Arrow で超簡単レコーディング!第6回 エレアコやアコギのマイク録りも簡単!!

Universal Audio のオーディオインターフェイス Arrow の使い方や特性についてご紹介します。ナビゲーターはギタリスト / 作編曲家 / 音楽プロデューサーの小川 悦司さんです。

UNIVERSAL AUDIO の新しいオーディオインターフェイス Arrow を掘り下げるこの連載の第6回目はアコギ系のマイク録りについて紹介したいと思います。


コンデンサーマイクで録りたい!!

アコギのレコーディングといえば、プロの現場ではコンデンサーマイクで収録するのが定番です。これは一般的にダイナミックマイクよりもレンジが広く、繊細な表情まで収録できるからです。

コンデンサーマイクといっても、昨今ではリーズナブルな価格で手に入るものも多いので、アコギ中心の方なら一本は用意しておきたいところです。


今回のセッティング

コンデンサーマイクの場合、一般的にはプリアンプから電源を供給する必要があります。でも Arrow ならファンタム電源の供給も可能なので、そのままコンデンサーマイクでの収録が手軽にできます。

インプットは Arrow 前面の Hi-Z 端子ではなく、背面の MIC/LINE 端子にマイクケーブルを接続して、+48Vのファンタム電源のスイッチを入れます。




マイキングが重要!!

アコギを良い音で録る最大の秘訣はマイキングです。安直に考えればサウンドホールの真正面に設置するのが良いのではないかと思いがちですが、それではサウンドホールの中の音ばかりで低音が多すぎてしまいます。

下記写真のように、まずはネック側から約45度の角度で狙ったうえで、ギターを左右に振ったり、距離を調節して、一番音の良い場所を探すようにしましょう。もしマイクが2本あるなら、もう1本はブリッジ側からサウンドホールを狙います。これによってネックの鳴りやギターの表板の響きも収録できます。

今回はスチール弦/ナイロン弦の2本のギターを使いましたが、マイクは sE2200aII (※) 1本だけを使って収録しています。

(※) sE2200aII は生産終了、後継品は sE2300 となります。




それではデモ演奏をお聴きください。




コンソールの設定

コンソールの UNISON で用意したのは UA-610B 。スチール弦ではここでレベルとざっくりとした音質決めをしています。今回は100Hz以下を少しカット、4.5KHzから上を少しブーストしました。ナイロン弦は UA-610B をオフにしたほうが好みだったのでスルーしています。


サウンドメイクはUA PRECISION CHANNEL STRIPで!!

・スチール弦

まずは不要な低音のカットです。ここでは40Hzから下をシェルビングで-3.8dBカットしています。ベースがいる場合ならハイパスでバッサリ切っても良いのですが、今回はアコギ2本のアンサンブルということで多少下を残しています。またモコモコする帯域である200Hzあたりもピーキングでカットしています。逆に倍音成分の多い10KHzから上を少しブーストして艶の部分を足しています。

UA PRECISION CHANNEL STRIPでイコライジングする前と後のサウンドを聴き比べてみてください。



・ナイロン弦

こちらはメロディ担当であることと、スチール弦とのコントラストを考慮して340Hzあたりを大きくブーストして温かみを加え、ピッキングのアタック感を抑えるためもあり4.5KHzあたりをカットしています。

UA PRECISION CHANNEL STRIPでイコライジングする前と後のサウンドを聴き比べてみてください。



リバーブの設定も重要!!

リバーブはプリセットで大まかな種類を選んで、左下の Timing をエディットすると、比較的簡単に目的の響きを作ることができるはずです。

Resonance の設定で低音をカットしている点も重要です。必要以上に低音を響かせるとサウンドが混沌としますので、「リバーブを掛けたら少しサウンドが重くなったな」「分離が悪くなったな」などと感じた時は、ここで低音をカットすることをお勧めします。

また、多くの場合はエフェクトチャンネルや AUX を使って、1台のリバーブを複数の楽器で共用しているはずですので、そのチャンネル自体に EQ を用意して、そこでリバーブ自体の周波数特性をコントロールするも常套手段です。ぜひ覚えておきましょう。


これらの設定は「元がどんな音か?」と「どういう音にしたいか?」によって変わりますので、「必ずこうするべき」というわけではありません。あくまで今回の楽器、今回の楽曲に合わせた設定ですので、参考例と考えてください。

小川悦司

ギタリスト / 作編曲家 / 音楽プロデューサー

ギタリストとして竹本孝之、今井優子、牧野由依、 劇団四季、中川ひろたかなど、ロックからジャズ、ミュージカル、子供向けの音楽まで、幅広いジャンルのサポートやレコーディングに参加するほか、「ポケモン」「ビーダマン」「オハスタ」「生き物地球紀行」などのTV番組関連、また「アイシールド21」や「ウィザードリィ外伝」などゲーム音楽のレコーディングにも数多く参加。楽器フェア等各種催事では長年にわたってYAMAHAやHookUp、Internetなど国内外のメーカー、ベンダーのステージデモを担当。作編曲家、サウンドプロデューサーとしても五十嵐はるみ、折重由美子、米澤美玖、JAZZ LADY Projectなどのジャズ〜フュージョン系からソーシャルアイドルnotallなどまで幅広いジャンルのアーテイストを手掛ける。また、櫻井哲夫の全国ツアーオケやモーターショーの音源制作、USJのサウンドデザイン、菅沼孝三、川口千里、大高清美、梶原順らのDVDや出版物への楽曲提供、「アニソン・エクササイズ」の音楽監修も行っている。執筆家としての関連著書も非常に多く、その発行部数はトータル1000万部以上にのぼる。

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