファンたちのセットアップ、アイデア、そしてフィードバック。それが、WIDI の今日の姿を形作ってきました。
WIDI シリーズの進化の過程は、クラウドソーシングの最初の事例で今でも読むことができます。

新たな一歩 、ファームウェア v2.6.0
2026年4月10日、WIDI ユーザー向けにファームウェア v2.6.0 がリリースされました。
長年にわたりコミュニティから繰り返し寄せられていたテーマの一つに、接続の安定性の問題がありました。
今回のアップデートにより、低ジッターモードでの WIDI 間の接続におけるジッターがわずか 1ms 未満に抑えられました。これにより正確なタイミング、より安定したクロック、そして特に要求の厳しい環境下において、より信頼性の高い再生体験を実現することができます。また、グループ接続におけるレイテンシーも最大60%低減しています。
このアップデートは、全ての WIDI ユーザーに無償で適用されます。
ジッターの課題
レイテンシーは信号が伝わる速度を示し、ジッターはそのタイミングの安定性を示します。そして MIDI においては、安定性こそがすべてなのです。
タイミングが変動すると、次のような点でその影響が現れます。
- 不安定な MIDI クロック
- 揺らぐシーケンス
- 音符が飛んだり、不均一だったりする
ジッターを低減することは非常に重要な課題だったのです。
より安定した、高品質なデバイスへ
ワイヤレス MIDI は単純ではありません。Bluetooth には、干渉、タイミング間隔、システムレベルのスケジューリングなど、それぞれ課題があります。
今回のアップデートでは、スマート接続アルゴリズム(SCA)に動的なクロック補正システムが追加されました。WIDI デバイスは BLE MIDI タイムスタンプを使用してイベントの同期を維持しながら、内部のタイミングを相互に継続的に調整します。
また、複数のデバイスが接続された際のWIDI デバイス間の通信方法も改善し、タイミングと安定性のバランスをより効果的に取れるようになりました。
下記に参照するのは、Pink Floyd のトリビュートバンド「The Great Gig」のリードシンガー Thomas Vliagkoftis によるベータテストの動画です。新しいファームウェアを使ってセットアップを実践しています。
実地テスト
WIDI を他の一般的に使用されている Bluetooth MIDI ソリューションと比較する実地テストも行われました。
- 青線:WIDI から WIDI へ
- オレンジ色の線:BLE MIDI to Y デバイス
- 灰色の線:BLE MIDI to R デバイス
同じテスト条件下で、WIDI は一貫して 1ms 以下のジッターを維持し、多くの場合ゼロに近い値を示しました。他のデバイスはより大きな変動を示し、場合によっては時間の経過とともに遅延が増加しました。
実際にこのシステムを運用する際に、安定したタイミングは非常に重要な指標となります。

低ジッターモードを有効にする方法
- WIDI アプリを使用して、WIDI デバイスのファームウェアをv2.6.0にアップデートしてください。
- デバイスを「低ジッター優先( Prefer low jitter)」モードに設定してください。
- 接続されているすべての WIDI デバイスに対してこれを繰り返してください。
- セットアップを接続します(1対1またはグループ接続)。

WIDI エコシステム
このアップデートは、Korg、Kurzweil、Nektar、Limex、Xvive、ESI、Artesia などのパートナー企業の製品を含む、WIDI エコシステム全体で利用可能になります。
WIDI アプリから直接アップデートをインストールできます。
これまでの軌跡、これからの進化
これまでに、WIDI は200回以上のファームウェアアップデートを経てきました。そのほとんどは、実際の使用状況、コミュニティからの質問やフィードバックに基づいて行われたものです。
小さなアイデアから始まったものが、成熟したエコシステムへと成長していきました。
CME ブログ WIDI Evolution では常に意見や投稿が募集されています。今後のアップデートにも期待がもたれます。
