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reProducer Audioユーザー対談 : 音楽制作用モニタースピーカーの選び方【ニラジ・カジャンチ×浅田祐介】

一昨年の発売以来、世界中で大ヒットを記録している reProducer Audio のスタジオ・モニタースピーカー、Epic 5。国内販売2周年を記念し、Epic 5 を早くから愛用しているエンジニアのニラジ・カジャンチ氏と音楽プロデューサーの浅田祐介氏に対談していただきました。

対談では Epic 5 の話にとどまらず、現代の音楽制作に求められるモニタースピーカーの性能や選定ポイントなども話題に。大変興味深い内容になっていますので、新しいモニタースピーカーの導入を検討している方はぜひご一読ください。

  1. モニタースピーカーの使用遍歴
  2. モニタースピーカーを選ぶ際のチェックポイント
  3. reProducer Audio Epic 5 ユーザーレビュー

最近の若い人はリファレンスが無い人が多い(ニラジ氏)


- 対談の取っかかりとして、まずはニラジさんのモニタースピーカー遍歴から教えてください。

ニラジ・カジャンチ(以下、NK):学生時代は YAMAHA MSP10 で、その後は ProAc STUDIO 100 を使っていましたね。The Hit Factory(注:数々の名盤が制作されたニューヨークの伝説的なレコーディングスタジオ。2005年に閉鎖)で働いていた時に使っていたのも ProAc。フリーになってからは、基本スタジオに置いてあるもので作業していました。

浅田:その頃だとスタジオにあるのは、まだヤマハ NS-10M Studio?

NK:ほぼ10Mですね。自分のスピーカーを使い始めたのは、日本に帰ってきて色々なスタジオで作業するようになったら、何かモニターがしづらかったからなんですよ。アメリカのスタジオはスピーカーの前段でDSPを使って細かく補正するんですけど、日本のスタジオのミッド・フィールドやニア・フィールドのスピーカーは、その補正があまりされていない感じがして……。部屋自体は良い音だと思うんですけどね。だったら、もう自分が何かひとつのスピーカーに慣れた方がいいなと思って、Sonodyne SM100Ak を使い始めたんです。

浅田:マニアックなセレクション(笑)。

NK:それと Pelonis Sound も使い始めて、2種類のスピーカーで作業するようになりました。その後、Focal Trio6 Be に替えて、自分のスタジオを造った時に Focal SM9 と B&W を入れて。スタジオを改装したタイミングで Amphion Two18 と Barefoot を導入し、今は別の部屋で使っているんですが、ATC も試しました。何が言いたいかというと、ぼくはとにかくいろんなスピーカーを使うということ(笑)。音が気に入らないから変えるのではなく、自分にとってスピーカーはインスピレーションを与えてくれるものなので、その時代やその時に作りたい音に合わせて変えていきたいんです。自分がミックスしている音楽のジャンルも、どんどん変わっていきますしね。

ニラジ・カジャンチ
▲ニラジ・カジャンチ氏

- エンジニアさんの中には、“このモニタースピーカーじゃないとミックスできない”と言う人もいます。

NK:最近の20代、30代はリファレンスが無い人が多いですよ。やはり自分のセンスをアップデートするためには、環境を変えたり、スタジオを変えたりといったことが必要。ぼくの場合は自分のスタジオなので、変えるとしたらスピーカーなんですよ。アウトボードは、特に欲しいものも無いですし、配線の問題もあるので変えるのが大変。でも、スピーカーは簡単に入れ替えることができますし。

浅田:僕は50オーバーなんですけど(笑)、ニラジの言うことがすごくよくわかる。音楽の構造は時代と共に変わっていくので、それまで使っていたスピーカーだと音像がわかりづらくて、モニター環境をアップデートするというのは僕もよくやりますね。新しい音楽を形だけなぞってもそれっぽくならないのは、ロー、ミッド、ハイのバランスが違っていたりするからなんです。それと拡がり感も重要で、キックとベースのどちらが拡がっているのか、キックの上にベースがあるのか、あるいはキックの下にベースがあるのか。そういった音像がわかるスピーカーでないと、今の音楽は作れない。だからスピーカーは常にアップデートしていますね。かれこれ30年以上この仕事をしていますけど、新しいスピーカーが出ると気になって仕方ない(笑)。ニラジがインスピレーションを与えてくれるものと言ってましたけど、スピーカーを変えると作る音楽の幅も拡がる感じがしますし。

NK:たんに“ローの質感”と言っても、時代によって解釈は違ってきますからね。他のエンジニアさんも参加しているアルバムを聴くと、“これ、絶対に10Mでミックスしているな”というのがわかる。“これは6インチのウーファーでミックスしているな”とか。Amphion や Barefoot で聴くと、そういうのが一発でわかって、“この人は今の時代に合わせてきていないんだな”と思う。それが良いかどうかは別にして。でも僕は、次のジェネレーションというか、時代の最先端に常にいたいと思っているんです。僕にはリファレンスは無いんですけど、自分がリファレンスになればいいかなと。

浅田:一緒、一緒。Genelec 1030A でも今の音楽のミックスはできると思うんですけど、最近のスピーカーとは情報量がまったく違いますから、結果、器の中に収まってしまう。そのミックスを今時のスピーカーで聴くと、ナローな感じがしてしまうんですよね。日本の人だけに聴いてもらう曲だったらそれでもいいかもしれないですけど、サブスク全盛の今、それではダメだろうと。最近は中国やアメリカの人とデータをやり取りすることも多いんですけど、あるとき“ベースのローが足りない”と言われたことがあって。自分ではかなり出しているつもりだったので、これはスピーカーを変えなきゃいけないなと。韓国の若いクリエイターとか、低域に関する感覚が凄く敏感ですし、話をすると、みんなちゃんとしたスピーカーを使っているんです。こういうことを言うと反感を買うかもしれませんが、K-POPのプロデューサーとか、ぼくらの4~5年先に行っている感じがしますよ。実際、彼らの作る音像は本当にすごいと思う。

低域を処理するにはローが見えるモニタースピーカーで作業をしなければならない(浅田氏)


浅田祐介
▲浅田祐介氏

浅田:最近の若い子は、家で自分でミックスまでしてしまうじゃないですか。ヘッドホンだけで作ってしまう子も多くて、それはそれでいいとは思うんですけど、低域の処理がまったくできていない作品が増えているのが気になりますね。何年か前から Twitter に流れている、“洋楽は音数が少なくてローカットしていない。比べて日本の音楽はローが無くてスカスカ”とかいう情報を鵜呑みにしてしまっているのか、低域がフルに入って渋滞してしまっている楽曲が多い。ちょっと音量を上げただけで歪んでしまったり、モノで聴いたらベースが消えてしまったり……。TuneCore をはじめとするライセンス・サービスの普及で、メジャーの制作システムを通っていない楽曲がチャートに入るようになり、“これ、誰か責任取らないといけないんじゃないの?”と思う。ローをカットしないのはいいんですけど、低域を処理するにはローが見えるスピーカーで作業をしなければならないのに、ローが見えない状態で作ってしまっているから、あんなミックスになってしまうのかなと。

NK:みんな勘違いしていますよね。ぼくは海外で何年もアシスタントをしましたけど、向こうのエンジニアはすべてのチャンネルにハイパスが入ってますよ。どの部分をどれだけ低域に含めるのかというのが重要なんです。

浅田:本当にそう。たんにローを全部残せばいいというものではない。これは声を大にして言いたいですね(笑)。

NK:日本と海外では、作業環境の違いも大きいと思います。日本のアレンジャーさんは自宅で作業する人が多いですけど、海外のアレンジャーは大きなスタジオで作業を始める人が多い。キックの音色ひとつ取っても、ラージ・スピーカーで鳴らして選ぶ。その違いは大きいですね。まぁ、予算的に日本で同じことをやるのは難しいんですけど。でも、自宅でアレンジャーさんが作ったデータをスタジオで再生してみると、“この人、20Hzがどんな感じで鳴っていたのか聴こえてなかったんだろうな”とかがわかります。“ピアノなのに、なんでこんなに30Hzが入っているの?”みたいな(笑)。

浅田:あるある。送られてきた歌のデータに、すごいローがブーンと入っていて、“これはファンなのかな?”とか(笑)。きっと歌い手さんの家では聴こえていないんだろうなって。でも話を戻すと、“洋楽はとにかくローが出ている”という迷信はどうにかしないとヤバいですね。低域が渋滞してしまっているミックスが本当に増えていて、さらに iZotope Ozone を使って12dBくらい持ち上げてあったりとか。

NK:わははは(笑)。ここにミックスチェックに来た若いアレンジャーさんに、“すみません、ベースの30Hzをもう少し上げてもらえますか”とリクエストされることがあるんですが、そういう時に僕はEQを触るのではなく、ベースを0.1dB上げるんです。そうするとアレンジャーさんは、“あ、良い感じですね”って(笑)。浅田さんが言っていたSNSの情報ではないですけど、みんな“30Hz”とか、そういう言葉に惑わされている感じがしますね。

- ニラジさんと浅田さんがモニタースピーカーを選ぶ際のチェックポイントを教えてください。

浅田:ニラジのチェックポイント、すっごく気になる。

NK:僕がスピーカーを選ぶ時のポイントは3つあるんです。1つは曲を流した時に、その曲をカッコいいと思えるかどうか。自分の体が自然に動くかどうかというのがファースト・ポイント。セカンド・ポイントは、ボーカルの質感。奥行き感もそうですし、ステレオ・フィールドもそう。3つ目は、さっきから何度も話に出ているローの見え方ですね。この3つ以外は、僕には関係ない。だからどんなスピーカーでも、音を10分聴けばミックスできます。一番重要なのは、曲を流した時に、自分がその曲に入れるかどうか。だから自分の好みのスピーカーかどうかは、一瞬でわかります。

浅田:ぼくもニラジと一緒で、曲を聴いた時に、アガれるかどうかなんですよ。バーンと鳴らして、“やべえ、これは曲が浮かびそう”と思えるかが重要。

NK:でも他の人と話をすると、みんなEQがしやすいスピーカーを使いたがりますね。なぜかと言うと、みんな曲をミックスしている時に、トラックをソロにしてEQをかけるからなんですよ。そういうミックスのやり方が好きな人は、EQがしやすいスピーカーがいいんでしょうね。でも、僕はミックス中に特定のトラックをソロにしませんから。ある楽器がどういう音をしているかなんて重要ではなくて、興味もない。だから僕はミックスがめちゃくちゃ早くて、1曲2時間もあれば十分ですし、3時間かかってしまったらアレンジに問題があるんじゃないかと思ってしまうくらい。

浅田:うわ、こわい(笑)。

NK:でも本当にそうで、最初の1時間で基本的なミックスを作って、残りの1時間でギミックを加える。アレンジャーさんの頭の中には無かったギミックを加えてあげたいと思っていて、それが僕にとっては歌の処理なんです。アレンジャーさんはトラックを作るのはうまいですけど、歌を処理するのは僕の方がうまいですから。歌以外は、アレンジャーさんがやりたいと思ったことを最大限引き出して、最後に歌の処理で自分のスタンプを押すというか。

浅田:それと僕は、自分がシンセ好きだからだと思うんですけど、音の入り口、トランジション部分が見えるかどうかというのも気にします。ウチには Moog も Sequential Prophet-5 も Oberheim もあるんですけど、そういった本物のシンセを録った音をダメなスピーカーで聴くと、アタック部分がよくわからないので、ソフトシンセのような音に聴こえてしまうんですよ。本物の Moog って、アタマのプチって部分が歪んでいるのに、ダメなスピーカーだと音が均されてしまうというか、スタート位置が一緒に聴こえてしまう。

NK:それ、すごくよくわかりますね。ローのスピード感というか、曲の中でローがどれだけ前に出ているかで、コンプのかけ方とかが変わってきますから。

- これは浅田さんに伺いたいのですが、クリエイターが自宅で曲作りに使うモニタースピーカーであっても、それなりの性能が必要とお考えですか?

浅田:自分が使うスピーカーなので、何を選んでもいいと思うんですが、エンジニアさんのところに持っていって恥ずかしくない音像が作れるものじゃないといけないと思っています。キックとベースとピアノが重なって、80Hzあたりが唸ってしまっていたとしたら、それは曲を作っている自分がちゃんとしなければいけない部分。僕らクリエイターって、自分の作った音を聴かせて、“この人、わかってないんだな”と笑われたら終わりだと思うんですよ。もちろん、細かい処理は専門の人にはかないませんし、クリエイターは時間的にそこまで追い込むことはできないので、最後はエンジニアさんにお任せするわけですけど。

NK:日本ではアレンジャーさんがエンジニアに曲のデータを渡す際、それまで使っていたプラグインをすべて外すのが礼儀とか言われますけど、海外ではそんなデータを渡したらミックスしてくれないですよ。データを開いた瞬間に、“こんなのミックスできるか”と言われます。なぜかと言うと、ミックスというのはアレンジの段階から始まっているから。エンジニアは、アレンジャーさんのミックスを元に、その世界観をしっかり作り上げるのが仕事なんです。

浅田:少し前にウチの事務所の作家やエンジニア達と一緒に曲を作って配信したんです。その曲では久々に自分でも歌ってみたんですけど、ウチのエンジニアに、“祐介さんの声はそういう感じではないですよ”とか言われて(笑)。“え、オレは自分の声の処理の仕方、間違えてた?”とか思って、客観性ってあらためて重要だなと。自分的には、クリアに録ってバランスもちゃんと取ったつもりだったんですけどね。もう自分の歌は自分でミックスできないじゃんって(笑)。

NK:(笑)

ニラジ・カジャンチ/浅田祐介

試した中ではEpic 5が一番、ローの質感と歌の出方の確認がしやすかった(ニラジ氏)


reProducer Audio Epic5
▲reProducer Audio Epic5

- お二人とも reProducer Audio Epic 5 を愛用されているそうですが、そのきっかけは何だったのでしょうか。

浅田:ローの質感や位相特性がしっかりわかるスピーカーが欲しいなと探していて、たまたま Epic 5 の音を聴かせてもらったらすごく良かったんです。僕はスピーカーの構造とかまったくわからないんですけど、パッシブ・ラジエーターとか最新のDSPの技術とかを使えば、昔のスピーカーよりもローを見えるようにするのは可能だと思っていて。でも、それのトレード・オフで、本来の音がわからなくなってしまうスピーカーはダメだなと。音楽を聴くためのスピーカーだったらそれでもいいかもしれませんが、僕は作り手なので、本来の音もわかるものでなければならない。その点、Epic 5 は、あの大きさでパッシブ・ラジエーターを積んで、ローがしっかり見えて、本来の音もしっかりわかった。音を聴いて、すぐに注文してしまいました(笑)。

NK:僕は、スタジオでミックスした音源を家でチェックするためのスピーカーとして使っています。家のメイン・スピーカーというか。違和感のない音で、自分のテンションが上がり、このスタジオには無いタイプのものというのが家用のスピーカーを選ぶ基準で、色々聴き比べたんですけど、その中では Epic 5 が一番、ローの質感と歌の出方の確認がしやすかった。このスタジオでミックスは出来上がっているので、家ではすごく小さな音量でチェックするんですけど、普通のスピーカーは音量を下げていくと、80Hzより下と16kHzより上がどんどん聴こえなくなっていくんですよ。スピーカー・メーカーは、小さな音量で再生した時の音というのをあまり意識していなくて、大きな音量で鳴らした時の特性を重視しているので。音量を下げると、歌だけが聴こえるようになるんです(笑)。

浅田:昔のエンジニアさんがよくやる、音を絞った時に歌が聴こえるかどうかのチェックにはいいかもしれないけどね(笑)。

NK:(笑)しかし Epic 5 は、めっちゃ音を絞った時のバランスが一番良かった。聴き比べた他のスピーカーとは全然違いましたね。なぜ家にこういうスピーカーを置いているかと言うと、ぼくはミックスを絶対に朝チェックするんですよ。前の日のミックスを Epic 5 とヘッドホンでチェックする。よくある昼間にミックスして夜にミックス・チェックというのが凄くイヤなんです。

浅田:イヤだよね。この前も21時にミックス・チェックがあるというから行ったけど、そんな時間だと耳が終わってるじゃんって(笑)。

NK:ミックス・チェックって、14時から17時くらいがベストだと思っているんです。それくらいがアレンジャーさんが一番耳がフレッシュな時間かなと。浅田さんは Epic 5 をどういう風にセッティングしています?

浅田:僕は作業用のデスクとして Output Platform を使っているんですけど、その上に普通に置いています。Platform は木なので、Audio-technica のインシュレーターをかましてみたんですけど、全然違う音になってダメでした(笑)。

NK:僕は最初、プラスチック製のテーブルで試してみたんですけど、そうしたらダメで。それで木製のダイニング・テーブルで鳴らしてみたら良かったので、そのまま使っています。

- ボリュームや背面の補正用トリムのセッティングについても教えてください。

浅田:ボリュームは11時くらいで、背面のトリムはすべてフラットで使っています。

NK:僕はボリュームはユニティの12時ですね。メーカーが想定している音量でドライブしたいので、基本ユニティで使います。背面のトリムに関しては、Epic 5 はサイズの割にめっちゃローが出るので、LF-TRIM を1ポチ下げていますね。木製のテーブルにセッティングしているからかもしれないですけど、LF-TRIM を1ポチ下げるくらいがバランス的にちょうどいい。

浅田:それにしても Epic 5 のローの見え方は本当に驚異的だと思います。Epic 5 を使い始めるまでは、パッシブ・ラジエーターってあんまり好きではなかったんですよ。確かにローは出るんですけど、何か遅れて聴こえて、かつ音を止めた時も少し余韻が残るというか。Roland TR-808 のキックをブーンと鳴らして止めても、自分が止めた位置よりも少し後ろに残る感じがする。そういった鳴り方のスピーカーだと、音が作りにくいんですよね。でも Epic 5 は、ローとミッドとハイが同じタイミングで聴こえて、しっかり音が止まってくれるので音像が作りやすい。本当に良く出来たスピーカーだなと思います。

NK:Epic 5のローって、良い意味でデジタル的ですよね。

浅田:そうそう。でも、なんでこんなにローが見えるのかは、よくわからない。底面にスパイクが付いていたり、筐体に角度が付いていたり、他のスピーカーと違う要素がたくさんありますから。

NK:どうしてこんな角度が付いているんだろうと、試しに後ろを4cmくらい持ち上げてみたんですけど、そうしたらバランスが全然違ってしまいました。この角度のままが一番ちゃんと鳴ってくれる。

浅田:多分、各帯域の耳への到達スピードを、角度を付けることによって合わせているんでしょうね。パッシブ・ラジエーターから発せられる音って、間違いなく遅れるわけですから。ウチの作家が作業している時に後ろで聴いても、本当にバランスが崩れないんですよ。

NK:小さいですし、価格も安いですし、良いスピーカーだと思います。

浅田:この大きさで、それほど音量を出さなくてもローがしっかり見えるというのは、自分が作業しているような部屋には本当にありがたい。理想は、ニラジが言ったようにスタジオでラージを鳴らして低域を確認したいんですけど、それは現実的ではないですよね。Epic 5以前は、このサイズでここまでローが見えるスピーカーって無かった気がしますし、あったとしても、若いクリエイターが手に入れられる価格ではなかった。何と言ってもハード・ケース付きで15万円ですから。個人的にはハード・ケースは邪魔なので要らないんですけど(笑)。

NK:わははは(笑)。

- お二人とも本日はお忙しい中、ありがとうございました。

インタビュー:ICON
写真:八島 崇

ニラジ・カジャンチ

エンジニア。アメリカ生まれ、日本育ち。スタジオ“NK SOUND”のオーナーでもある。アメリカでキャリアをスタートさせ、マイケル・ジャクソン、リル・ジョン、ティンバランドらの作品を担当。2000年代後半に来日。以降、三浦大知、RIRI、Chara、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、大森靖子、Little Glee Monster、SUGIZO、[Alexandros]など、多くのアーティストの作品を手掛ける。

浅田祐介

音楽プロデューサー。1968年東京生まれ。1995年にフォーライフからアーティスト・デビューし、4枚のアルバムをリリース。その後は音楽プロデューサーとしてChara、Crystal Kay、CHEMISTRY、織田裕二、キマグレンなど、多くのアーティストの作品を手掛ける。近年はミュージシャンズ × ハッカソンやエンターテック系イベントの企画運営も行い、デザイナーYUMA KOSHINOと音楽レーベル「Blind Spot」を立ち上げるなど、活動の幅を広げている。一般社団法人JSPA理事。

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