
浅倉大介氏のプライベートスタジオにて行われたArturia スペシャルインタビューを完全掲載!
収録は彼の人柄までもが伝わってくるかのような、あたたかい雰囲気の中で行われました。
-はじめに、シンセとの出会いと簡単なシンセ遍歴を教えて下さい。
もともと音楽を聴くのが好きで、いろんなジャンルの音を聴いていたのですが、「自分だったらこういう風にするな」「こういう音にするかな」と感じることがあったので、その音を作るにあたって、頭の中のイメージを具現化できるツールは何だろう?と調べていたところ、シンセサイザーという楽器の存在を知りました。最初に買ったのはRolandのSH-101というアナログシンセサイザーでしたね。
その後すぐにMIDI規格ができ、いろんな楽器がデジタル化してきて、DX7やQX3などのYAMAHA製品の開発に関わったりもしました。アナログからデジタル、サンプラー・・・AKAI S900が僕のファーストサンプラーなんですが、それらを経て、さらに時代が進んでPCMサウンドが出てきたら 今度はRoland D-50やYAMAHA SYシリーズを使い込みました。
その後はバーチャルアナログシンセが出てきたり、ソフトウェアシンセもレコーディングですごく使えるようになってきて、まさに今はArturia Analog Experienceなんかもスタジオでよく使っています。一方、ステージ(accessの今夏のライブ)ではArturia Originが大活躍しましたね。
-これまででもっともお気に入りの楽器は?
うーん、お気に入りをひとつ挙げるのはとっても難しいですね(笑)・・・僕はまずアナログシンセから入って、フィルターで音作りをする、っていうのを一通りマスターしたんですが、その後出てきたFM音源は本当に衝撃的で。倍音を削るんじゃなくて、掛け合わせて増やしていける・・・そういう意味でこれまで触れてきたシンセの中で銘機をひとつ挙げるとすれば、やっぱりYAMAHA DX7IIですね!
-リアルアナログとバーチャルアナログの使い分けを教えて下さい。
今夏のaccessのツアーではいろんなシンセサイザーを使っていて、上段にOrigin、下段に”元祖”minimoogをセットしてそれぞれに特化したプレイをしていたのですが、Originをはじめとする、バーチャルアナログシンセの一番の利点は「再現性」だと思うんですね。その場での即興性や偶然性、トリッキーなものは本物のアナログシンセにやはり手が伸びますし、アナログシンセで瞬時にリコールができないような凝った音・・・例えばオシレーターを掛け合わせて複雑な倍音を生み出すシンクリードのようなサウンドはバーチャルアナログの方が強いんじゃないかな、と思って弾き分けていました。
-浅倉さんはこれまでに多くの楽曲を生み出してこられた訳ですが、そのインスピレーションはどんなところから得ていらっしゃいますか?
シンセが好きな人は、メカだったり、テクノロジーだったり、というような最新のものが好きな人も結構多いんじゃないかなと思うんですが、シンセってそういう技術の進歩がすごく分かりやすく反映されている楽器だと思うんですよね。メモリーであったりCPUであったりDSPであったり・・・そういうものが進化すると、また新しい音が作れるようになる。そこからインスピレーションを受けてまた新たな音楽が生まれたりもします。
また、僕はバーチャル空間で聞こえるような音にすごく惹かれるので、例えば宇宙の写真を見てインスピレーションを受けたりもしますね。
-Origin Keyboardのお気に入りのポイントをズバリ3つ、お答え下さい。
一つ目はやっぱりサウンド!
僕の作る曲は音数がすごく多いんですけど、そんな中でもステージ上で太く抜けてくる音が凄いです。
二つ目は拡張性。
Originはリリースされてからも次々にバージョンアップされていて、新たなモジュールが追加されたり、ユーザーインターフェースも使いやすくなっていっている・・・そういった意味で、これからの未来にも期待できるシンセだと思いますね。
三つ目はルックス。
これも大きいですよね。コントロールパネルの部分が稼働したり、右側にちっちゃなコントローラー類を置いたりもできそうだし・・・とにかく全体の質感にマニア心をくすぐられました!
-Originの”モジュラーシンセ”というコンセプトについて、印象をお聞かせ下さい。
Originを初めて弾いた時、本物のアナログシンセのように電気回路がドライブしているような感覚がすごく伝わってきたんですよね。トランジスタ、コンデンサ、真空管・・・そういったものが電気回路でドライブしている、そんな印象が出音から力強く感じられました。さらに内部でモジュールを組み替えられる・・・例えばmoogのオシレーターとJupiterのフィルターを組み合わせたり、といったことを気軽に試せる。実際のアナログシンセだとこんなことできないじゃないですか(笑)。ヴィンテージシンセマニアの人には目からウロコの音作りができるんじゃないかと。いろいろ試行錯誤してみたいですね。
-ステージ上ではどういった場面でOriginが活躍していますか?
今夏のaccessのライブでは、イントロやアウトロ、インタールードなんかでOriginの分厚い音色を使っていたんですが、とくにmoogのオシレーターを使ったリード系サウンドはテンションが上がるので多用しました。
-Originの多彩なコントローラー部分に関してはいかがでしょうか?
アナログシンセでなくてはならない”リボンコントローラー”というものがあるんですが、Originにはとにかくしっかりした大きいものが付いていて、アサインによっていろんな使い方ができるので面白いなと思いました。僕はピッチベンドをアサインしてギターのフレットぽく使ったりもしましたね。
ジョイスティックやステップシーケンサーも付いているし、とくにデュオフォニックアフタータッチなんていう、和音を押したトップノートだけにモジュレーションをかけたり、といった感じでアイデア次第でいままでにない音作りもできそうなところが面白いと思いました。
-Originはどういった方にオススメでしょうか?
いろんな人に触って欲しいと思うんですが、強いて言うと、やっぱりシンセサイザーマニアの方には触ってみて欲しいですね。入り込めばいろんなところにこだわりを感じられるんじゃないかと思います。いろいろエディットしていたら気がつくと3〜4時間たっている・・・みたいな(笑)、とにかく音作りが楽しめるシンセです!
-次に、Arturiaソフトウェアシンセサイザーの印象やお気に入りのモデルをお聞かせ下さい。
minimoogVは早くから使っているんですが、これで和音が出ちゃった時の衝撃が今でも忘れられない(笑)。時代は変わったな、と(笑)。それからAnalog Experience!これはすごくイイです。音を作るというよりは、アレンジをしていて「往年の銘機のあのサウンドが欲しい」という時にすぐに呼び出せる便利さが気に入っています。
複数のプロジェクトが同時進行しているスタジオワークの場面では、ソフトシンセのトータルリコールできる点はやっぱり強力ですよね。
-ありがとうございます。それでは、最後にファンの方へメッセージをお願いします。
これからも自分のソロやaccessでシンセをフィーチャーしたエレクトロニックな音をドンドン作っていきたいと思いますので、よかったら聞いてください!浅倉大介でした!
<浅倉大介プロフィール>
1991年デビュー。
ソロアーティストとして、またaccess、Iceman等のユニットとしても活動。
コンピュータ、シンセサイザーを自由に使いこなし、現在の音楽シーンにおいてはデジタルメディアへの積極的かつ斬新なアプローチが特に高い評価を受けている。
またプロデュース活動も多岐に渡り、数多くのアーティストを輩出するほか、テレビ番組のオープニングテーマや映画・舞台音楽、ゲームミュージックやキャラクターソングなども手がけるなど、サウンドクリエーターとして、ミュージシャンとして柔軟で幅広い活動を展開している。
オフィシャルウェブサイト www.DAnet.ne.jp
