20/20 Lead Wah/MTLW
- もともとモーリーのワウを使っていたんだよね?
いちばん最初の動機はヘンな話なのですが、足を骨折したことがありまして。スイッチを踏み込むタイプのワウが操作できなくて(笑)。治りかけの時も痛かったんですが、モーリーを導入したら足を乗せるだけで音になるから“こんないいものはない”ってなって、なおかつ音もすごく気に入ったんです。それが、スティーヴ・ヴァイ・モデルであるバッド・ホーシーでした。もう7年ぐらい使っていて、いろんなワウを試しましたが、ペダルの動く幅が広いのもいいですし、いちばん踏み込んだ時にも使える音が残ってくれるんです。
- さて、今回、6機種試していただきましたが、まずはソロを弾くのに最適にチューン・アップされているというリード・ワウはどう?
僕も愛用しているバッド・ホーシーと近いと感じました。まさに“モーリーだな”と。足を乗せるとワウがオンになって、足を離すとオフになるタイミングも同じです。リード・ギタリスト用にチューン・アップされているということで、周波数レンジは高域で行き来しているように思いました。“コワ”っとなる帯域が上に感じます。バンドで演奏した時にギターがヌケてくれるようなことを意識しているんじゃないですかね。音は、まさに“ザ・モーリー”で艶があって太いです。
- 6機種の中では、いちばん好みのタイプだった?
音の好みというか、追加の機能がなくシンプルという意味では使いやすいモデルだと思います。ワウのみを使うならば、自分としてはまずこのモデルを選びますね。
20/20 Lead Wah/MTLWが購入可能な通販サイト
ミュージックランドKEY
20/20 Wah Boost/MTMK2
- クラシックなトーンとかかり具合を再現しているというワウ・ブーストは、どうだったかな?
リード・ワウと比べると、少しマイルドにかかってくれる印象ですね。レンジも、リード・ワウより少し下の帯域にきています。クラシックな感じを再現しているということもありますが、大多数のワウ好きが好むサウンドだと思います。ワウといえば、こういうトーンですね。
- 搭載されているブーストについては、どういう印象?
ブーストをかけていくと、音量が足されていくと思うんですけど、ゲインが上がって音の張り付き感が増しますね。どんどん前に出てくる音に変わっていきます。僕の場合は、だいたいオーバードライブを使いながらワウを踏むので必要ないかもしれないですが、オーバードライブなしでワウ単体で使うなら、すごく便利な機能です。
20/20 Wah Boost/MTMK2が購入可能な通販サイト
ミュージックランドKEY
20/20 Power Wah/MTPWO
- 続いてのパワー・ワウは、モーリーならではのスイッチレスではなく、フット・スイッチでオンにするタイプなんだね。なんと、モーリーのワウとしては、こちらのタイプが元祖で、それが小型化されたとのことで。
なるほどね。ブーストに関しては、先ほどのワウ・ブーストと同じ感じですね。太さを出してくれてエグくかかってくれるんです。で、横に付いているスイッチでオンにするというのも変わってると思ったんですが、たとえば半止めのワウのトーンがほしいギタリストなら、好きなワウのトーンを決めといてオンとオフで切り替えるという使い方ができますよね。僕が使ってる半止めワウのトーンを出すエフェクターと同じ使い方ができるというわけです。
20/20 Power Wah Volume/MTPWOV
- 続いては、ワウとヴォリューム・ペダルをひとつにしたパワー・ワウ・ヴォリューム。
トーンの傾向はパワー・ワウと同じとのことですが、僕的にはヴォックス的なワウのトーンにも感じました。クラシックな感じのハイ寄りのトーンが出せます。スイッチを押すとワウとヴォリューム・ペダルの切り替えができて、おもしろい使い方もできると思いますね。
20/20 Distortion Wah/MTPDW
- ここからは歪みエフェクターが入ったワウで、まずはディストーション・ワウ。
ディストーションといえども、そこまで歪んだタイプではなく、ワウのことを考えたディストーションになってると思います。どちらかというとオーバードライブに近いというか、ワウ・ブーストに近い感じで、そこに3つのコントローラーを付けたニュアンスでしょうか。
Power Fuzz Wah/MTPFW
- さて、最後は、パワー・ファズ・ワウ! ヴィンテージとモダンという2種類のタイプのファズが選べるのもおもしろいね?
個人的には、かなり好きです! こいつ、激熱ですよ!! カオスな感じの音が作れます。それに、もしかしたら、ディストーション・ワウよりもディストーション的な歪みも作れます。タイプとしてはヴィンテージのほうは、ゲルマニウム・トランジスタを使ってるようないかにもファズなサウンドになります。倍音が足されるような感じがあって気持ちいいし、モダンのほうも使えます。僕が使うならヴィンテージにして、インテンシティを9、ファズ・レベルを6で凶悪な音にして弾きたいです。可変幅が広いので、いろんな音色が作れます。ワウのかかりもエグいし、これは、よくできてますね~。すばらしいです! ぜひ、ボードに入れておきたい。
SYU
ガルネリウスのギタリスト。もはや説明不要のギター・ヒーローであり、高度なテクニックを駆使した速弾きから泣きのフレーズ、タッピングなど、日本のハード・ロック/ヘヴィ・メタルを代表するギタリストのひとりだ。ガルネリウスは、昨年10月にアルバム『INTO THE PURGATORY』をリリース!! 新たなライヴDVD/BDも10月7日に発売!
※WeROCK 078の掲載記事より転載