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Universal Audio : Sphere マニュアル | はじめに

マニュアル, 2023/01/17

該当製品

はじめに

この度は、UA Sphere をお選びいただき、誠にありがとうございます。

Sphere は、卓越した技術によって、新旧の定番マイクロフォンサウンドを忠実に再現するモデリングマイクシステムです。厳格な品質管理の下で生産されたハードウェアマイクと専用プラグインソフトウェアによる処理によって、従来のモデリングとは一線を画す利便性、柔軟さ、結果を提供します。

本製品を末永くご愛用頂ければ幸いです。

クイックステップ

以下、Sphere システムを使い始めるための手順を簡単に記します。

  1. Sphere プラグインをダウンロードし、インストールする
  2. Sphere マイクをマイクプリアンプ(オーディオインターフェイス)に接続する。
  3. DAW 内でステレオトラックを作成して Sphere プラグインをインサートするか、Apollo Console 内のステレオリンクされたトラックにプラグインをインサートします。
  4. マイクモデルを設定し、ソースをモニターしながら録音します。

Sphere とは?

Sphere は、精巧なラージダイアフラムコンデンサーマイクと Sphere プラグインの組み合わせによって、史上最も人気のあるビンテージおよびモダンなマイクロフォンを正確にエミュレートすることができる「モデリングマイクシステム」です。

Sphere マイクは2つのカプセルと2つの出力チャンネルを備え、従来のシングルチャンネル・マイクでは損なわれる指向性と距離の情報を捕捉します。これらの追加情報は、マイクが音場に対しどのように反応するかを再構築するために使用されます。

Sphere プラグインは、モデリングシステムのソフトウェアコンポーネントです。このプラグインは、ネイティブフォーマットと DSP フォーマットで提供され、DSP バージョンでは、Sphere システムをリアルタイムでモニターしたり、レコーディングしたりすることが可能で、レイテンシーを体感するようなことはほとんどありません。

優れたマイクとプラグインのコンビネーションにより、Sphere システムは他のマイクの能力をはるかに超える高度な機能を提供します。

Sphere マイク

3種類のハードウェア・マイクロフォン : UA Sphere DLX、UA Sphere LX、Townsend Labs L22 が存在します。すべての Sphere マイクは、最高水準の精度と品質で設計/製造されています。

各 Sphere マイクは、2つの独立したチャンネルでオーディオ信号を出力するデュアルカプセルを備えます。Sphere マイクのチャンネルを正しく動作させるには、専用のバランスマイクプリアンプと48Vファンタムパワーが必要です。各 Sphere マイクには、2つのチャンネルを2つのXLRコネクターに供給する特別なブレイクアウトケーブルが付属しています。

3つの Sphere マイクの主な違いは、以下の通りです :

UA Sphere DLX

  • 20dBパッド
  • 25フィートケーブル付属
  • マイクスタンドマウント付属
  • ショックマウント付属
  • ソフトキャリーケース付属

UA Sphere LX

  • 10フィートケーブル付属
  • マイクスタンドマウント付属
  • ソフトキャリーケース付属

Townsend Labs Sphere L22(生産完了)

  • 20dB / 10dB パッド(切り替え式)
  • 10フィートケーブル付属
  • マイクスタンドマウント付属
  • ショックマウント付属
  • ダストカバー付属
  • フライトケース付属

注 : マイク本体の側面に表示されている記号も、LX と DLX で異なります。

Sphere プラグイン

Sphere プラグインは、Sphere モデリングマイクロフォンシステムに不可欠なものです。このプラグインは、モニタリングやレコーディング時、あるいは以前に Sphere マイクで録音されたトラックを処理する際に、Sphere システムにおけるすべての信号処理を行います。

Sphere Mic Collection プラグインはすべての Sphere マイクに付属し、ネイティブ(CPU)処理で使用できます。DSPバージョンは、UAD プラグイン(Universal Audio Apollo / UAD と Avid HDX ハードウェアのみの対応)として使用可能です。

Ocean Way Mic Collection、Putnam Mic Collection プラグインは、DSPバージョンのみの有償販売となり、これらはネイティブ環境では使用できません。Sphere LX のオーナーは、これらのプラグインのいずれかを購入すると、Sphere Mic Collection プラグインの内、本来は含まれない18モデルも追加で入手することができます。

Sphere プラグインは、すべての Sphere マイク(DLX、LX、L22)でモノフォニック出力バージョンを使用できます。加えて、DLX と L22 には、ステレオ出力バージョンとして、Sphere 180 プラグインが含まれています。

注 :
Sphere 180 プラグインは、DLX と L22 でのみ使用可能です。

Sphere Mic Collection

  • 対応フォーマット
    ネイティブバージョン : VST2, VST3, AAX, Audio Units
    UAD バージョン : VST2, AAX, Audio Units
    ネイティブおよびDSP処理に対応
  • マイクモデル数
    DLX, L22 : 38種類
    LX : 20種類

Ocean Way Mic Collection(有償)

  • 対応フォーマット
    UAD バージョン : VST2, AAX, Audio Units
  • マイクモデル数
    DLX, LX, L22 : 12種類 + Sphere Mic Collection から 38種類

Putnam Mic Collection(有償)

  • 対応フォーマット
    UAD バージョン : VST2, AAX, Audio Units
  • マイクモデル数
    DLX, LX, L22 : 9種類 + Sphere Mic Collection から 38種類

Sphere のコンセプトと必要条件

以下は、Sphere システムを最大限活用するための有用な情報です。

  • すべての Sphere マイクは、2つのカプセルと、バランス型3ピンオス XLR コネクタによるデュアル出力チャンネルを備えています。マイクの接続には、必ず付属のブレイクアウトケーブルを使用してください。
  • 各出力チャンネルは、マイクモデリングやその他の機能を正しく機能させるために、48Vファンタム電源を供給可能なバランス型のマイクプリアンプ入力を必要とします。
  • マイクプリアンプの両チャンネルは同じゲインに設定する必要があります。従って、Universal Audio Apollo インターフェイスに搭載されているようなデジタル制御、あるいはステップゲイン式のプリアンプを使用することを推奨します。
  • Sphereマイクは、外部マイクプリアンプに接続し、それをオーディオインターフェイスに接続するか、オーディオインターフェイスの内蔵マイクプリアンプに直接接続することができます。
  • マイクモデリングやその他の高度な機能は、マイク本体ではなく、Sphere プラグインがすべて処理します。
  • Sphere プラグインは、ステレオ入力とモノラル出力を備えます。Sphere 180 プラグイン(DLX と L22 のみで使用可能)は、ステレオでの入出力となります。
  • Sphere LX のオーナーは、UAD Ocean Way Mic Collection または UAD Putnam Mic Collection プラグインを別途購入すると、Sphere DLX と L22 の Sphere Mic Collection に含まれる18のマイクモデルを追加で入手することができます。

Sphere の特徴

UA Sphere モデリングマイクシステムに備わる機能の多くは、これまでの技術では決して実現できなかったものです。

  • 多次元モデリング : 複雑な3次元の指向性、トランジェント特性、近接効果など、さまざまなマイクの特徴や魅力を忠実に再現します。
  • 録音済みトラックのリマイク : マイクモデルや指向性の変更など、各種設定をトラッキング後でも変更/調整できます。
  • 近接効果の調整 : マイクを設置したまま、近接効果による低域のレスポンスを調整できます。
  • 同時使用可能なマイクモデル : トラッキング中/トラッキング後を問わず、1本の Sphere マイクから位相の揃った2本のバーチャルマイクモデルのサウンドをミックスできます。
  • ステレオ : 1本のL22マイクでステレオ収録に対応します。また、左右で異なるマイクモデルを選択することも可能です(DLX と L22 のみ)。
  • オフアクシス補正 : より正確に指向性を調整することで、トラッキング後であっても、回り込みや室内の色付け、フィードバックなどの低減を期待できます。
  • アクシスシフト : マイクのアクシス(軸)に関する設定を仮想的に行えます。トラッキング後でもオフアクシスのサウンドを得ることができます。
  • リアルタイム UAD プロセッシング : LUNA レコーディング・システム、または Apollo Console で、UAD Sphere プラグインは極めて低いレイテンシー(96 kHz で往復約 1.6 ms)とハイパフォーマンスを実現します。
  • AAX DSP プロセッシング : Avid Pro Tools HDX システム上の Sphere AAX DSP プラグインも、低レイテンシーでのモニタリングとハイパフォーマンスを実現します。
  • 幅広いプラグイン形式に対応 : UAD、AAX DSP、AAX Native、VST2、VST3(ネイティブのみ)、Audio Units(macOS のみ)。
  • フラットな周波数特性 : 可聴域全体(20 Hz 〜 20 kHz)に渡って、極めてフラットな特性を持つバーチャルマイクを作成し、近接効果補正も得られます。
  • 指向性メーター : 明快な指向性メーターが、マイクに届くサウンドの方向とレベルを動的に表示します。
  • 低ノイズ : Sphere マイクのセルフノイズレベルは、ほとんどのビンテージマイクを遥かに下回ります。これは、最高の現行マイクと比較しても遜色ないレベルです。
  • 高いSPLへの対応 : Sphere マイクは、140 dB 以上のSPLに対応します。いくつかのビンテージマイクのように、高いSPLや風によってダメージを受けることはありません。
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