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Rupert Neve Designs

5088 High Voltage and Discrete Mixer

構造

ピュア、フレキシブル、エレガント、そしてパワフル - 5088 はオーディオプロセッシングのパフォーマンスと理念を発展させた象徴そのものです。

5088 は8つのグループバスと8つのAUXセンド、4つのステレオエフェクトリターンとステレオ出力バスを持つ16チャンネルのラインミキサーです。インプット/アウトプット・ルーティング、メーター、フェーダーを備えるしっかりとした基部から、必要に応じて自身で望む構成のアナログコンソールを組みあげられるようになっています - 例えば、Portico モジュールでマイクプリアンプやEQ、ダイナミクスプロセッサーを追加したり、あるいはより多くの入力チャンネルを増やしたり - スタジオ規模や用途に応じて "拡張" していくことができます。

高電圧駆動のディスクリートオペアンプカード

新設計、フルディスクリートのアナログ構造を持つ 5088 は Rupert 氏の膨大なアナログ回路への知識の集大成です。カスタム設計、高電圧駆動、ディクリートオペアンプのカード基板は 5088 のために特別設計されたもので、クロスオーバーディストーションを排した仕様です。この新しいオペアンプカードにより、広大なヘッドルームとダイナミックレンジ、優れた周波数特性を実現し、ノイズと歪みを徹底的に低く抑えます。

「5088の真価はその内部、ディスクリート設計、片面基板、トランスフォーマーカップルの入出力に秘められています。これらの要素により、従来の設計からダイナミックレンジを 10 dB 拡張することに成功しました。このダイナミックレンジの拡張によって、極端に微細な、時には可聴帯域外の、一般的には無視されるほどの信号もカバーできるようになります。結果として、耳にする音はより完璧になり、音に温かみと心地良さ、濃密さをもたらします。特に低域と中域における効果は明白です。

この莫大なダイナミックレンジと周波数特性が 5088 に100 kHz までものソース信号を快適に扱う能力をもたらします。そして極僅かな信号も逃さずしっかりと維持し、音像全体を向上させます。通常のデジタル信号処理の中において、こうした微細な音声信号はミックスするソースが増えれば増えるほど失われ、音圧という観点からすると全体的に薄っぺらい音になってしまうのです。」

トランスフォーマーの利点

トランスフォーマーをベースにした設計の第一人者である Rupert 氏は、5088 のすべての入力と出力にカスタム設計のトランスフォーマーを実装させました。このことにより、コンソールを電気的にグランドから完全に分離させることに成功しています。そして、この伝統的かつ重用される設計によって、Neve 固有の心地の良いサウンドが実現されます。

「トランスフォーマーは私のオリジナルコンソールが現在でも重用されている理由で、それによるリサイクルやレストアビジネスが確立されている訳でもあります。私の設計では最初期からすべての入出力にトランスフォーマーカップルを採用し続けています。オーディオトランスフォーマーは電気回路と共に設計しなければ成功に至りません。なぜならばそれは統合されたパッケージの中で機能するものだからです。

トランスフォーマーの価値はただ装備されていれば良いというものではありません。正しく機能させるには、グランドから完全分離し、グランドループやRF(高周波)からの干渉を防ぐことが大事です。特に微細なレベルにおける信号の干渉は音楽的な響きを損ない、予期しない不快さや解像度のロスを引き起こします。

トランスフォーマーを正しく実装していない場合、仰天させられるような結果となることがあります。オーディオトランスフォーマーの設計は科学であり、芸術そのものでもあります。反面、これが多くの回路設計者たちに避けられる理由でもあります。」

完全なるモジュラー設計

モジュラーチャンネル構造は、5088 に柔軟さと拡張性、そして信頼性をもたらします。このことによって、メンテンナンスや修理も簡単に行えるようになります。つまり、故障箇所のモジュールだけを取り出して修理に出すことが可能で、修理費の節約や作業の中断を防ぐことができます。コンパクトな構成から大規模なチャンネルのカスタム構成までを可能にし、Portico モジュールを内蔵のシグナルプロセッサーとして追加することも可能です。

5088 はスタジオ規模の拡大とともに拡張もできます。入力チャンネルを増やしたり、長年作業してきたオーディオシステムの入れ替えによる構成の変更、あるいは新たにチャレンジする仕事に合わせて、使い慣れたコンソールを変えることなく自在に適合させることが可能です。

5088 はこれまでのレコーディングコンソールとは設計思想が根本的に異なり、それは細部に至るまで慎重に練られています。使用しない機能のために予算を費やす必要はありません。Rupert 氏と RND チームは世界中のどのアウトボード機器ともシームレスに扱え、最も効果的かつダイレクトに心地の良いサウンドがするコンソールを目指しました - それがこの 5088 なのです。

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