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Universal Audio : UAFX Max Preamp & Dual Compressor マニュアル

マニュアル, 2023/05/09

該当製品

Max の電源(パワーサプライユニット)について

注 : UAFX ペダルに電源(パワーサプライユニット)は付属していません。

UAFX ペダルには、アイソレートされたDC9V、400mA、センターマイナス、2.1 x 5.5 mm バレルコネクタ(BOSS のコネクターと同じ)の電源が別途必要です。各 UAFX ペダルは、個別の電源に接続するか、アイソレートされたマルチ出力電源に接続する必要があります。電源は、UAFX ペダルのリアパネルにあるDC9Vコネクターに接続します。

UAFX ペダルを初めて電源に接続すると、LEDが循環して点灯し、ペダルが起動中であることを示します。UAFX は、正しく起動するまでに約15秒を要します(起動時、ドライのオーディオ信号はペダルを通過します)。

UAFX ペダルを使用中に電源供給が遮断された場合、プロセッシングされたサウンドは発音しなくなります。

(参考)UAFX でお使いいただける電源について

特記事項

  • 各 UAFX ペダルは、400mA の電流を必要とします。電源が 400mA の電流を供給できない場合、LEDやスイッチが動作しているように見えても、ペダルが正しく動作しないことがありますのでご注意ください。なお、400mA 以上の電流を供給できる電源を接続しても問題はありません(ペダルは必要な分だけ電流を消費しますので、電源がDC9Vのものであれば損傷することはありません)。
  • アイソレートされた電源は、通常、各コネクターに配されたトランスによって、電気的に分離された電源とグランドを提供します。電源がアイソレートされていない場合、ペダルの信号にノイズやグランドループのハムが乗ることがあります。
  • 電源が複数の出力を備えている場合、それぞれが正しくアイソレートされているかをご確認ください。もちろん、ペダルごとに個別の対応電源をご用意いただき、お使いいただくことも可能です。
  • デイジーチェーン(1つの電源出力で複数のペダルを動作させること)は、サポートされていません。

接続について

UAFX のオーディオ端子は、楽器用の1/4インチ(6.35 mm)アンバランスTS(Tip-Sleeve)ケーブルに対応しています。TRS(Tip-Ring-Sleeve)ケーブルもお使いいただけますが、TSケーブルと比べてメリットがあるわけではありません。

重要 :
楽器などからの出力信号は、UAFX の “1/MONO” 入力端子に接続する必要があります。“1/MONO” 入力端子に何も接続されていない場合、“2/STEREO” 入力端子は機能しません。

UAFX ペダルは、楽器のレベルやアンプのエフェクトループのレベルに対応できる十分なヘッドルームを備えています。また、シンセサイザーやオーディオインターフェイスといった、ラインレベルの機器にも対応します。ただし、楽器のレベルに合わせて調整されているので、エフェクトのオーバードライブを避けるために、場合によっては UAFX ペダルに接続する機器側のラインアウトレベルを下げる必要があります。

USB-C ポートは、Mac / Windows コンピューター用の UA Connect アプリで、製品登録とファームウェア・アップデートを行う際に使用します。コンピューター側はどのタイプのUSBポートでも接続することができますが、それに適したケーブル、もしくはアダプターが別途必要です(UAFX ペダルにコンピューターとの接続用のケーブルは付属していません)。

“PAIR” ボタンとLEDは、UAFX Control アプリでの製品登録およびグローバル設定(バイパスとフットスイッチのモード)に使用します。

接続例

モノラルイン/モノラルアウト
モノラルイン/ステレオアウト
ステレオイン/ステレオアウト
ペダルをアンプのエフェクトループに入れる
デュアルアンプのステレオセットアップ

Max の操作

Max は、独立した2つのステレオコンプを備え、それぞれに UA 610 プリアンプと EQ を含んでいます。コンプは、3種類から1つを選択することができます。

デフォルトでは、左フットスイッチが COMP 1 のオン/オフ、右フットスイッチが COMP 2 のオン/オフの機能となります。

ノブコントロール

重要 : COMP 1 または COMP 2 のどちらか一方がオンの時、Max のノブはモニターしている方をコントロールします。COMP 1 と 2 の両方がオンの時、 “COMP SELECT” スイッチで選択されたコンプをコントロールすることができます。

初期設定

Max のルーティングは、デフォルトではシリアルモードに設定されています。
このモードでは2つのコンプが同時に有効になり、かつ COMP 1 の出力が COMP 2 に直列で接続された状態となります。

オプション設定

Max は、UAFX アプリを用いて、3種類のフットスイッチ・モードを切り替えて、コンプのルーティングを変更することができます。
それぞれのアンプ EQ やサイドチェーンの設定を行うことも可能です。

Max のコントロール

Max のノブとスイッチを操作して、プリアンプとコンプレッサーをコントロールできます。

重要 : どちらか一方のコンプがオンの時、Max のノブはオンに設定されたコンプをコントロールします。COMP 1 と COMP 2 の両方がオンの時は “COMP SELECT” スイッチで設定されたコンプをコントロールします。

プリアンプ(PREAMP)

選択したコンプの UA 610 チューブプリアンプのレベルをコントロールします。プリアンプのレベルを上げることで、ドライブとハーモニクスが追加されます。オフ(反時計回りいっぱい)に設定すると、プリアンプとその EQ は無効になり、クリーンなユニティーゲインとなります。

  • プリアンプ設定のヒント
    真空管の色付けを加えずにプリアンプ EQ を有効にするには、“PREAMP” ノブを OFF の位置より少し上に設定します。
    UAFX Control アプリで、プリアンプ EQ とサイドチェーンベースフィルターの設定を調整できます。

コンプ(COMP)

選択したコンプのコンプレッション量を調整します。時計回りに操作すると、コンプレッションが強くなり、サスティンが増強されます。このノブは、各コンプに対して異なる制御を行います。

実機と異なり、ノブを上げるとコンプの出力レベルも自動的に上がり、コンプレッションされた音量を補うことにご注意ください。

重要 : OPTO LA-2A と FET 1176 のコンプレッサー・エフェクトでは、“COMP” ノブが最小設定の場合、信号音を聞くことができません。

  • DYNA
    実機の “SENSITIVITY” ノブをコントロールします。時計回りに操作すると、コンプレッション、スクイッシュ、クランチが強くなります。
  • OPTO LA-2A
    入力ゲインおよびコンプレッションのレベルをコントロールします。時計回りに操作するとゲインが上がり、コンプレッションとディストーションの量が増えます。
  • FET 1176
    実機の “INPUT” ノブをコントロールします。時計回りに操作するとゲインが上がり、スレッショルドが下がり、コンプレッション、スクイッシュ、ディストーションが強くなります。

出力(OUTPUT)

各コンプの出力レベルを調整します。

アタック(ATTACK)* FET 1176 のみ

信号がスレッショルドを通過した後に、コンプが反応するまでの時間を調整します。一般的なコンプとは異なり、このコントロールを時計回りに回すとアタックが速くなります(実機と同様です)。

注 : DYNA と OPTA LA-2A の場合、アタックを回すとフットスイッチ LED が高速点滅し、ノブの効果がないことが分かります。

レシオ(RATIO)

スレッショルドを通過した際の信号の圧縮量を調整します。これはコンプレッサーの種類によって動作が異なり、DYNA では使用されません。

  • DYNA
    使用しません。“RATIO” を回転させるとフットスイッチ LED が高速点滅し、ノブに効果がないことを示します。
  • OPTO LA-2A
    圧縮比を調整します。オリジナルのハードウェアには2つのレシオしかなく、“COMP / LIMIT” スイッチで制御されます。より柔軟性を高めるために、MAX ではより多くのレシオを追加しています。このコントロールを4:1に設定すると、実機と同じコンプ設定になります。このコントロールを20:1に設定すると、実機の LIMIT モードと一致します(ALL 設定は 20:1 と同じです)。コンプレッションの無いトーンを得るにはオフに設定します。
  • FET 1176
    圧縮比を 4:1 から 20:1 まで調整します。ALL に設定すると、独特な「レシオ全押し」のレスポンスが得られます。コンプレッションの無いトーンを得るには、オフに設定します。

リリース(RELEASE)

コンプが圧縮後の信号を元に戻すまでにかかる時間を調整します。これは各コンプレッサー・エフェクトで異なる働きをし、DYNA では使用されません。

  • DYNA
    使用しません。“RELEASE” を回すと COMP 用のフットスイッチ LED が高速点滅し、ノブに効果がないことを示します。
  • OPTO LA-2A
    実機にはリリースタイムコントロールがありません。リリース設定を追加することで、より柔軟に対応できるようになりました。実機と同様の設定にするためには、このノブを12時の位置に設定します。時計回りに回転させると、より速いリリースタイムにできます。
  • FET 1176
    オリジナルのハードウェアと同じようにリリースを調整します。時計回りに回転させると、より速いリリースが可能です。

コンプ1 & コンプ2 エフェクト

各コンプのコンプレッサー・エフェクトを選択するスイッチです。切り替えの間、音声が少し途切れます。

Max では、以下のコンプレッサー・エフェクトが使用できます。

  • DYNA
    有名なレッドボックスのグリミースクイーズをサウンドに加えることで、ローファイなコンプレッションとファンキーなオーバードライブが得られ、スライドトーンに最適です。
  • OPTO LA-2A
    この伝説的なオプティカルチューブリミッターは、1176 よりもソフトでウォームなダイナミクスコントロールを提供します。さらに、本機専用のレシオ機能で、コンプレッションを微調整でき、実機や UAD プラグインバージョンを超えるリミッティングが可能です。
  • FET 1176
    UA の創設者であるビル・パットナムが考案した FET コンプレッサーを、あなたのペダルボードに搭載。ファンクをよりファンクにしたい、ソウルフルなサスティーンを加えたい、繊細な音色を加えたい等、様々な用途に。

コンプセレクト(COMP SELECT)

両方のコンプがオンになっている時、このスイッチを使ってどちらのコンプをコントロールするかを選択できます。片方のコンプがオンになっているときは、ペダルのノブでそのコンプをコントロールします。

コンプを切り替えた際、ノブの位置は選択したコンプに保存されている実際の設定と異なる場合があります。この状態でノブを回すと、コンプの設定が新しいノブの設定に「ジャンプ」して、出音してしまうことがあります。

左右のフットスイッチLED

COMP 1 または COMP 2 が有効な時、左右のフットスイッチLED が点灯します。LED の色はコンプの動作状況を示めします。

  • 緑色 : コンプが反応していません。
  • 黄色 : コンプが入力信号に適度に反応しています
  • 赤 : コンプが入力信号に大きく反応しています

    備考 : LED の色は、必ずしも音声信号の存在を示すものではありません。例えば、OPTO LA-2A のリリースタイムが遅い場合、LED が信号終了後に赤と黄色に点灯することがありますが、これは LED がコンプの動作(コンプレッサーのリリースタイム)を示しており、現在の圧縮量ではないことが理由です。
    フットスイッチの LED でコンプの動きを確認するには、必ず UA コネクトで最新のファームウェアにアップデートしてください。

左フットスイッチ

COMP 1 のオン/オフを切り替えます。

右フットスイッチ

COMP 2 のオン/オフを切り替えます。

Max のフットスイッチ・モード

UAFX Control モバイルアプリを使用して、3つのフットスイッチ・モードを選択でき、2つのコンプのルーティングを変更することができます。モードの切り替えは、ダイアグラム下のモードボタンをタップして選択できます。

下記に、それぞれのモードで信号がどのようにルーティングされ制御されるかをまとめます。

シリアル(Serial)

・インプット → コンプ1 → コンプ2 → アウトプット
左または右のフットスイッチを押して、COMP 1 と COMP 2 のオン/オフを切り替えます。 一方または両方のコンプを同時にオンにすることができます。COMP 1 の出力が COMP 2 の入力に直列で送られます。


パラレル(Parallel)

・インプット → コンプ1 → アウトプット
・インプット → コンプ2 → アウトプット
左または右のフットスイッチを押して、COMP 1 と COMP 2 のオン/オフを切り替えます。一方または両方のコンプを同時にオンにすることができます。入力信号は各コンプに個別に送られる前に分割され、各コンプを経過し、ペダルからの出力前にミックスされます。

エクスクルーシブ(Exclusive)

・インプット → コンプ → アウトプット
左または右のフットスイッチを押して、COMP 1 と COMP 2 のオン/オフを切り替えます。一度にオンにできるコンプは、いずれか一方だけです。


Max の EQ とサイドチェーン設定

UAFX Control を使えば、各コンプが持つ UA 610 チューブプリアンプに対してローとハイの EQ 設定の調整とすることができます。また、FET 1176 エフェクトでは、コンプのサイドチェーンベースフィルターを設定できます。

ロー EQ(Low EQ)

ローシェルフ EQ は、100 Hz 以下の周波数を調整します。低域を 6 dB カット/ブーストできます。Low EQ を Off に設定すると、低域のレスポンスがフラットになります。

ハイ EQ(High EQ)

ハイシェルフ EQ は、10 kHz 以上の周波数を調整します。高域を 6 dB カットするか、3 dB または 6 dB ブーストすることができます。High EQ を Off に設定すると、高域のレスポンスがフラットになります。

サイドチェーンベースフィルター(Sidechain Bass Filter)

サイドチェーンベースフィルターは、コンプのコントロールサイドチェーンから低域成分を取り除きます。このフィルターは、オーディオ信号自体の低域成分を減らすことなく、低音の多いオーディオ信号における FET 1176 のコンプレッションとポンピングを低減するものです。

安全にお使いいただくために

  • 本製品は屋内で使用するために設計されています。
  • 液体の近くや極度に湿気の多い環境で使用しないでください。
  • ラジエーター、ヒートレジスター、ストーブなどの熱源や、熱を発する機器(アンプを含む)の近くに設置しないでください。
  • 電源コードを踏んだり何かで挟んだりしないようご注意ください。
  • クリーニングの際は、乾いた布でお拭きください。
  • 本製品の修理が必要な場合は、ご購入いただきました販売店、または弊社カスタマーサポートまでお問い合わせください。
  • Max には、ユーザーで交換可能な部品は含まれていません。
  • 本製品の底面には、コンプライアンスマークのラベルが貼付されています。
  • 本製品は、クラスB機器です。本製品は、住宅環境での使用を目的としていますが、ラジオやテレビの受信機近くで使用すると受信障害を起こす可能性があります。取扱説明書に従って、正しくお使いください。
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