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Rupert Neve Designs

535 - 500 Series Diode Bridge Compressor

500シリーズ用ダイオードブリッジコンプレッサー

パンチと太さ、そして多能さで知られる Rupert Neve の 2254 コンプレッサーの魂を受け継ぐモダンバージョンがこの 535 ダイオードブリッジコンプレッサーです。このモジュールには高度なタイミングコントロール、徹底された低ノイズ化、フルステップコントロール、そして内部パラレル処理等の最新機能が盛り込まれています。高く評価される Shelford Channel のために開発されたダイナミクス回路に基づく 535 には、500シリーズ規格に最適な設計が施された Rupert Neve のカスタムトランスフォーマーとクラスAの出力アンプが採用されています。

Rupert Neve 氏が手掛けた最初のダイオードブリッジコンプレッサーからおよそ50年。535 はさらなるレベルの精度と適応性を以てこの伝説的コンプレッサーの魅力を再考し、ミックスを通じてトラックをより一層輝かせてくれることでしょう。


ダイオードブリッジ

543 や Portico II Master Buss Processor で採用されているVCAタイプのコンプレッサーが比類のないクリアさを提供するのに対し、ボーカル、エレキギター、ベース、ドラムなど重要なパートをミックスの中で際立たせたい場合にはどっしりとした、豊かな倍音を湛えるダイオードブリッジタイプが適しています。

2254 などで見られる Rupert 氏オリジナルのダイオードブリッジコンプレッサーがこの 535 の設計の発端となっています。当時のトポロジーの限界を改めて見直すことによって、かの魅力あるサウンドの再現しながら、ノイズフロアの改善、タイムコンスタントの拡張、ダイナミックレスポンス向上のための全波形のサイドチェーン検出の追加、スレッショルドとレシオの制御範囲の拡大、ダイオードブリッジ自体のヘッドルームの引き上げ等、多方面においてアップデートが施されています。535 はパワフルなビンテージコンプレッサーのトーンを有しつつ高い精度や多様性が求められる現代のプロダクションにおける要望を満たすツールで、事実上いかなるトラックにおいても明確にその存在感を示します。


タイミングがすべて

さまざまなソースに適するよう慎重に構成された6ポジションのタイミング(TIMING)コントロールスイッチによって、コンプレッサーのアタックとリリースを設定します - これはアタックタイムが固定だった 2254 と大きく異なる点です。"FAST" ならびに "MF" の設定は、ドラムや撥弦楽器、早口のボーカル等におけるトランジェントの制御に適しています。"MED" と "MS" 設定では、少しゆったりしたアタックとリリースにより、心持ち長いリカバリーのトランジェントを得ることができます。"SLOW" と "AUTO" 設定ではその両方が大幅に遅くなり、よりスムーズなレベルコントロールが可能となります。

FASTモードに入れば各設定におけるアタックとリリースの速度が増し、タイムコンスタント数は6から12へと倍増します。また 535 の祖先となる名高いビンテージ機と比べてスピードが劇的に飛躍し、音、操作性の両面においてその多彩さをより一層のものにします。

タイミングを速めに設定すると通常は制御電圧の最大振幅が大きくなり、より多くの高調波成分を誘発してメインのオーディオ経路における色付けへと繫がります。遅いタイミング設定では制御電圧は平滑化されるため高調波成分が減り、より透明感のあるコンプレッションをもたらします。またこのトポロジーの性質上、これらのタイムコンスタントはコンプレッションレシオ、スレッショルド、ソース素材といったいくつかの要因に順応し、僅かに変化します。このダイナミックに生成されるタイミング・シフトと倍音成分が、ダイオードブリッジコンプレッサーに独特の個性を与えるのです。

パラレル処理

535 のダイオードブリッジが放つ自然な色彩を考えれば、組み込まれたパラレルコンプレッションの能力は非常に有用と感じていただけることでしょう。ブレンド(BLEND)コントロールによって例えば極端なコンプレッションと原音をブレンドすることもでき、ダイナミックレンジを維持したままカラーとパンチを注入し、ナチュラルさとパワフルさの両立を実現します。

幅広い操作

タイミングコントロールに加え、レシオ(RATIO)、スレッショルド(THRESHOLD)、ゲイン(GAIN)、サイドチェインハイパスフィルター(S/C HPF)とリンク(LINK)コントロールが装備されています。レシオはタイミング設定と同様にロータリースイッチによる6ポジションの切り替え式で、コンプレッサーカーブの傾きをあらかじめ定められた 1.5:1 から 8:1 の範囲内で選択することが可能です。スレッショルドは -25 dBu から +20 dBuま で、31段階の設定が行えます。ゲインコントロールは -6 dB から +20 dB の間を31段階で設定でき、コンプレッサーによって抑えられたゲインを的確に持ち上げます。サイドチェインハイパスフィルターは周波数が 150 Hz に設定された 12 dB/oct の仕様となっています。この機能はコンプレッサーがミックスや楽器類が持つ強い低域に過度に反応しないようにする場合に効果を発揮します。

リンクスイッチは、R6R10 のような500シリーズ対応ラックに組み込まれたリンクバスを活用できるように設計されています(Rupert Neve Designs 社製以外のラックを使用する場合、お使いになられる製品の仕様やマニュアルを必ずご確認下さい)。2台のユニットがリンクされて接続されている場合、制御電圧はそれらの間で共有されます。よって一方のユニットがトリガーされると、他方のユニットも均等にトリガーされます。多くの場合、ステレオソースでセンターイメージを維持するのに役立つでしょう。ただしステレオソースの場合、コンプレッサーが片方でトリガーされた時にステレオ幅に影響を与えることもあります。常に "リンクされていない" サウンドを聴くことも必要です。

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