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Nektar Technology : アーティスト・ストーリー Simon Grey

機材がヘビーになりがち...というのは、全てのキーボーディストの悩みでしょう。オーストラリアのキーボード・プレイヤー/プロデューサーの Simon Grey (Nektar 公式 YouTube チャンネルで LX88+ のデモ演奏を披露しているプレイヤー) にとっても、それは例外ではありません。ライブツアーも数多くこなす彼は、使用機材のパフォーマンスとサウンドに対して高い基準を設けています - 結果、彼は "ハイブリッド・セットアップ" を構築するに至りました。

Simon は Incognito や Reel People でプレイするだけでなく、Bootsy Collins や Elton John、Jamiroquai のリミックス等、スタジオワークも精力的にこなしています。彼はヴィンテージギアの熱心な愛好家でもあります - Oberheim OB-Xa、Minimoog、ARP Avatar、そして偉大な Fender Rhodes...これらは彼のコレクションのほんの一部です。しかし、これらの貴重なギアをライブで使うのは少し現実的とは言えません。ですが、彼はプレイヤーとしてオーケストラの如く様々なレイヤーを施した膨大なサウンドを好みます。ソフトウェア・インストゥルメントの目覚ましい進歩は驚くべき可能性をもたらしましたが、それでもなお Simon にとってハードウェアは「パズルの重要なピース」でした。そこで選んだのが、彼が言うところの "ハイブリッド" です。これは彼のお気に入りのハードウェア・キーボードと、Nektar Impact LX88+ でコントロールする Apple MainStage を組み合わせることで、必要なすべてをカバーできる実に軽量なライブ向けセットアップです。本人に詳しく話を訊いてみましょう。

- ライブでのセットアップを詳しく教えてください。

ライブではハイブリッドなシステムを組んでいるよ。ハード/ソフトのどちらかだけではうまくいかないんだ。だから両方の「いいとこどり」をするんだよ。僕の基本的なセッティングは YAMAHA Motif ES8、Moog Little Phatty、StudioLogic Numa Organ、あとは Impact LX88+ でコントロールする Apple MainStage だね。Motif はストリングス、ホーン、パッドといったファットでテッパンとも言える音色用に使っている。そして MainStage は僕にとってなくてはならない、スペシャリティを刺激してくれるような存在なんだ。

このセットアップのおかげで、Ravenscroft 275 ピアノや Scarbee EP-88 のようなお気に入りのプラグインをステージで使えるようになった。MainStage はよくあるワークステーションよりもはるかに大容量でリッチなサウンドにアクセスでき、カスタマイズも自在だからね。そこはプログラマーにとって重要なポイントだと思う。あるいは Sylenth。僕のお気に入りのバーチャルシンセで、Nektar のパフォーマンスビデオでも使っているよ。モダンでポップなシンセサウンドを作るには、ワークステーションのメニューをあちこち行き来するよりも、ソフトウェアの方が僕にとっては圧倒的に早いね。だからこそ僕のシステムにはコントローラーが不可欠なんだ。MainStage を手に取るようにプログラムしたいと思っているからさ - そう、これはまさに僕のシステムの肝で、全ての音色管理とリグの割り当てを行っている。レイヤーやスプリットも含め、どのキーボードがどの音源にでもアクセスできるようオープンなシステムを組んでいるよ。Motif だって完全に統合されているんだ。パッチごとに最大4台のキーボードとたっぷりのソフトウェアを組み合わせられて、無限と言ってもいいほどにスプリットとアサインができるからね。信じられないよ。

- セットアップにおいて LX88+ はどんな役割を果たしているのでしょうか?

MainStage でレイアウトを作ってから、いろんなサウンドや音源をコントロールするために LX+ でマッピングをしていってるよ。パッチ単位で、フェーダーはブラス、ストリングス、ソフト音源のレベルを、ノブはフィルターやセンドを、そしてフェーダー下のボタンではパッチ切り替えやミュート、タップテンポを、といった具合に設定できるんだ。基本的にはすべてのパッチで同じマッピングを使っている。パッドは今のところサンプル用として使うのがメインだね。LX+ はパッドへのノートアサインが本当に簡単で分かりやすいんだ。ここまで直感的なのは僕が知る限りコイツだけだと思う。Impact のコントローラー機能は本当に優れているから安心して使えるね。リハーサルでもツアーでも、MainStage と Impact の88鍵は最強のコンビネーションだと思う。何より軽いし、セットアップも早い。

MacBook に立ち上げた MainStage を中心に組まれた Simon のリグ。YAMAHA Motif と Numa Organ が見える (All photos: © Simon Grey)

- コントローラーキーボードに求めるものは?

まず信頼性。これが第一だね!絶対に妥協できないところだよ。これまでコントローラーをシステムに組み込むにあたり、いくつも課題を抱えていたんだ。ちょうど最近、別のコントローラーでギグをやる機会があってね。特に MainStage との使用には問題ないと謳われていたものだよ。それなのにひどくトラブってね。心が折れたよ!一方 LX+ には今まで何の問題も起きていない。だから仲間たちにも薦められるし、直感的で安定しているからストレスを感じないね。あと、僕はメーカーから使い方をいちいち指定されるのが好きじゃない。自分の使い方に合わせて簡単にカスタマイズできるものが必要なんだ。そんなところも LX+ を気に入っている理由だね。MainStage を起動すればノブもフェーダーもキーボードも表示されていて、LX+ はあっという間にそことつながるんだ。Logic とのDAWインテグレーション機能も本当にシンプルで、効果的だよ!

- LX88+ のセミウェイテッド鍵盤についてはいかがですか?

オルガンや Rhodes、シンセを弾くには最高だね。タイトで、自然な抵抗感を備えている。ピアノサウンドを弾く時にはウェイテッドのハンマーアクションの方が好みだけどね。でも LX88+ は本当に広いジャンルをカバーできるし、全体的にはとてもプレイしやすいと思うよ。

- 今後の活動について聞かせてください。

Pledge Music から出るアルバムから先行で、'TAKUMA' というシングルをリリースしたばかりなんだ。このプロジェクトには心血を注いでいて、ここ数年来制作を続けてきたんだ。ファンクを注入したフューチャー・ジャズって感じかな。

Simon Grey official website

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