前回はお手製グラフ(笑)で、コンプの動作を解説したけど、早くも「そんな簡単な理屈じゃないだろ!?」とご意見をいただきました。そう、あのグラフはアタックにフォーカスしたものだからあんなに単純になっていたけど、実際は「コンプの動作が終わるとき」を設定する「リリース」も音作りに関わってくる。それはまた今度説明するから、今はアタックの操作だけを考えよう。そうじゃないとまた訳がわからなくなるからね。
・コンプをかける準備
まずはAMSを起動して、適当なドラムループを読み込もう。なるべく強弱がはっきりしている方がわかりやすいよ。そして、このループが繰り返し再生されるようにループポイントも設定しておこう。

次にトラックFXで「ExpressFX ダイナミクス」を選択する。そして図のように、トラックのアウトメーターが見える位置に移動しておこう。これは、音量レベルによってどうコンプが動作するのか(させるのか)を確認するため。

そして「自動ゲイン補正」には必ずチェックを入れる。コンプというのは「圧縮」するから結果的に音量が下がる。この自動ゲイン補正によって圧縮した分だけで音量を調整してくれるんだ。

すぐに音を鳴らすとわからなくなっちゃうので、まず音のない状態で画面を解説しておこう。今回もちょと話がややこしくなるのでリリースについては考えないことにする。
・「圧縮比」はどれだけ圧縮するかということ。一般的には「Ratio(レシオ)」と呼ばれる。必ず「○:1」というように比率で表されるもので、○の値を変化させる。「4:1」「10:1」というように左側の数値が多くなるほど効果が高くなる。今は1.0:1なので何も効果がかかっていない状態だ。

・アタックは、前回話した通り圧縮が始まる時間。現在は「1.0(ミリセカンド)」になっていて0が最速だけどほぼ0に近い。つまりアタックタイムが短いのですぐにコンプがかかるようになっている。

・スレッショルドは、コンプがかかり始める音量のこと。音量が小さいときにはコンプはかからず、大きなときにはかかる、というように設定する。今は「-20dB」になっている。これは「信号が-20dBに達したらコンプをかけますが、-20dBより小さい音量にはコンプをかけません」ということ。

あ、この辺でまたわからなくなってきたね。理屈じゃなく操作で学ぼう。まずは再生スタート!
再生するとトラックのアウトのメーターが振れる。「チッチチドン」みたいなビートなんだけど、この小さい、つまりアウトのメーターが左の方にあって-20dB(24と18の間の辺り)を越えていないときには、コンプは何も作動していない。つまり、オフの状態と同じだ。

次にキックが「ドン」と鳴ってアクセント来ると-20dBを超える。この時点でコンプが作動する。

しかし、今は圧縮する比率「圧縮比」が「1:1」なので何も効果がない状態だ。ここで圧縮比のスライダーを右にドラッグして「2.0:1」にしてみよう。これだけでキックが入ってきたときに音が変わるのがわかるはずだ。

次はアタックだ。これもスライダーを右にドラッグして「30」程度にしてみよう。今度は音が変わるだけではなくグンと音が前に出てくる=アタックが強くなるのがわかるはずだ。

これで上側にある「ExpressFXダイナミクス」のチェックを外すとオフになるので比べてみてほしい。だいぶ音が違うよね。
「なんだ!コンプでかっこいい音作るのなんて簡単じゃないか!」
と思ってくれればOK。とにかく音が変わったことがわかってもらえればいい。細かい説明やその他の働きについてはまた次回のお楽しみにね。
