Portico 5024 Quad Mic Pre

クアッド・マイクプリ
5024 は業界で高い評価を受けているマイクプリアンプを4基装備しています。各チャンネルは Silk 回路を備え、ふたつのチャンネルにはDI入力、そしてもうふたつのチャンネルにはM-Sデコーダーが用意されており、高い品質と豊富な機能を1Uラックサイズに収めています。5024 はデジタル、アナログを問わず、すべてのレコーディングシステムのフロントエンドとして最適で、システム拡張(あるいは向上)を図る際のベストチョイスとなるでしょう。すべてのチャンネルは人気の 5012 と同じく、カスタムトランスフォーマーとクラスA回路を採用しています。
5024 のマイクプリ部は必要域をカバーする 72 dB のゲインと位相反転スイッチ、ミュート、ファンタム電源、ハイパスフィルターがチャンネルごとに装備されています。そして、Neve 伝統の豊かさと暖かみ、存在感をもたらす "Silk(シルク)" 回路も個別に備えています。チャンネル1と2には、楽器を直接繋げられるDI(Hi-Z)入力が用意され、楽器用DIとして機能します。チャンネル3と4には M-S スイッチが用意され、複数のコンソールチャンネルを潰すことなく、M-S デコーディングが行えます。
マイクロフォン入力
マイク入力は非フローティングのバランス仕様です。これは計測器用のアンプに "T.L.A."(アンプをトランスフォーマーのように扱う)構成を用いた結果で、トロイダルタイプのコモンモードリジェクション仕様のローパスフィルターを備えることで、150 kHz 以上の高周波を除外します。そしてユニティーゲインですべてのオーディオ帯域において +25 dBu の入力信号を入力パッドなしに扱うことができるよう T.L.A. は入力トランスの後段に配置されています。この設計により、電子バランスとトランスバランス、両方の利点を持ち合わせることに成功しました。
この入力はファンタムスイッチをオフにした際、10 kΩ インピーダンスの高品質ライン入力として機能します。
低ノイズ、低歪オペレーション
5024 を設計した際に最も注力したのは、可能な限りノイズとハーモニックディトーションを抑えることでした。細心の注意を以て設計されたシグナルパスとクラスAオペレーションの回路が、5024 の特徴的な甘く、囁くような静けさを実現します。
すべての Portico シリーズの入力と出力にはトランスフォーマーとほぼディスクリートのコンポーネントで構成されたアンプが使用されています。ラインアンプも同様です。シグナルチェインに加えることで、さまざまなシグナルソースのサウンドクォリティーを引き上げることができます。とくに元がデジタルのソースには最適でしょう。5024 はハイエンドのオーディオチェーンに入れても遜色なく、存分にその性能を発揮することができるのです。
トランスフォーマー入出力の利点
音質に関する回路設計の細かなノウハウは徐々に明白になってきました。例えば、20 kHz 以上の周波数は確実に人間の音質に関する知覚に影響することが研究によって知られるようになりました。しかし、この科学的根拠によって証明される以前から、優れたミュージシャンやエンジニア達は機器の技術計測結果が同じであったとしても、実際に耳にするサウンドが全く異なることを知っていました。
音楽的な調和が取れない奇数倍音は微量であっても、音質に致命的な影響を与える場合があります。また、シグナルパスが外来ノイズや干渉を受けた場合、シグナルチェイン全体の質を著しく損なうことがあります。とくに多くのコントロール・ルームでは、外的要因対策が不十分なアウトボード機器が使われています。このような機器のグランド処理は大抵貧弱で、深刻な問題を引き起こす可能性を持っています。現代の機器ではコスト面や利便性のために "電子バランス" 回路を採用しています。この仕様の回路はベンチマークテストにおいて、とても良い計測値が得られますが、作業環境によってはその測定通りの結果や十分なパフォーマンスを発揮するとは限りません。
これらの問題を解決するためには、入力と出力回路はグランドから影響を受けないようにしなければなりません。つまり、処理に必要な信号のみがシグナルパスを流れるようにする - トランスフォーマーはこの問題を解決するために用いられます。大型のトランジスターと上質の大型トランスフォーマーが備わってこそ、Rupert 氏の設計による伝統の甘いシルキーサウンドへと到達するのです。そして今日、Rupert Neve Desgins の Portico モジュールによって、同様の品質とサウンドをよりコンパクトかつ低コストで提供することに成功しました。
これらのモジュールは自由に組み合わせて使用することができ、ハムノイズの発生や R.F. 干渉、あるいはそのほかの影響、コネクター接点、グランド処理、信号レベルやインピーダンスなど細心の配慮が必要な部分を気にすることなく活用できます。また、Portico はそれぞれが完全なプロ仕様のシグナルプロセッサーであり、個々に使用した際でも素晴らしい結果をもたらします。これがトランスフォーマーを入出力に使用した理由のひとつです。
Porticoシリーズについて

Portico(ポルティコ)、それは建設用語でグランドエントランスや門戸を意味します。RND チームは、期待への "扉" という意味を込め、この言葉を採用しました。Portico シリーズはプリアンプやアナログのオーディオプロセッサーで構成されており、これらは単独で使用することも組み合わせて使用することも可能で、大規模アナログコンソールなどの中でも重要な鍵となります。
ハイクォリティのミキシングコンソールは強力かつ多様なオーディオツールを供給する反面、選択肢が非常に限られます。そしてその導入コストは莫大になりがちで、不要なもの(や機能)も多く付随しているケースがあります。Protico シリーズは非常に高いクォリティと絶妙な機能を備え、かつ入手しやすく、どこにおいても使用できます - 余分なものは一切ありません。
ビンテージモジュールのサウンドに精通した多くの業界人からの意見を取り入れた Portico シリーズは、最高にして最も信頼の置ける回路設計をベースにしています。