洗練されたリッチな質感をもたらすチャンネルストリップ
Avalon VT-737sp は、どんな環境でも艶と質感のある洗練されたサウンドをもたらす、ベストセラーを誇るスタンドアロンのチャンネルストリップです。
オリジナルの実機が放つ圧倒的な魅力
90年代後半から2000年代にかけて、メインストリームの Pop、R&B、HipHop のボーカルサウンドを決定づけたと言っても過言ではないこの名機。最大の魅力は、妥協のないクラスA真空管(4本の6922デュアルトライオード)を採用した回路設計にあります。
一般的なチューブ機材にありがちな「ただ歪む、汚れる」といったキャラクターとは一線を画し、VT-737sp は極めて高いヘッドルームと信じられないほどのローノイズを実現しています。シルキーで透明感のあるプリアンプ、極めて音楽的で滑らかなオプティカル・コンプレッサー、そしてディスクリート設計によるリッチな4バンドEQの組み合わせが、ボーカルやベースに高価でリッチな質感を与えてくれます。
また、ラックにマウントした際に圧倒的な存在感を放つ分厚いアルミ削り出しのパネル、象徴的なパープルのVUメーター、そして内部で美しく光る真空管といったルックスも、世界中のエンジニアやプロデューサーを魅了し続ける理由の一つです。
DAWに蘇るゴールデンユニット
UAD 版のプラグイン開発にあたり、UA チームは複数の実機をテストし、理想的なレスポンスを備えたゴールデンユニットを厳選。カスタム・ハードウェアトランスや、クラスAチューブアンプ・セクションの特性が正確にエミュレートされています。さらに、Apollo 専用の Unison テクノロジーにも対応。実機のインピーダンスやゲインステージのスイートスポットまで忠実に再現し、ハードウェアと区別がつかないほどのクリーンできめ細やかなサウンドをDAW上で実現します。

UAD 版 VT-737sp の3つの大きな特徴
多彩なオプティカルコンプレッサー
ボーカル、ベース、アコースティックギターなどに最適な、サウンドを潰しすぎない穏やかなタッチのコンプレッションが特徴です 。さらにプラグイン独自の機能として、物理的な限界を超えた「X4」(超高速アタック)モードを搭載しており、多彩なダイナミクスへの対応が可能です。
繊細かつ存在感のある4バンドEQ
ハードウェアのディスクリート4バンドEQを精巧にエミュレートしています 。特に32kの「Air Band」を使用すれば、ストリングスやボーカルなどあらゆるソースに繊細な輝き(ハイエンドの存在感)を与えることができます。
自由度の高いルーティング
ハードウェアと同様に、EQをコンプレッサーの前後に配置することが可能です。また、中域EQをコンプレッサーのサイドチェイン・フィルターとして使用するなど、音作りの多様性を広げる柔軟なルーティングを備えています。

各セクションの機能
ここからは、フロントパネルに並ぶ各種コントロールについて詳しく見ていきましょう。ちなみに、プラグインのパネルビューは左側のロゴをクリックすることで、シルバーとブラックの2種類から見た目を切り替えることができます。

■プリアンプ部
プリアンプゲイン
入力信号に適用されるゲイン量を調整します。数値を上げると回路が強くドライブされ、チューブトーンがより多く付加されます。MIC 設定時は0dB〜+45dB、LINE 設定時は-28dB〜+9dBの範囲で使用可能です。
インプットセレクト
マイク入力(MIC)とライン入力(LINE)を切り替えます。
ハイゲイン
プリアンプの全体的なゲインを高くするスイッチです。チューブステージをオーバードライブさせ、ソフトな歪みから強烈なディストーションまで作り出せます。
フィルター & ハイパスフリーケンシー
30Hz〜140Hzで調整可能なハイパス・インプットフィルターをオンにします。
フェイズ
信号の極性を180°反転させ、複数マイク使用時の位相キャンセルを減らします。

■コンプレッサー部
スレッショルド / コンプレッション
コンプがかかり始めるレベル(-30dB〜+20dB)と、その圧縮比(1:1〜20:1)を設定します。
アタック / リリース
圧縮の開始時間(約2ms〜200ms)と解除時間(約100ms〜5秒)を調整します。
X4
アタックタイムのスピードを4倍にするプラグイン独自の機能です。ドラムなどトランジェントが豊富な素材のダイナミックコントロールが改善されます。
EQ>Comp
通常のシグナルフローを変更し、EQ回路をコンプレッサーの前にルーティングするスイッチです。

■イコライザー部
ベース / トレブル
低域(15/30/60/150Hz)と高域(10/15/20/32kHz)のエッジフリーケンシーを選び、それぞれ最大±24dB、±20dBで調整できるシェルビングEQです。
ローミッド / ハイミッド
中低域(35Hz〜450Hz)と中高域(220Hz〜2.8kHz)を最大±16dBで連続的に調整可能です。
Hi Q / X10
Hi Q はミッドレンジの帯域幅を狭く(Q値=0.85)してピンポイントなコントロールを可能にします。X10 はミッドレンジの中心周波数を10倍に広げます。
サイドチェインEQ(SC<MIDS)
ミッドレンジEQをオーディオパスから外し、コンプレッサーのサイドチェイン信号専用にするスイッチです 。ボーカルのディエッシングなどに役立ちます。

Apollo との併用で真価を発揮!Unison テクノロジーの衝撃
この Avalon VT-737sp プラグインを最も効果的に活用できるのが、Universal Audio のオーディオインターフェイス、Apollo シリーズとの組み合わせです。
インピーダンスまで再現する Unison
Apollo のマイクプリアンプ回路とプラグインが物理的に連動し、実機特有の入力インピーダンスやゲインステージの挙動をハードウェアレベルで再現するため、マイクを接続した瞬間から「本物のAvalon」を通している感覚でレコーディングが可能です。
かけ録りでも遅延ゼロ
Apollo 内蔵のDSPを使用することで、DAWのバッファサイズに関わらず、ほぼゼロレイテンシー(超低遅延)でエフェクトをかけたままモニターや録音ができます。ボーカリストにとって、最高の音質をリアルタイムで聴きながら歌えることは、パフォーマンスの向上に直結します。
Apollo X Gen 2 の Studio+ Edition なら標準付属
これから導入を検討されている方に朗報なのが、最新の Apollo X Gen 2 シリーズのラインナップです。現在発売中の Studio+ Edition には、なんとこの Avalon VT-737sp Tube Channel Strip が標準で付属しています。
Studio+ Edition は、Apollo X Gen 2(Twin X / x4 / x6 / x8 / x8p)に設定されているエディションで、Avalon をはじめ、Empirical Labs Distressor や Lexicon 224 Digital Reverb など、50種類以上のプロレベルのUADプラグイン(総額で約50万円相当!)が最初から手に入ります。
かつては個別購入や高額なバンドルが必要だった伝説のサウンドが、インターフェイスの購入と同時に即戦力として手に入るのは、現代のクリエイターにとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。
リードボーカルのミックスに大活躍
Avalon VT-737sp プラグインは、一流アーティスト達が愛した極上のチューブサウンドと、DAWならではの機能性が見事に融合したチャンネルストリップです。リードボーカルをミックスの中心に置きたい時や、ソースに太いボトムとガラスのようなトップエンドの質感を与えたい時に、間違いなく活躍してくれるでしょう。
著名なアーティスト達(Michael Brauer や Eric J Dubowsky など)が作成したプリセットにもアクセスできるので、まずはそこからプロのセッティングを体感してみるのもおすすめです。
伝説の青い光を放つ Avalon のサウンドを、ぜひあなたのデスクトップ・スタジオにも取り入れてみてください。
