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Universal Audio : UAFX Del-Verb Ambience Companion マニュアル

マニュアル, 2023/04/25

該当製品

Del-Verb の電源(パワーサプライユニット)について

注 : UAFX ペダルに電源(パワーサプライユニット)は付属していません。

UAFX ペダルには、アイソレートされたDC9V、400mA、センターマイナス、2.1 x 5.5 mm バレルコネクタ(BOSS のコネクターと同じ)の電源が別途必要です。各 UAFX ペダルは、個別の電源に接続するか、アイソレートされたマルチ出力電源に接続する必要があります。電源は、UAFX ペダルのリアパネルにあるDC9Vコネクターに接続します。

UAFX ペダルを初めて電源に接続すると、LEDが循環して点灯し、ペダルが起動中であることを示します。UAFX は、正しく起動するまでに約15秒を要します(起動時、ドライのオーディオ信号はペダルを通過します)。

UAFX ペダルを使用中に電源供給が遮断された場合、プロセッシングされたサウンドは発音しなくなります。

(参考)UAFX でお使いいただける電源について

特記事項

  • 各 UAFX ペダルは、400mA の電流を必要とします。電源が 400mA の電流を供給できない場合、LEDやスイッチが動作しているように見えても、ペダルが正しく動作しないことがありますのでご注意ください。なお、400mA 以上の電流を供給できる電源を接続しても問題はありません(ペダルは必要な分だけ電流を消費しますので、電源がDC9Vのものであれば損傷することはありません)。
  • アイソレートされた電源は、通常、各コネクターに配されたトランスによって、電気的に分離された電源とグランドを提供します。電源がアイソレートされていない場合、ペダルの信号にノイズやグランドループのハムが乗ることがあります。
  • 電源が複数の出力を備えている場合、それぞれが正しくアイソレートされているかをご確認ください。もちろん、ペダルごとに個別の対応電源をご用意いただき、お使いいただくことも可能です。
  • デイジーチェーン(1つの電源出力で複数のペダルを動作させること)は、サポートされていません。

接続について

UAFX のオーディオ端子は、楽器用の1/4インチ(6.35 mm)アンバランスTS(Tip-Sleeve)ケーブルに対応しています。TRS(Tip-Ring-Sleeve)ケーブルもお使いいただけますが、TSケーブルと比べてメリットがあるわけではありません。

重要 :
楽器などからの出力信号は、UAFX の “1/MONO” 入力端子に接続する必要があります。“1/MONO” 入力端子に何も接続されていない場合、“2/STEREO” 入力端子は機能しません。

UAFX ペダルは、楽器のレベルやアンプのエフェクトループのレベルに対応できる十分なヘッドルームを備えています。また、シンセサイザーやオーディオインターフェイスといった、ラインレベルの機器にも対応します。ただし、楽器のレベルに合わせて調整されているので、エフェクトのオーバードライブを避けるために、場合によっては UAFX ペダルに接続する機器側のラインアウトレベルを下げる必要があります。

USB-C ポートは、Mac / Windows コンピューター用の UA Connect アプリで、製品登録とファームウェア・アップデートを行う際に使用します。コンピューター側はどのタイプのUSBポートでも接続することができますが、それに適したケーブル、もしくはアダプターが別途必要です(UAFX ペダルにコンピューターとの接続用のケーブルは付属していません)。

“PAIR” ボタンとLEDは、UAFX Control アプリでの製品登録およびグローバル設定(バイパスとフットスイッチのモード)に使用します。

接続例

モノラルイン/モノラルアウト
モノラルイン/ステレオアウト
ステレオイン/ステレオアウト
ペダルをアンプのエフェクトループに入れる
デュアルアンプのステレオセットアップ

Del-Verb の操作

Del-Verb は、ディレイ用のコントロールと、リバーブレベルのコントロールを備えます。アプリでエフェクトのボイシングを任意に設定した場合、エフェクトを切り替えるたびにそのボイシングが現在のノブ設定とともに呼び出されます。

注 : Del-Verb のディレイは、リバーブが有効な場合、リバーブを通して再生されます。

フットスイッチ

デフォルトでは、左フットスイッチの操作でディレイのオン/オフを、右フットスイッチの操作でリバーブのオン/オフを切り替えます。左右のフットスイッチの動作は、UAFX Control を使って、任意の設定変更が行えます。

UAFX Control で選択できるフットスイッチのモードは以下の通りです:

Delay|Reverb(デフォルト)

左フットスイッチの操作で、ディレイのオン/オフを切り替えられます。右フットスイッチの操作で、リバーブのオン/オフを切り替えられます。オンにすると、フットスイッチのLEDは点灯状態になります。

Effects|Tap Tempo

左フットスイッチの操作で、ディレイとリバーブのオン/オフを切り替えられます。右フットスイッチを2回以上タップすると、4分音符のテンポを設定できます。

ディレイ|リバーブ(Delay|Reverb)

ディレイ :
左フットスイッチを押して、ディレイのオン/オフを切り替えます。有効な場合、左フットスイッチのLEDは点灯状態になります。

リバーブ :
右フットスイッチを押して、ディレイのオン/オフを切り替えます。有効な場合、右フットスイッチのLEDは点灯状態になります。

エフェクト|タップテンポ(Effects|Tap Tempo)

バイパス :
左フットスイッチを押して、ディレイとリバーブのオン/オフを切り替えます。ディレイとリバーブが有効な場合、左フットスイッチのLEDは点灯状態になります。

タップテンポ :
右のフットスイッチを4分音符の間隔で2回以上タップすることで、テンポを設定できます。右フットスイッチのLEDは、設定されたテンポに応じた速度で点滅します。

エフェクト・バイパスのルーティング

Del-Verb のバイパス・ルーティングは、UAFX Control を使って、トレール・オン/オフを選択することができます。この設定は、エフェクトがオフになった状態のペダルの動作を決定します。なお、Del-Verb の出力は常にバッファリングされています。

トレール・オフ(Trails Off):
バイパス・ルーティングをトレール・オフに設定した場合、エフェクトをオフにすると同時に、その効果も停止します。

トレール・オン(Trails On):
バイパス・ルーティングをトレール・オンに設定した場合、エフェクトをオフにすると、ディレイやリバーブのテール(余韻)が突然途切れることはなく、ナチュラルに消えていきます。

Del-Verb のコントロール

Del-Verb のノブとスイッチは、各ディレイエフェクトを同様に調整するものですが、その効果は選択されているエフェクトによって異なります。詳細については、後述の各ディレイとリバーブエフェクトのセクションを参照してください。

ディレイタイム(DELAY TIME)

ディレイタイムを調整します。Del-Verb のディレイタイムの範囲や、ディレイタイムによるピッチ変化の有無は、エフェクトタイプごとに異なります。右フットスイッチのタッピングでテンポを設定することも可能です。

“DELAY” ノブやタップテンポによって非常に長いディレイタイムを設定している状態でエフェクトタイプを切り替えた場合、ディレイタイムは自動的に調整され、使用可能な最大の長さが補正されます。

  • Tape EP-III
    ディレイタイムの範囲 : 80〜700ミリ秒
    ディレイによるピッチ変化 : あり
  • Analog DMM
    ディレイタイムの範囲 : 110〜1068ミリ秒
    ディレイによるピッチ変化 : あり
  • Precision
    ディレイタイムの範囲 : 120〜1500ミリ秒
    ディレイによるピッチ変化 : なし*

*特定のボイシング(“glide”と表記)でピッチを変化させることができます。

フィードバック(FEEDBACK)

リピート回数を設定します。Tape EP-III または Analog DMM の選択時、このノブを上げていくと自己発振が始まります。Precision の場合はノブを上げ切ることで無限にリピートを続けますが、自己発振は生じません。

自己発振について

“FEEDBACK” ノブを上げ、プリセットサウンドが自己発振、あるいは無限リピートするように設定されている場合、ペダルをオフにしてもそれは止まりません。トレール・オフ・モードでは、自己発振はバックグラウンドで継続され、ペダルを再びオンにすると戻ってきます。トレール・オン・モードでは、自己発振を継続します。

自己発振を止めるには、この値を小さく設定します。

ミックス(MIX)

ドライ信号にミックスされるディレイのレベルを設定します。このノブを右に回し切ると100%ウェットになってディレイ信号のみが聴こえ、ドライ信号はミュートされます。

カラー(COLOR)

ディレイのキャラクターを設定します。このコントロールによって得られる結果は、選択されているエフェクトタイプによって異なります。

  • Tape EP-III
    テープへの録音レベルを調整します。
  • Analog DMM
    ディレイへの入力ゲインを調整します。
  • Precision
    ディレイのトーンを調整します。左側で暗く、右側で明るく、正午の位置でフラットな状態になります。

モジュレーション(MOD)

選択したディレイに付加するモジュレーションの量やスピードを設定します。このコントロールによって得られる結果は、選択されているエフェクトタイプによって異なります。

  • Tape EP-III
    テープの種類を変更します。左側では新古品(NOS)のテープ、右側では摩耗したテープの再現となります。
  • Analog DMM
    モジュレーションの種類と深さを変更します。左側でビブラート、右側でコーラス、正午の位置でオフになります。
  • Precision
    モジュレーションの種類、スピード、量を変更します。左側でフランジャー、右側でコーラス、正午の位置でオフになります。

リバーブ

ドライ信号とミックスされるリバーブのレベルを調整します。このノブを時計回りに回しきると、信号は100%ウェットとなり、リバーブ信号のみが聴こえ、ドライ信号はミュートされます。反時計回りに回しきると、リバーブ信号がなくなります。

ディレイエフェクトタイプスイッチ

このスイッチを操作することで、ディレイエフェクトを選択します。

リバーブエフェクトタイプスイッチ

このスイッチを操作することで、リバーブエフェクトを選択します。

左フットスイッチ

このフットスイッチを操作することで、エフェクトのオン/オフを切り替えられます。

左フットスイッチLED

エフェクトがオンの時、左フットスイッチLEDは点灯状態になります。

右フットスイッチ

Delay|Reverb モード(デフォルト)では、右フットスイッチでリバーブのオン/オフを切り替えられます。Effects|Tap Tempo モードでは、タップテンポとして機能します。

右フットスイッチLED

Delay|Reverb モード(デフォルト)では、リバーブがオンになると右フットスイッチLEDは点灯状態になります。Effects|Tap Tempo モードでは、現在のテンポで右フットスイッチLEDが点滅します。

Del-Verb のディレイ

Del-Verb では、以下のディレイエフェクトを手にできます。

Tape EP-III

Del-Verb の Tape EP-III は、モーターとテープによる素晴らしいシステム ─ 伝説的な70年代のテープエコーユニットの回路エミュレーションを完全再現しています。ワウフラッターのランダム性からテープスプライスのサウンドまで、実機のあらゆる特徴がここにあります。さらに、テープを選びリピートを調整することで、さまざまなカラーと質感を得ることが可能です。

コントロールセット詳細

  • DELAY TIME
    ディレイタイムを設定します(80〜700ミリ秒)。ディレイタイムの変更に伴い、ディレイのピッチも変化します。
  • FEEDBACK
    ディレイのフィードバック(リピート)量を設定します。3時の位置を過ぎたあたりから、ディレイ信号の自己発振が始まります。
  • MIX
    ドライ信号にミックスされるディレイ信号のレベルを設定します。右に回し切ると100%ウェットになります。
  • COLOR
    テープへの録音レベルを設定します。正午の位置がモデリング元の実機に合わせて調整された設定となります。ノブを右に回していくにつれ、オーバードライブと飽和感が加わっていきます。
  • MOD
    ノブの左半分側は、新古品のテープと「クローゼット・クラシック」マシンを再現しています。ノブの右半分側では、あまり手入れが行き届いていない70年代半ばのマシンと摩耗したテープの組み合わせによる、ワブリングやコーラスのようなリピートが多く含まれた状態となります。

Analog DMM

シロップのように甘いリピート、厚みのあるモジュレーション、そして心を揺さぶるSF的なエフェクトが、このビンテージのアメリカ製バケツリレーディレイの代名詞です。Del-Verb は、70年代後半から80年代前半の厳選された複数のユニットのベストな特性を捉え、予測不能なクロックレートのダンピングに至る回路全体をモデリングしています。目の覚めるようなエフェクト、驚くべきビブラートとコーラスの質感、さらには実機の醸し出すかすかな狂気までをも感じれるでしょう。

コントロールセット詳細

  • DELAY TIME
    ディレイタイムを設定します(110〜1068ミリ秒)。ディレイタイムの変更に伴い、ディレイのピッチも変化します。
  • FEEDBACK
    ディレイのフィードバック(リピート)量を設定します。3時の位置を過ぎたあたりから、ディレイ信号の自己発振が始まります。
  • MIX
    ドライ信号にミックスされるディレイ信号のレベルを設定します。右に回し切ると100%ウェットになります。
  • COLOR
    入力ゲインを設定します。正午の位置がデフォルトとなります。ノブを右に回していくにつれ、ディレイ信号にオーバードライブと倍音が加わっていきます。
  • MOD
    モジュレーションの種類と深さを設定します。スピードはモデリング元の実機に合わせ固定されています。ノブの左半分側でビブラート量を、右半分側でコーラス量を調整します。正午の位置に設定すると、モジュレーションは無効になります。

Precision

無垢で鏡のようなリピートと、ダイナミックできらめくようなモジュレーションエフェクトをもたらす Precision は、モダンなディレイの金字塔です。スタジオ品質のフランジやコーラスのテクスチャーを簡単に得ることができ、ピンポンリピートでサウンドに動きと面白さを加えられます。

コントロールセット詳細

  • DELAY TIME
    ディレイタイムを設定します(120〜1500ミリ秒)。ディレイタイムを変更しても、ディレイのピッチは変化しません。
  • FEEDBACK
    ディレイのフィードバック(リピート)量を設定します。右に回し切るとリピートが無限に繰り返されます。ただし、自己発振は生じません。
  • MIX
    ドライ信号にミックスされるディレイ信号のレベルを設定します。右に回し切ると100%ウェットになります。
  • COLOR
    ディレイ信号の高域と低域をカット/ブーストします。正午の位置がフラットな状態です。
  • MOD
    モジュレーションレート、デプス、フィードバック、ミックスを組み合わせ、軽めのモジュレーションからヘビーなものまでを提供します。ノブの左半分側でフランジャー、右半分側でコーラスのモジュレーションを調整します。正午の位置に設定すると、モジュレーションは無効となります。

Del-Verb のリバーブ

Del-Verb では、以下のリバーブエフェクトを手にできます。

Spring 65

クラシックな60年代のアメリカ製ギターアンプに搭載されていたチューブ駆動のスプリングリバーブは、他に類を見ない美しさを誇ります。しかし、2つとして同じスプリング・リバーブ・タンクは存在しません。そこで UA は20を超えるユニットの検証を行い、最終的に3台のビンテージアンプから3つのタンクを厳選し、モデリングしました。他のスプリング・リバーブ・エミュレーションとは異なる、UA の「ホールアンプ(アンプ全体)」というアプローチは、個々のリバーブ回路が持つユニークなチューブクリッピングキャラクターを忠実に捉えています ─ その結果、本物のスプリング・リバーブの質感、響き、倍音などのすべてを再現することに成功しました。UAFX Control を使えば、モデリングした3つのリバーブタンクをそれぞれ使用したボイシングを Del-Verb にロードすることができます。

Plate 140

1950年代後半のスタジオ・プレート・リバーブがもたらす濃密で心に響くサウンドは、60年以上に渡り録音されてきたギタートーンにとって欠かせないものです。Del-Verb は、カリフォルニア州サウサリートのレコーディングスタジオ “The Plant” で使われていた3種類のユニークなプレートに基づいており、真昼の太陽のようにあたたかい雰囲気の中で、あなたのトーンを包み込みます。

Hall 224

1970年代後半に登場したデジタル・スタジオ・リバーブは、革新的なギタリストたちのさらなる挑戦を可能にし、80年代、90年代、およびそれ以降のプラチナ・ポップやオルタナティヴ・ロックのギタートーンを生み出すに至りました。Del-Verb に含まれる Hall 224 エフェクトは、かのスタジオ定番機材が持つアルゴリズムをビット単位で正確に再現しており、鮮やかで、粒立ちを感じられるテール、そして魅惑的なモジュレーションのテクスチャーを備えています。

安全にお使いいただくために

  • 本製品は屋内で使用するために設計されています。
  • 液体の近くや極度に湿気の多い環境で使用しないでください。
  • ラジエーター、ヒートレジスター、ストーブなどの熱源や、熱を発する機器(アンプを含む)の近くに設置しないでください。
  • 電源コードを踏んだり何かで挟んだりしないようご注意ください。
  • クリーニングの際は、乾いた布でお拭きください。
  • 本製品の修理が必要な場合は、ご購入いただきました販売店、または弊社カスタマーサポートまでお問い合わせください。
  • Del-Verb には、ユーザーで交換可能な部品は含まれていません。
  • 本製品の底面には、コンプライアンスマークのラベルが貼付されています。
  • 本製品は、クラスB機器です。本製品は、住宅環境での使用を目的としていますが、ラジオやテレビの受信機近くで使用すると受信障害を起こす可能性があります。取扱説明書に従って、正しくお使いください。
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