Arrow で超簡単レコーディング!第2回 歪み系ギターサウンドを手軽に録る!!

Universal Audio のオーディオインターフェイス Arrow の使い方や特性についてご紹介します。ナビゲーターはギタリスト / 作編曲家 / 音楽プロデューサーの小川 悦司さんです。

Universal Audio の新しいオーディオインターフェイス Arrow を掘り下げる本連載。今回は歪み系のサウンドについて紹介したいと思います。

やはり歪みの定番 Plexi!!

Plexi Classic

前回間単に紹介した Plexi Classic ですが、見た通り Marshall のギターアンプを再現したものです。

このプラグインは60年代のオリジナルモデルを再現しているということもあり、80年代以降の Marshall のように深い歪みではなく、トーン的にも Low がふくよかで柔らかいイメージのサウンドが特徴です。またギターのボリュームに対する挙動も本物さながらによくできているので、単体で使うのであれば、ブルース〜クラシックロックに向いていると言えるでしょう。

基本的なレスポンス

まずは、シングルコイルとハムバッカーのボリューム変化を使ったサウンドサンプルをお聴きください。


ギターは前半のシングルコイルがストラトキャスターで、後半のハムバッカーが MUSICMAN VH Model です。各ギターとも前半はボリュームを3-5あたりまで絞ってあり、途中から全開にしています。

また、ここではイコライジングはしていません。
ただしプリセットに REFLECTION ENGINE が掛かっているので、少し距離感を感じるかもしれません。

インプットとチャンネルリンクによるサウンドの違い

Plexi には4つのインプットがありますが、実際にはブライトとノーマルという2つのチャンネルのハイゲインとローゲインというレイアウトになっています。

左上 INPUT 1 ブライトハイゲイン
左下   INPUT 1  ブライトローゲイン
右上 INPUT 2 ノーマルハイゲイン
右下   INPUT 2  ノーマルローゲイン

もちろんひとつのジャックだけに接続して使うこともできますが、空いているインプット同士をチャンネルリンク(カスケード接続)することで INPUT 1 と INPUT 2 を混ぜて様々なサウンドを作ることが可能です。

チャンネルリンクの設定はインプットジャックの部分をクリックすれば変更できます。例えば左上のインプットをクリックした場合以下の3つのリンクパターンをチョイスできます。

INPUT 1 ブライトハイゲイン

INPUT 1 ブライトハイゲイン + INPUT 2 ノーマルハイゲイン

INPUT 1 ブライトハイゲイン + INPUT 2 ノーマルローゲイン


それではこれらチャンネルリンクした時のサウンドを聞いてみましょう。ギターはハムバッカー搭載の MUSICMAN VH Model です。


最初が INPUT 1 ブライトハイゲインのみにつないだ音色です。近年の Marshall ほどの派手さはないですが、比較的明るめのサウンドです。

次が INPUT 1 ブライトハイゲイン + INPUT 2 ノーマルハイゲインのサウンド、低音が少し増えたのがわかると思います。一般的にはこの方法を使うギタリストは多く、こうすることによって2つのボリュームバランスで様々なサウンドメイクができるようになるのです。

最後は INPUT 1 ブライトハイゲイン + INPUT 2 ノーマルローゲイン
最初のものと2番目の中間的なサウンドになっているのがわかると思います。

※Plexi でのサウンドメイクのコツは2つのボリュームのバランスをうまく取ることとギター本体のボリュームをうまく使うことです。また、このプラグインには画面右側にChannel Stripとしてアンプ録りの定番マイク SM57 を使ったマイクのシミュレーターがありますので、ここでトーンをコントロールすることもできます。

もっと歪ませたい!!そんな時は Raw を併用すべし!!

Raw は pro co RAT をシミュレートした歪み系エフェクターです。
歪みはかなり強いので、Plexi では物足らない方にはこちらを併用するのがオススメです。これは Unison が採用されているものですが、この Raw を使うコツはこのあとにインサーションで Plexi を使ってペダル→アンプという構図を作ることです。

それでは Raw だけのサウンドと Plexi と併用した場合のサウンドの違いを実際に聞いてみましょう。


最初のフレーズは Raw を単体で使用した場合です。それに対して後半は Plexi のボリュームを下げて比較的クリーンなセッティングにした状態に Raw を入力した場合のサンプルになっています。好みはあるとは思いますが、一般的には後者のサウンドのほうが生のアンプサウンドに近いため好まれる傾向にはあります。

さらにいい音にしたいならこんなセッティングがオススメ!!

そのまま使っても良いのですが、やはり曲中でいい音に聞かせるにはイコライジングをしたいところ。Arrow には標準プラグインで Pultec  EQP-1 というスタジオ定番の EQ が用意されているので、これでサウンドメイクをすると良いでしょう。ハイとローの2チャンネルで BOOST (ブースト)と ATTEN (カット)が付いていますが、これらは相互干渉するので2チャンネルでもかなり幅広いサウンドメイクが可能です。

また、RealVerb Pro ではリバーブ効果を得ることができるので、オケに馴染ませたいときに併用すると良いでしょう。ただし往年のロックサウンドにはリバーブよりもディレイが合うことも多いのでジャンルによってディレイと使い分けるのがコツです。これらを踏まえたデモ演奏をお聞きください。


使用ギター:Telecaster 
セッティング:Plexi Classic + Refrection Engine + Pultec EQP-1A Legacy + RealVerb Pro

Plexi はやはりオールドスタイルのロックやブルースにあうのでここではブルースロックのデモを作ってみました。テレキャスターを Plexi のインプット1のハイゲインにつないでギター本体のボリュームを変化させて歪みの深さをコントロールしています。

さて、いかがだったでしょうか?次回は Arrow で作るクリーン系ギターサウンドを掘り下げてみたいと思います。お楽しみに!!

小川悦司

ギタリスト / 作編曲家 / 音楽プロデューサー 

ギタリストとして竹本孝之、今井優子、牧野由依、 劇団四季、中川ひろたかなど、ロックからジャズ、ミュージカル、子供向けの音楽まで、幅広いジャンルのサポートやレコーディングに参加するほか、「ポケモン」「ビーダマン」「オハスタ」「生き物地球紀行」などのTV番組関連、また「アイシールド21」や「ウィザードリィ外伝」などゲーム音楽のレコーディングにも数多く参加。楽器フェア等各種催事では長年にわたってYAMAHAやHookUp、Internetなど国内外のメーカー、ベンダーのステージデモを担当。作編曲家、サウンドプロデューサーとしても五十嵐はるみ、折重由美子、米澤美玖、JAZZ LADY Projectなどのジャズ〜フュージョン系からソーシャルアイドルnotallなどまで幅広いジャンルのアーテイストを手掛ける。また、櫻井哲夫の全国ツアーオケやモーターショーの音源制作、USJのサウンドデザイン、菅沼孝三、川口千里、大高清美、梶原順らのDVDや出版物への楽曲提供、「アニソン・エクササイズ」の音楽監修も行っている。執筆家としての関連著書も非常に多く、その発行部数はトータル1000万部以上にのぼる。 

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