542 - 500 Series Tape Emulator
特長
TAPE In - テープイン
"トゥルーテープ" 機能をオンにします。サチュレーション、ブレンド、15/30 IPS 切り替えの設定が有効になります。
TRIM - トリム
ライン入力に対して ±12 dB のゲイン微調整を行い、テープ回路に送ります。
SATURATION - サチュレーション
テープヘッド回路に送る信号レベルを設定します。この設定を上げることで、録音ヘッドに送る量を上げ、再生アンプのゲインを下げて回路全体が信号過多によるオーバーロードとなることを防ぎます。実際のテープレコーダーでは録音と再生、それぞれのゲインが独立しています。しかしながら 542 はこの2つのゲインコントロールを一括して扱います。このことでシンプルな操作で十分なテープサチュレーションを得ながら、適切な出力レベルを施します。加えてソフトクリップ機能がさらなるレベルオーバーを防ぎます。
また、サチュレーションノブの操作は低域にも作用します。通常、テープヘッドへのレベルが低いと低域のロスが生じます。サチュレーションコントロールは低域補正回路にも作用し、サチュレーションが低い時に低域をブーストし、高い設定の際は補正機能をオフにします。この機能により、ベースやキックドラムなどのソースに対して、クリーンかつブーストされたローエンド(低サチュレーション設定)から密度の濃いサチュレーションの効いたローエンド(高サチュレーション設定)まで必要に応じた効果をノブ操作ひとつで得ることができます。
15/30 IPS - テープスピード 15/30
テープマシーンのプリエンファシス/ディエンファシス処理と、録音/再生した際のキャラクターを選ぶスイッチです。15 IPS(テープスピード秒速15インチのシミュレーション)は 60 Hz 近辺の低域に特徴的な "ヘッドバンプ" 効果を備え、高域に適度なロールオフが生じます。30 IPS(秒速30インチのシミュレーション)はよりフラットな高域特性と 120 Hz 近辺のヘッドバンプ効果が特徴になります。
BLEND - ブレンド
テープ回路を通す前の信号(プリテープ)と通した後の信号(ポストテープ)のミックスバランスを設定します。この機能はサチュレーション効果のブレンド量の調節としても機能します。これにより、原音のダイナミクスや明瞭さを維持しつつ、十分なテープサチュレーションの効果を得ることができます。
*ブレンドコントロールは Silk / Texture コントロールのサウンドには影響しません。この回路は出力段に位置します。
SOFT CLIP - ソフトクリップ
トゥルーテープ回路でレベルがメーターの "5"(最初の黄色LED)に達した際、ソフトクリップの動作が始まります。ソフトクリップはドラムのような鋭いトランジェントを持った素材の処理に最適で、サチュレーションとともにブレンドコントロールでその効果のバランスを調整します。
SILK / TEXTURE - シルク / テクスチャー
Silk は、出力トランスのネガティブフィードバックを低減し、周波数特性を Rupert Neve 氏が過去に設計したビンテージ機器に近づける働きをします。"ブルー" モードではソース素材の低域から中低域の倍音に作用し、サウンドにふくよかさをもたらします。赤の "Silk+" モードではソース素材の中高から高域の倍音を強調し、サウンドに輝きを与えます。
LEVEL / DRIVE METERS - レベル / ドライブメーター
2つの8セグメントLEDのレベルメーターは 542 の出力とドライブレベルを表示します。
レベルメーターはシルク回路前の出力レベルを表示し、ドライブメーターはテープ効果を有効にした際の "録音ヘッド" レベルを示します。ソフトクリップ回路は、ドライブレベルが "5" に達した際に作動します。