Universal Audio : LUNA マニュアル | Spitfire Audio
マニュアル, 2021/05/14
該当製品
Spitfire Audio は、世界最高の作曲家、ミュージシャン、エンジニアとのコラボレーションによって、刺激的なサウンドと映画音楽向けのツールを制作しています。大ヒット作の本拠地 : AIR スタジオをはじめとする素晴らしい環境で、Hans Zimmer、BBC交響楽団、Olafur Arnalds などのサウンドを収録/開発し、ディテールとコントロール、そして表現力を最大限に引き出すための美しいインターフェイスを提供します。
LUNA インストゥルメントとして登場する Spitfire Audio にもさまざまなタイトルが用意されていますが、以下のマニュアルは、そのすべてに適用されます。
*Spitfire Audio LUNA インストゥルメントは、有償オプションとなります。
システム必要条件
Spitfire Audio LUNA インストゥルメントを扱うためには、LUNA のシステム条件に加え、以下を満たす必要があります:
- 以下の空き容量を持つSSDドライブ
16GB : Spitfire Chamber Strings Collection
11GB : Spitfire Symphonic Brass Collection
11GB : Spitfire Symphonic Woodwinds Collection
・SSDドライブは、APFS(Apple File System)形式でフォーマットされている必要があります。
・外部SSDドライブにインストールする場合は、USB 3.0、USB 3.1、PCIe、Thunderbolt 接続対応のモデルをご用意ください。
ご注意ください :
- 回転式ハードディスクドライブや、macOS の Fusion ドライブは、サポートされていません。
- exFAT、FAT、および Mac OS 拡張としてフォーマットされたSSDドライブは、サポートされていません。
ユーザーインターフェイス
1.トップメニュー
音色名
読み込んだ楽器(音色)名を表示します。
TUNE
楽器全体のチューニングを ±12 セミトーン(半音)の範囲で調整します。“command + クリック” でデフォルト(0)にリセットできます。
PAN
楽器全体のパンニングを設定します。“command + クリック” でデフォルト(センター)にリセットできます。
VOL(VOLUME)
楽器全体の音量を -inf 〜 +12dB の範囲で設定します。“command + クリック” でデフォルト(0dB)にリセットできます。
2.コントローラー(CONTROLLERS)
グレーアウトしているパラメーター
選択された楽器やアーティキュレーションによって、操作可能なパラメーターが異なります。無効なパラメーターはグレーアウトします。
EXPRESSION
設定したダイナミクス内の音量を調整します。MIDI CC #11 に割り当てられています。
DYNAMICS
楽器のダイナミクスを調整するクロスフェーダーです。モジュレーションホイール : MIDI CC#1 に割り当てられています。
VIBRATO
ビブラートの強弱をコントロールするクロスフェーダーです。MIDI CC #21 に割り当てられています。
ATTACK
いくつかのアーティキュレーションでは、このコントロールを操作して音色の立ち上がり時間を調整可能です。例えば、アタックを短くすると、よりタイトな印象になります。アーティキュレーション “Rips” では、ノートの駆け上がりを調整できます。MIDI CC #22 に割り当てられています。
RELEASE
いくつかのアーティキュレーションでは、このコントロールを操作して音色の減衰時間を調整可能です。例えば、リリースを短くすると離鍵後の余韻をより短時間で減衰させることができ、長くするとよりなだらかな減衰を得られます(ノートやコード間をスムーズに移行したい場合に適しています)。MIDI CC #23 に割り当てられています。
3.テクニック・セレクター(TECHNIQUE)
アーティキュレーションアイコン
ここに表示されるアイコンをクリックすることで、読み込んでいる楽器のアーティキュレーションを選択することができます。
パージ
デフォルトではすべての奏法がメモリに読み込まれますが、アーティキュレーションアイコンの下にある小さな「メモリ」アイコンをクリックすると、メモリからアーティキュレーションを削除することができます。楽器を多く起動する場合などに有用でしょう。奏法をパージすると以下のようにメモリアイコンがグレーアウトし、鳴らなくなります。
パージ前 : アーティキュレーションサンプルがメモリに読み込まれている状態
パージ後 : アーティキュレーションサンプルがメモリに読み込まれていない状態
4.キーボード
C0からE8までの音域で、受信している MIDI ノートを反映するバーチャルキーボードです。
キースイッチ
アーティキュレーションの切り替えは、割り当てられた MIDI ノートを送信することでも可能です。一般的に、アーティキュレーションの切り替えに使用する MIDI ノートのことを「キースイッチ」と呼びます。キースイッチはバーチャルキーボードの左側に位置し、その範囲はキーボード上端に白色の帯で表示されます。
演奏可能な音域
バーチャルキーボード上端右側部分の白色の帯は、演奏可能な音域を示しています。この幅は、選択したアーティキュレーションや楽器によって異なります。
アーティキュレーションに関する用語集
ここでは、ライブラリ内の「アーティキュレーション」に使われている用語について解説します。
LONG
最も標準的なロングノートのアーティキュレーションです。鍵盤を押さえ、ビブラート(MIDI CC #21)を操作してみましょう。
SPICCATO
Spitfire Audio のスピッカートは、弦に対して弓を弾ませるように当てる奏法で収録された、とても「タイト」なサウンドが特徴的です。これにより、スタッカティッシモとしてだけでなく、連続した早いパッセージの短音やオスティナートとしても使用できます。
STACCATO
スタッカートは、「短く、切り取る」ような奏法を指します。
PIZZCATO
指で弦を弾きます。
SHORT MARCATO
マルカートは、短音の中でも最長のものを指し、ややハードなアタックを含む丸みを帯びたサウンドが特徴的です。ファンファーレの中で最も長いサウンドをイメージしてください。
SHORT TENUTO
中間的な長さの短音です。文字通り、「音を完全に、あるいはわずかに長く維持する」という意味で、何らかのアクセントに適しています。Spitfire Audio では、ほどよい丸みを帯びたアタックを含むサウンドと解釈しています。
SHORT COL LEGANO
コル・レグノとは、「木で」という意味です。弓をひっくり返して、弓の木の部分で弦を叩く奏法を指します。通常、メインで使う弓は高価なため、この練習には安価な弓を使います。
SHORT 0'5
0.5秒程度の長さのスタッカートを弾くことです。
LONG SUL PONT
“sulponticello” の略で、橋で遊ぶことを意味します。ここでは、ブリッジのすぐ近くで弓を引き、黒板を爪で引っ掻くような、脆さを含んだサウンドが特徴的です。
LONG HARMONICS
演奏しているノートから完全4度上の弦を軽く押さえると、2オクターブ上のハーモニクス(倍音)が聴こえてきます。このハーモニクスは「人工的なもの」とされ、開放弦から得られる自然なものとは区別されます。このアーティキュレーションは、演奏可能な音域が“LONG”とは異なります。
TREMOLO
トレモロは、左手で同じノートを保ちながら、弓を素早く動かす奏法を指します。ソフトに弾くと揺らぎのあるサウンドになり、ダイナミックに弾くと非常に攻撃的で緊張感のあるサウンドになります。
TRILLS
2つのノートを繰り返し交互に弾きます。演奏のアクセントになるだけでなく、ごくソフトに演奏することで、ユニークかつ興味深いテクスチャーを得ることができます。
RIPS & FALLS
目的とするノートに向かって「上げる」スイープと、目的とするノートに向かって「下ろす」フォール。“ATTACK” ノブでそのスピードを調整できます。
RUNS, DISCO FALLS & FX
珍しい「チャタリング」や「クラスター」サウンド、ラン・スライドから「ディスコ・フォール」まで、さまざまな装飾音をまとめたアーティキュレーションです。
Spitfire Audio LUNA インストゥルメント
Spitfire Chamber Strings – LUNA Collection
名高いロンドン AIR スタジオのホールにて、素晴らしい6人の弦楽器奏者による、百科事典のようなアーティキュレーションとテクニックを駆使した演奏が収録されました。この小さなセクションは、ホールの美しい響きはそのままに、Spitfire Audio の Symphonic ラインよりも、ディテールとフォーカスされた響きが特徴的です。映画、テレビ、ゲームのスコアやポップスのレコードに適しています。
収録楽器
- Chamber Strings - Violins 1
- Chamber Strings - Violins 2
- Chamber Strings - Violas
- Chamber Strings - Celli
- Chamber Strings - Basses
- Chamber Strings - Ensembles
含まれるアーティキュレーション
Spitfire Symphonic Brass – LUNA Collection
半年を掛けて制作された、オーケストラ・ブラスの決定版です。Symphonic Strings や Symphonic Woodwinds と同じ、世界的に知られる AIR スタジオのホールで収録された、英国きってのブラス奏者たちによる素晴らしいサウンドをお楽しみください。46のアーティキュレーションを含む Symphonic Brass LUNA Collection が、作品にパワーとパンチを与えてくれるでしょう。
収録楽器
- Symphonic Brass - Horn Solo
- Symphonic Brass - Horns a2
- Symphonic Brass - Tenor Trombone Solo
- Symphonic Brass - Tenor Trombones a2
- Symphonic Brass - Bass Trombones a2
- Symphonic Brass - Trumpet Solo
- Symphonic Brass - Trumpets a2
- Symphonic Brass - Tuba Solo
含まれるアーティキュレーション
Spitfire Symphonic Woodwinds – LUNA Collection
Spitfire Audio は、木管楽器を収録してきた10年の経験を生かし、聖地の一つである AIR スタジオのホールで英国を代表する演奏者を巧みにサンプリングしました。このライブラリには、バスクラリネットの豊かな響きからピッコロの煌めくようなサウンドまで、幅広い楽器とアーティキュレーションが含まれます。オーケストラ・サウンドに欠かせないウッドは、作品に真の力を与えてくれるでしょう。
収録楽器
- Symphonic Woodwinds - Piccolo Flute
- Symphonic Woodwinds - Flute Solo
- Symphonic Woodwinds - Flutes a2
- Symphonic Woodwinds - Clarinet Solo
- Symphonic Woodwinds - Clarinets a2
- Symphonic Woodwinds - Bass Clarinet
- Symphonic Woodwinds - Oboes a2
- Symphonic Woodwinds - Bassoon a2
含まれるアーティキュレーション