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Universal Audio : UAD Brigade Chorus で得る躍動的なアナログビブラート

70年代の躍動感あふれるアナログのビブラートをあらゆるサウンドに付加できる UAD プラグイン、Brigade Chorus。伝説的な重圧コーラスを実現する本製品の魅力と、基本的な扱い方、効果的な応用方法などをギタリストの井桁 学氏が解説します。

豊かなアナログコーラスと躍動感溢れるビブラートが得られるエフェクト


Brigade Chorus は、1976年に発売された BOSS CE-1 Chorus Ensemble を隅々までエミュレートした、豊かなアナログコーラスと躍動感溢れるビブラートが得られるエフェクトです。Universal Audio の UAD プラグイン、もしくはネイティブ版の UADx プラグインとして使用できます。

ネイティブ版は UA のハードウェアを必要とせず、Mac やPCのCPUで処理されます。一方の DSP 版は、Apollo インターフェイスと UAD-2 アクセラレーターに搭載されたDSPで処理が行われます。


Brigade Chorus
▲Brigade Chorus

CE-1 Chorus Ensemble について


CE-1 は1976年に BOSS ブランドとして初めて発売されたエフェクターであり、世界初のコーラス・エフェクターです。今やリハーサルスタジオのド定番ギターアンプとして有名な、Roland JC-120 の内蔵コーラスをエフェクターとして抜き出したものでもあります。電池駆動でなくAC駆動だった伝説のペダルエフェクトです。

CE-1 は入力された信号を2つに分けて、ノーマル音とBBD(遅延素子)を通した音をミックスすることで広がりのあるコーラス効果が得られます。

CE-1
▲CE-1 の実機

コーラス/ビブラートの基礎知識


ところで、コーラスやビブラートとは一般的にどんな効果を持つエフェクトなのでしょうか。

コーラスは原音に15〜30msほど遅延させた音と、LFOで揺らした音を重ねて鳴らすエフェクトです。複数で演奏している(ダブリングした)ような厚みや広がりを得ることができます。もっとわかりやすく言うと、入力した音のピッチ(音程)を少しずらして、遅延させることで、ゆらぎや厚みを加えるのがコーラスの効果です。

CE-1 はアナログコーラスというタイプで、アナログ信号をそのまま、バケツリレーのように次々と渡していく Bucket Bridge Device 素子(初期のアナログディレイにも使われていたパーツ)を利用することで実現します。アナログ特有の艶のあるサウンドが特徴です。

ビブラートはギター奏法のビブラート同様、ピッチを変化させて揺れを出すエフェクターです。ちなみに、ビブラートと間違えられやすいトレモロは、音量の大小変化をつけるエフェクトです。

「音量差の揺れを出す=トレモロ」、「音程差の揺れを出す=ビブラート」と覚えておきましょう。

コーラス/ビブラートの使用場面


ギターの場合、主にクリーンサウンドでのコードストロークやアルペジオで音の広がりを作りたいときに、コーラスやビブラートを使います。ディストーションサウンドでは、アルペジオやカッティングなどであえて音のにじみを出すために使ったり、ギターソロで音に厚みを加えたいときに使います。

ギター以外では、エレピやドラム、シンセ、ベースソロなど際立たせたいところに使うことが多いです。ピッチ変化を使って音の広がりを作るエフェクターなので、それが活かしやすい楽器やフレーズなどに使うと効果的です。

Brigade Chorus の操作方法


1. エフェクトの種類を選ぶ(ChorusかVibratoかを選択)
 

右下のvibrato / chorusスイッチで切り替えます。またはツマミ上部のchorus、vibratoをクリックして選択することも可能です。

エフェクトを選ぶ

2. モードを選ぶ(classicかdualかを選択)


モノイン/ステレオアウトかステレオイン/ステレオアウトで使用している場合の、アウトプットのモードを決定するスイッチです。モノイン/モノアウトで使用しているとこのスイッチは機能しないので、ギターでもモノイン/ステレオアウトで利用することをオススメします。

モードを選ぶ

dual(デュアル)

デュアルモードでは、ステレオシグナルの一方に対してモノラルモードで動作する、2台の独立したペダルとして機能します(デュアルモノ・デバイスとして動作)。Lのアウトプットには、Lのドライ・インプット信号とプロセッシング後のチャンネル信号が混在し、Rのアウトプットには、Rのドライ・インプット信号とプロセッシング後のチャンネル信号が混在します。その上、デュアルチャンネルのLFOは、最大の効果を得るために90°のフェイズで出力されています。


classic(クラシック)

クラシックモードでは、モノイン/ステレオアウトでペダルが動作します。左右のインプットはモノラルにミックスされ、ドライ信号はLチャンネルにアウトプットされ、ウェット信号はRチャンネルにアウトプットされます。

3. エフェクトのオン/オフ(normalかeffectかを選択)

左下のnormal / effectスイッチで切り替えます。オンにするとvibrato / chorusスイッチの上のLEDが周期的に点滅し、オフにするとLEDが点灯。完全にバイパスするにはプラグイン自体をオフにします。

エフェクトのオン/オフ

normal / effectスイッチ上の赤いLED

入力信号のレベルに反応して点灯し、その音量レベルによって点灯する赤さ加減が変わります。通常はデフォルト状態で大丈夫ですが、ずっと赤く点灯する場合は音が歪んでいるので、level controlを下げます。

レベルコントロール

vibrato / chorusスイッチ上の赤いLED

赤いLEDは設定されているLFOのレートに合わせた速度で点滅しています。コーラスではchorus intensityノブで設定、ビブラートはrateノブで設定します。気をつけたいのは、エフェクトがオフになっている場合はレートLEDが赤く点灯すること。ここがちょっとややこしいところです。

vibrato / chorus 上のLED

Brigade Chorus の使い方 - 基礎編


基本的な使用方法は動画で紹介します。ギタートラックにインサートで Brigade Chorus をかけるケースから見ていきましょう。

コーラス+ディレイ

コーラスにディレイを加えることも王道な手法です。AUXトラックに Brigade Chorus とディレイエフェクト(UAD Galaxy Tape Echo など)を立ち上げて、chorus intensityを12時の位置に設定。ディレイが深すぎると音がくもりやすいので、ディレイタイムは4分音符程度を基準に調整してください。フィードバックが多いと原音がわからなくなるので、フィードバック回数を1回に設定するといいでしょう。

01

ビブラート

ビブラートを使う場合は、depth=10時、rate=7時にして、classicとdualの2つを聴き比べてみましょう。こちらも同じようにディレイを加えて、より広がりをきれいにすることもおすすめです。ディレイが主役ではなく、あくまでビブラートが主役になるように浅めのディレイ設定をしましょう。

Brigade Chorus の使い方 - 応用編


上の動画でも紹介していますが、Brigade Chorus の応用的な使い方をいくつか紹介します。

エフェクトオフ時の音質変化をトラックの味付けに利用する

エフェクトオフの状態では、コンプレッションがかかっているような、サチュレーションしているような太いサウンドになり、アンサンブルの中で芯を保つことができます。BOSS CE-1 Chorus Ensemble のプリアンプ・サウンドやバッファーサウンドが得られ、ライトで鈴鳴り感があり、歯切れのよさを保ちつつも、コシのあるトーンが特徴です。この特徴を活かして、アンプや歪みペダルをブーストすれば、アグレッシブなドライブ・サウンドが得られます。


BUSに薄めにかける

ステレオトラックやバスでは、Brigade Chorus をクラシックモードに設定すると、左側がドライ、右側がエフェクトとなり、オリジナルと全く同じように使用できます。またデュアルモードにして3Dのような立体的な揺れを作ることもできます。

鍵盤楽器やシンセ、ベースソロなどにかけて厚みや広がりを出す

moog やエレピ音源に Brigade Chorusをかけるのも効果的です。

鍵盤楽器にかける

まとめ


広がりのあるコーラスと、厚みと深みのあるビブラート、音の太さを持つプリアンプ/バッファーを備え、インサート・エフェクトやセンド・エフェクトで音の彩りを深め、アナログ感あるプリアンプでより多彩なサウンドを創り出すことができる Brigade Chorus は、持っておきたい1台です。

Brigade Chorus のツマミなど、基礎的な操作方法については下の動画もご覧ください。

文:井桁 学

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